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本編
第三話
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「……嫉妬って、大人になるとしなくなるの?」
不意に、潤がぽつりと漏らす。
最寄駅から大学までの道を歩きながら、野崎はうーん、と考える様な仕草をした。
「そんな事ないんじゃない?大人になったって、ヤキモチくらいやくよ」
「そう、か」
野崎はカバンを肩にかけ直すと、潤の方を見る。
「ははーん……。ヤキモチ妬かれなくて不安なんだな」
「………」
「歳上なのか?」
「………」
無言は肯定の証だ。
野崎はそう受け取って言葉を続ける。
「それ、相手が『自分は大人だから』って、余裕ぶって見せてるだけじゃない?」
「そういうもの?」
「じゃないかな。酷い嫉妬とかして、嫌われたら困る!って思ってるとか」
野崎はそう言うと、言葉を続ける。
「幾つ歳上の彼女か知らないけど、女性の方が歳上だと、色々考えることが多いんじゃ無い?」
「………」
野崎の言葉に、潤は沈黙した。
彼女……か。
まあ、普通はそう考えるだろうな。
しかし、潤の相手は男だ。
そうなると、この方程式には当てはまらないのでは無いか。
潤がそう悶々と考えていると、至極当たり前の様な顔で野崎が言う。
「いっそ、本人に直接言ってみりゃいいんだよ。『ヤキモチくらい妬いて!』ってさ。その方が案外、ホッとして向こうも本音晒してくれるかもしれないぞ?」
そう言って野崎は潤の肩を叩く。
ーーそう、かもしれない。
潤はつい、恥ずかしさからそっけなく対応してしまうこともあるから、今まで素直に寂しいと言ったことは無かった。
「そうだね……それも、ありかも」
潤の言葉に野崎は満足そうに頷くと、ここからが本番、とばかりに潤の方へ顔を近づける。
「ーーで?な、な、どんな人??」
「……言わない」
「なんだだよー!相談料だと思って教えろよー!」
「きみ、さっきタダだって言ってたじゃない」
「金銭的にはタダだよ!でも、ゴシップは別!我が法学部二年のエースくんの彼女のこととか、知りたいじゃん!」
「嫌だね」
「ちぇ、残念!」
にべもない潤の言葉に、野崎はさほど傷ついてもなさそうに唇を尖らせた。
そのまま二人は大学の正門を潜る。
潤たちの通う大学は広い。
県下でも一二を争う規模の大学で、学部は文学部、法学部、経営学部、商学部、医学部(医学部に関しては別に学舎がある)と5学部あり、校舎は12棟ある。
大学専用のバスターミナルもあり、学生用の駐車場もかなり広いものが3つあった。
お金持ちの子女の多いこの大学は、教授の車よりももっと良い高級外車が学生用の駐車場には並んでいると言うが、果たしてそれはその通りである。
そんな広い大学だから、正門から教室までの道のりはかなり遠い。
端の校舎から端の校舎まで移動しなければならないときは、休憩時間の十分ではギリギリになることもあるくらいだ。
潤たちは朝練をする乗馬部の練習場の横を通り、三号舎へと向かう。
「あ!美咲ちゃんだ!」
野崎は学部一の美少女を見つけると、嬉しそうに声をあげた。
「おっはよー!美咲ちゃん!」
そのまま野崎は潤の元を去り、美咲の元へとかけてゆく。
潤はそんな野崎の背中を見て、深いため息をついた。
不意に、潤がぽつりと漏らす。
最寄駅から大学までの道を歩きながら、野崎はうーん、と考える様な仕草をした。
「そんな事ないんじゃない?大人になったって、ヤキモチくらいやくよ」
「そう、か」
野崎はカバンを肩にかけ直すと、潤の方を見る。
「ははーん……。ヤキモチ妬かれなくて不安なんだな」
「………」
「歳上なのか?」
「………」
無言は肯定の証だ。
野崎はそう受け取って言葉を続ける。
「それ、相手が『自分は大人だから』って、余裕ぶって見せてるだけじゃない?」
「そういうもの?」
「じゃないかな。酷い嫉妬とかして、嫌われたら困る!って思ってるとか」
野崎はそう言うと、言葉を続ける。
「幾つ歳上の彼女か知らないけど、女性の方が歳上だと、色々考えることが多いんじゃ無い?」
「………」
野崎の言葉に、潤は沈黙した。
彼女……か。
まあ、普通はそう考えるだろうな。
しかし、潤の相手は男だ。
そうなると、この方程式には当てはまらないのでは無いか。
潤がそう悶々と考えていると、至極当たり前の様な顔で野崎が言う。
「いっそ、本人に直接言ってみりゃいいんだよ。『ヤキモチくらい妬いて!』ってさ。その方が案外、ホッとして向こうも本音晒してくれるかもしれないぞ?」
そう言って野崎は潤の肩を叩く。
ーーそう、かもしれない。
潤はつい、恥ずかしさからそっけなく対応してしまうこともあるから、今まで素直に寂しいと言ったことは無かった。
「そうだね……それも、ありかも」
潤の言葉に野崎は満足そうに頷くと、ここからが本番、とばかりに潤の方へ顔を近づける。
「ーーで?な、な、どんな人??」
「……言わない」
「なんだだよー!相談料だと思って教えろよー!」
「きみ、さっきタダだって言ってたじゃない」
「金銭的にはタダだよ!でも、ゴシップは別!我が法学部二年のエースくんの彼女のこととか、知りたいじゃん!」
「嫌だね」
「ちぇ、残念!」
にべもない潤の言葉に、野崎はさほど傷ついてもなさそうに唇を尖らせた。
そのまま二人は大学の正門を潜る。
潤たちの通う大学は広い。
県下でも一二を争う規模の大学で、学部は文学部、法学部、経営学部、商学部、医学部(医学部に関しては別に学舎がある)と5学部あり、校舎は12棟ある。
大学専用のバスターミナルもあり、学生用の駐車場もかなり広いものが3つあった。
お金持ちの子女の多いこの大学は、教授の車よりももっと良い高級外車が学生用の駐車場には並んでいると言うが、果たしてそれはその通りである。
そんな広い大学だから、正門から教室までの道のりはかなり遠い。
端の校舎から端の校舎まで移動しなければならないときは、休憩時間の十分ではギリギリになることもあるくらいだ。
潤たちは朝練をする乗馬部の練習場の横を通り、三号舎へと向かう。
「あ!美咲ちゃんだ!」
野崎は学部一の美少女を見つけると、嬉しそうに声をあげた。
「おっはよー!美咲ちゃん!」
そのまま野崎は潤の元を去り、美咲の元へとかけてゆく。
潤はそんな野崎の背中を見て、深いため息をついた。
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