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6.宣戦布告
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「ようこそいらっしゃいました。私はこの屋敷に仕える執事、ウォルターと申します」
辺境伯様が住まわれる城にようやくたどり着いた私たちは城の門をたたいた。出てきた兵に名乗ると門の中へと案内される。そして、城の中に入ると燕尾服を身にまとった黒髪の男性が私たちを出迎えてくれた。
「お出迎えありがとうございます、ウォルター様。私はエリワイド・コンサーレです。こちらは侍女のナタリーです。この度は急な申し出にも関わらず、訪問をお許しいただきありがとうございました」
そう私が挨拶すると、ウォルター様は固い表情を変えることなく淡々と言葉を続けた。
「いえ、旦那様のご命令ですから従うのは当然のことです。どうぞ、中にお入りください。生憎旦那様は急用で少しの間外出をしております。先にご宿泊いただくお部屋の方へご案内させていただきます」
「わかりました。ありがとうございます」
私は素直に頷くとウォルター様の後に続いて部屋へと向かった。何となく彼の周りの空気は張り詰めたものを感じる。憧れの辺境伯様が住む建物に足を踏み入れていることも相まって、私は内心ガチガチだった。
「旦那様がお戻りになるまでこちらでお寛ぎください」
部屋に案内され、ウォルター様が部屋を出ていくのを見届けると、私はどさりとベッドに腰掛け息を漏らした。
「…はぁ、緊張した」
「…気を抜くのは早いですよ、お嬢様」
呆れ気味でそう言うナタリーに私は頬を膨らませる。
「わかってるわ。でもずっと恋焦がれていた人の家に上がるのだもの緊張はするわよ。大丈夫、直ぐに慣れるようにするから。…それにしても、かなりの迫力がある人ね。何というか、流石はブルーナイト辺境伯様の執事だわ」
私の言葉にナタリーは深く頷いた。
「どうやらあまり歓迎されていないようですね。先ほどの態度もそうでしたが、この部屋。最低限のものは準備されていますが、日当たりもよくないですし、少々かび臭いです。とても良質な客室とは思えません」
部屋のあちこちを確認しながらそう述べるナタリーに、私はかまわないわと首を横に振った。
「急なお願いだったしそれは仕方がないことだわ。寧ろ、こうして泊まらせてもらえるだけで感謝しないと」
「お嬢様…」
確かに少しじめっとしているが、簡素ながらも家具はきちんと揃えられているし、生活に不自由があるわけではない。そもそも我が家が豪華すぎるのだ。これくらい簡素な方が落ちつきがあっていい。
「とりあえず、荷解きをしてしまいましょう!辺境伯様がお戻りになる前に身なりを整えないと」
「そうですね。さっさと支度をしてしまいましょう」
私とナタリーは持ってきた荷物を取り出すと、整理を始めた。陽が完全に昇りきった頃、辺境伯様はお戻りになった。
※※※
「先ほどは出迎えることができず失礼した。私がエドゥアール・ブルーナイトだ。君の父親には世話になっている」
ウォルター様に案内されやってきた客間には、既にブルーナイト辺境伯が待ち構えていた。辺境伯様がこちらへと身体を向けると、それにつれられて後ろに結ばれた紺色の長い髪がさらりと揺れる。明るいところで初めて見る辺境伯の色気ある姿に私の心臓は高鳴った。
「とんでもないです。こちらこそ急な申し出にも関わらず、遊学を受け入れていただきありがとうございました。改めまして、エリワイド・コンサーレと申します。こちらは私の侍女のナタリーです。よろしくお願いいたします」
震える足を叱責しながら、私はできるだけ優雅に見えるようカーテシーを行た。エドゥアール様はそんな私を一瞥しながら、顔を上げるよう手で合図した。
「このような田舎の辺境で学べることなど何もないと思うが、気が済むまで自由に過ごしてもらってかまわない。この国の宰相の頼みだ。どうせ私には断れないからな」
…うわぁ。お父様、一体辺エドゥアール様に何て言って頼んだのかしら。凄い根に持たれてるわ…。
「何もないなんてそんなことはございませんわ!実際、ここに来るまで発見の連続でしたもの!飛竜タクシーも香草入りの肉の腸詰も!とっても貴重な体験でしたわ!全てエドゥアール様が開発されたのでしょう?私、とても感動しました!」
どれも王都では得られない体験だ。興奮してそう語る私にエドゥアール様は冷たい表情のまま言う。
「私は提案しただけだ。思いついたのは私ではない」
エドゥアール様はくるりと身を翻すと窓辺に向かって歩く。そのしなやかな動きを私はぼんやりと見つめた。
「あれは全て領民のアイデアだ。私はそのアイデアを形にしただけに過ぎない」
そう呟かれたエドゥアール様の言葉に私はほぼ反射で言った。
