クラス転移したからクラスの奴に復讐します

一章 転移した先は

２０話 お断り

「それでアラストール殿。男爵になってくれるか？」
「お断りします」

その瞬間、その場の時が凍った。 

「…………もう一度言ってもらえるか？最近耳が遠くなりかけておっての」
「良いですよ。男爵のお話はお断りします」
「…………理由を聞いても良いかの」
「はい。まず最初に、国に縛られたくないことですね。二つ目に、自分は政治とか興味がないことですね。三つ目に、ただめんどくさいと言うことです」
「………………この場にいるアラストールと儂とセーバス以外は退出してくれ。これは国王命令だ。逆らったら死刑だ」
「「「は、はい！！」」」

国王がそういうと周りにいた人たちが一瞬でドアの向こうに行ってしまって俺と国王とセーバスさんとピッグ侯爵だけとなった。てかなんでいるんだよ。国王命令だろ。

「ピッグ侯爵も退室を願えるか」
「私に二度の国王命令をするのですか？。別にいいではないですか。私と国王の仲でしょう」
「今回はそういうのは無しでアスト殿と話したい。頼むから退出をしてくれ」
「…………分かりました。余計なことをしたらバラしますからね」
「ああ。分かっている」

なにやら訳ありな話をしていたがピッグ侯爵はすぐに部屋を出て行った。

「ふぅー……ふっふっふはっはっは。お主はおもろいな」
「えっ⁉︎」

なんか別人みたいな喋り方になったんだけど。この人誰？てかさっきまでの空気はどこいった？。

「今、別人みたいと思ったじゃろ。まぁ貴族やら国民やらの前だったらちょっと威厳を放つがいつもそれをしてたら疲れるんじゃよ」
「へぇー」
「それでアラストールよ。別にお主を国で縛ろうとは思っておらんし政治もしなくていい。ただ家にいてくれるだけで良いんじゃ」
「どうしてですか」
「いてくれるだけで他国に牽制ができるしな。それにドラゴンが攻めてきてもお主ならなんとかできるじゃろ。あと、その喋り方づらいじゃろ。普通でいいぞ」
「そうか、じゃあそうさせてもらう。いやそうじゃなくて家にいるだけで俺は家とか金がもらえるのか⁉︎」
「いいや、ちゃんと働いて貰うぞ」
「えー。じゃやだよ」
「まぁ働くと言っても月に一回無報酬でSSランク以上の依頼を片付けるというものじゃがな」

それぐらいならいいのかな？。まぁいいか。別に金は沢山あるし何もしなくても家とかがもらえるんだもんな。

「じゃあ、男爵になってやるよ。そのかわり条件がある」
「本当か⁉︎。それでその条件は」
「条件は……」
「『ゴクン』……」
「他国とか迷宮とか普段使用できないところを自由に行き来できるフリーパス的なものをくれ」
「え、あ、…それぐらいならいいが。そんなことでいいのか？」
「いや、多分それが一番重要だ」

俺は国王に勇者召喚があったことと俺が勇者に復讐したいことを言った。

「勇者か……もうその時期か」
「ギルマスから聞いたよ。散々だったな」
「ああ。まぁ今はお主がおるから勇者なんぞお役御免じゃがな」
「言えてるな」

そのあとは勇者の悪口を言ったりお互いを愛称で呼ぶなどして盛り上がったがセーバスさんが「これからのことを話してください」なんて言うから現実に戻ってきた。

「そうじゃな。それでアストよ。お主にはもう一つ話をしなくてはいけないことがあってな。さっきの復讐のこともあるからどうなるかわ分からんがちゃんと聞いてほしい」
「なんだ？」
「これは本人と話した方がいいだろう。出てきていいぞ」

国王がでかい声でそういうと国王が座っているイスの後ろのエンブレムが描かれた壁がドアのように開いてミリーナが出てきた。

「アストさん」
「ミリーナか。話したいことってなんだ？」

俺がそう聞くとミリーナは顔を真っ赤にして少し俯いたあと顔をあげてこう言った。

「あ、あの！。わ、私。アストさんに一目惚れしました！。もしよかったら、け、結婚を、ぜ、前提に、か、駆け落ちをしてください！」

そう言って俺に頭を下げた。

「…………えっ⁉︎」

俺はその言葉を聞いた瞬間、素っ頓狂な声を出して固まってしまった。