「そうだとしても、それも凄いことだと思います。領民の言葉に耳を傾け、行動に移すというのはそう簡単なことではないでしょう。ここに来る道中、この辺境に住まわれる方とお話する機会がありました。皆さん、今を楽しそうに生きていらっしゃいました。これもきっとエドゥアール様の努力の賜物だと思います」
私の言葉にエドゥアール様はこちらを振り向くと、紅い瞳を少し見開いてこちらを見つめた。そして諦めたように視線を下にずらすとぽつりと呟いた。
「…君がそう思いたいのならそれで構わない。その頑固そうなところは父親とそっくりだからな。私が否定したところで君は自分の意見を曲げないだろう」
あははは。想像はしていたけど結構毒舌。そういうところも素敵だけど。私は満面の笑みを浮かべて答えた。
「ありがとうございます。ぜひそうさせていただきますわ」
笑みを崩さない私の様子にエドゥアール様は少したじろいだようだった。嫌味を礼で返されたのが気まずかったのか話題を変えた。
「…君の父親から話は聞いている。君は私を好いてくれているようだが、残念ながら私は君の想いには答えることはできない。私は誰とも婚姻を結ばないと心に決めているのだ。跡継ぎなど、養子をとれば問題ないからな。だから期待しないでくれ」
きっとこう言えば私が諦めるとでも思ったのだろう。しかし、負けず嫌いな私にとってその言葉は逆効果だ。
「それは十分承知しておりますわ。でも私、父に似て諦めが悪いんです。辺境伯様が結婚を拒まれる理由は存じ上げませんけれど、私、エドゥアール様を落としてくるって父と約束してきましたの。だから、ご覚悟くださいね。私、全力で攻めるつもりですから!」
私の宣戦布告にエドゥアール様は静かに紅い瞳をこちらに向けてじっと私を見つめた。ここで目をそらしたら何だか負けのような気がして、私は負けじとエドゥアール様を見つめる。すると、エドゥアール様はふっと口角を上げて言った。
「そうか。では落とされないようにこちらも気を付けなければな。…では、私は仕事があるのでこれで失礼する。食事を用意させたので昼食をとるといい。王都に比べて質素なものではあるがな。気に入らなければ他所で食べてくれ。では、ウォルター後は頼んだ」
「はい、旦那様」
ウォルター様にそう声をかけるとエドゥアール様はさっそうと部屋を出て行った。私は突然の不意打ちに耐えられずぼうっと彼が出て言った扉を見つめる。
「食堂にご案内します。どうぞこちらに」
「…ええ」
やばい。今のは迫力がありすぎる。固い表情がデフォルトの人が笑みを浮かべるとかなりドキッとする。耳が熱くなっているのを感じながら、私はナタリーと共にウォルター様の後ろをついて行くのだった。
辺境伯様が住まわれる城にようやくたどり着いた私たちは城の門をたたいた。出てきた兵に名乗ると門の中へと案内される。そして、城の中に入ると燕尾服を身にまとった黒髪の男性が私たちを出迎えてくれた。
「お出迎えありがとうございます、ウォルター様。私はエリワイド・コンサーレです。こちらは侍女のナタリーです。この度は急な申し出にも関わらず、訪問をお許しいただきありがとうございました」
そう私が挨拶すると、ウォルター様は固い表情を変えることなく淡々と言葉を続けた。
「いえ、旦那様のご命令ですから従うのは当然のことです。どうぞ、中にお入りください。生憎旦那様は急用で少しの間外出をしております。先にご宿泊いただくお部屋の方へご案内させていただきます」
「わかりました。ありがとうございます」
私は素直に頷くとウォルター様の後に続いて部屋へと向かった。何となく彼の周りの空気は張り詰めたものを感じる。憧れの辺境伯様が住む建物に足を踏み入れていることも相まって、私は内心ガチガチだった。
「旦那様がお戻りになるまでこちらでお寛ぎください」
部屋に案内され、ウォルター様が部屋を出ていくのを見届けると、私はどさりとベッドに腰掛け息を漏らした。
「…はぁ、緊張した」
「…気を抜くのは早いですよ、お嬢様」
呆れ気味でそう言うナタリーに私は頬を膨らませる。
「わかってるわ。でもずっと恋焦がれていた人の家に上がるのだもの緊張はするわよ。大丈夫、直ぐに慣れるようにするから。…それにしても、かなりの迫力がある人ね。何というか、流石はブルーナイト辺境伯様の執事だわ」
私の言葉にナタリーは深く頷いた。
「どうやらあまり歓迎されていないようですね。先ほどの態度もそうでしたが、この部屋。最低限のものは準備されていますが、日当たりもよくないですし、少々かび臭いです。とても良質な客室とは思えません」
部屋のあちこちを確認しながらそう述べるナタリーに、私はかまわないわと首を横に振った。
「急なお願いだったしそれは仕方がないことだわ。寧ろ、こうして泊まらせてもらえるだけで感謝しないと」
「お嬢様…」
確かに少しじめっとしているが、簡素ながらも家具はきちんと揃えられているし、生活に不自由があるわけではない。そもそも我が家が豪華すぎるのだ。これくらい簡素な方が落ちつきがあっていい。
「とりあえず、荷解きをしてしまいましょう!辺境伯様がお戻りになる前に身なりを整えないと」
「そうですね。さっさと支度をしてしまいましょう」
私とナタリーは持ってきた荷物を取り出すと、整理を始めた。陽が完全に昇りきった頃、辺境伯様はお戻りになった。
※※※
「先ほどは出迎えることができず失礼した。私がエドゥアール・ブルーナイトだ。君の父親には世話になっている」
ウォルター様に案内されやってきた客間には、既にブルーナイト辺境伯が待ち構えていた。辺境伯様がこちらへと身体を向けると、それにつれられて後ろに結ばれた紺色の長い髪がさらりと揺れる。明るいところで初めて見る辺境伯の色気ある姿に私の心臓は高鳴った。
「とんでもないです。こちらこそ急な申し出にも関わらず、遊学を受け入れていただきありがとうございました。改めまして、エリワイド・コンサーレと申します。こちらは私の侍女のナタリーです。よろしくお願いいたします」
震える足を叱責しながら、私はできるだけ優雅に見えるようカーテシーを行た。エドゥアール様はそんな私を一瞥しながら、顔を上げるよう手で合図した。
「このような田舎の辺境で学べることなど何もないと思うが、気が済むまで自由に過ごしてもらってかまわない。この国の宰相の頼みだ。どうせ私には断れないからな」
…うわぁ。お父様、一体辺エドゥアール様に何て言って頼んだのかしら。凄い根に持たれてるわ…。
「何もないなんてそんなことはございませんわ!実際、ここに来るまで発見の連続でしたもの!飛竜タクシーも香草入りの肉の腸詰も!とっても貴重な体験でしたわ!全てエドゥアール様が開発されたのでしょう?私、とても感動しました!」
どれも王都では得られない体験だ。興奮してそう語る私にエドゥアール様は冷たい表情のまま言う。
「私は提案しただけだ。思いついたのは私ではない」
エドゥアール様はくるりと身を翻すと窓辺に向かって歩く。そのしなやかな動きを私はぼんやりと見つめた。
「あれは全て領民のアイデアだ。私はそのアイデアを形にしただけに過ぎない」
そう呟かれたエドゥアール様の言葉に私はほぼ反射で言った。
「そうだとしても、それも凄いことだと思います。領民の言葉に耳を傾け、行動に移すというのはそう簡単なことではないでしょう。ここに来る道中、この辺境に住まわれる方とお話する機会がありました。皆さん、今を楽しそうに生きていらっしゃいました。これもきっとエドゥアール様の努力の賜物だと思います」
私の言葉にエドゥアール様はこちらを振り向くと、紅い瞳を少し見開いてこちらを見つめた。そして諦めたように視線を下にずらすとぽつりと呟いた。
「…君がそう思いたいのならそれで構わない。その頑固そうなところは父親とそっくりだからな。私が否定したところで君は自分の意見を曲げないだろう」
あははは。想像はしていたけど結構毒舌。そういうところも素敵だけど。私は満面の笑みを浮かべて答えた。
「ありがとうございます。ぜひそうさせていただきますわ」
笑みを崩さない私の様子にエドゥアール様は少したじろいだようだった。嫌味を礼で返されたのが気まずかったのか話題を変えた。
「…君の父親から話は聞いている。君は私を好いてくれているようだが、残念ながら私は君の想いには答えることはできない。私は誰とも婚姻を結ばないと心に決めているのだ。跡継ぎなど、養子をとれば問題ないからな。だから期待しないでくれ」
きっとこう言えば私が諦めるとでも思ったのだろう。しかし、負けず嫌いな私にとってその言葉は逆効果だ。
「それは十分承知しておりますわ。でも私、父に似て諦めが悪いんです。辺境伯様が結婚を拒まれる理由は存じ上げませんけれど、私、エドゥアール様を落としてくるって父と約束してきましたの。だから、ご覚悟くださいね。私、全力で攻めるつもりですから!」
私の宣戦布告にエドゥアール様は静かに紅い瞳をこちらに向けてじっと私を見つめた。ここで目をそらしたら何だか負けのような気がして、私は負けじとエドゥアール様を見つめる。すると、エドゥアール様はふっと口角を上げて言った。
「そうか。では落とされないようにこちらも気を付けなければな。…では、私は仕事があるのでこれで失礼する。食事を用意させたので昼食をとるといい。王都に比べて質素なものではあるがな。気に入らなければ他所で食べてくれ。では、ウォルター後は頼んだ」
「はい、旦那様」
ウォルター様にそう声をかけるとエドゥアール様はさっそうと部屋を出て行った。私は突然の不意打ちに耐えられずぼうっと彼が出て言った扉を見つめる。
「食堂にご案内します。どうぞこちらに」
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