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七章 決戦
34話 死線を超えた先に 3
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奥へ進んでいく。
障害物が何もなく、ただただ殺しにくる邪神を屠りながら。
途中に休憩を何度か挟んだ。
その度に奇襲を仕掛けてこようとするからたまったものではないが、着実に一歩ずつ進んでいた。
そして、2つ目の大きな空間に出た。
一度目の空間のこともあり警戒していると、案の定邪神が現れた。
それも一度に2人。
「はぁ、あのバカ猫は先走って死んじゃったか」
「しょうがないわよ。相手も神なんだし調子乗ってたあの子がいる悪かったのよ」
その2人はエルフのような見た目をしており、余裕そうなそぶりで俺たちの前に現れた。
「お前たちも邪神なのか」
「そうだよ。俺は虐嵐のカイル。こいつの兄だ」
「私は虐氷のコイル。この人の妹よ」
どうやら兄弟の邪神らしい。まあ、どうでもいいんだが。
二つ名から見て、カイルは風、コイルは氷の魔法を使うのだろう。
「さてと、まずはどいつから殺っちゃう?」
「うーん、あの男の子かな」
コイルと名乗った女がジークを指差した。
その瞬間、嫌な予感がした俺はジークの元に瞬間移動した。
その直後、ジャンヌ達と俺たちの間に巨大な氷の壁が出来上がっていた。
「あっれれ~おっかしいな~。ちゃんと分断したはずなんだけどなぁ~」
どこぞの名探偵のようなことを言うと、今度はカイルが風邪を使って氷壁に風を纏わせた。
よく見ると、その風は極小の鎌鼬となっていて、触れた瞬間細切りになってしまうやつだ。
「これであっち側には転移で行くしかないわけだけど、どうするのかな?」
「チッ……」
転移魔法は転移する場所を確定させなければいけない。来たばっかでさっきまで一緒にいた空間をすぐに覚えていられるほど俺も万能ではない。
そんな状態で転移魔法など使ったら訳の分からないところに転移してしまうのだ
「幸い、僕たち2人もこっちにいるから後の4人はどうしようもできない。まあ、お前達を殺した後にあいつらも殺すがな」
「そうはさせるかよ!」
ジークがそう叫ぶといきなり『天照』を解放して2人の邪神に斬りかかった。
しかし、次の瞬間にはジークは地面に吹き飛ばされていた。
「ざっこいね~。その程度の力でよく俺に斬りかかろうとしたもんだ」
「こらカイルあの子は私のだよ」
「へいへい。じゃあ俺はあっちの方をやるよ」
カイルががそう言った瞬間その場から消えた。俺はすぐに戦闘態勢に入り、感覚でその場から前に転がった。
すると、俺が先ほどまでいた場所に一本の矢が刺さっており、もし気づけなかったら串刺しにされていただろう。
「あれ、今の当たんないか。なかなかやるな」
「うるさい」
いつのまにか弓を装備していたカイルが嫌味たっぷりに褒めてくるが、俺は聞く耳を持たずに身体能力強化を使用して空にいるカイルに詰め寄ろうとした。
だが、先ほどのジーク同様一瞬で地面へと送り返された。
「チッ…やっぱり風の抵抗を無くせないと無理か」
「無理無理。俺の風は最強なんだ。お前なんかが創る風が俺の風を凌げるわけないだろ?」
「試してみるか?」
アストが一触即発の空気の中、ジークはコイルと対峙していた。
「君、名前は?」
「あ?お前にいう必要なんかねぇだろ!」
一気に切り込んだジークだったが、目の前に氷の壁ができたことで失速し、その氷を斬り破るがその時には距離が空いてしまっており結局コイルの元までたどり着けなかった。
「たしかにそうだね。でもさ、君じゃ私には勝てないんだよ」
「やってみなきゃわからないだろ!」
「いいや、もう勝負はついてるよ」
コイルがそう言った瞬間、ジークの足が凍りついた。
コイルはジークと話すことで気をそらし、足元を凍らせたことに気付かさなかったのだ。
「なっ…く、くそ、うごかねぇ」
「君がどう頑張っても私の氷は壊せない。さっき壊されたのは私が氷の強度を下げてたからだよ」
「うるせえ!壊せねえなら溶かすだけなんだよ!」
『天照』は太陽の神。そして頭の上にあるのは太陽と全く同じ性質を持っている球体だ。
太陽の熱量は1500万K。
それだけの熱量があれば氷だろうとなんだろう全て溶けて蒸発するだろう。
実際、太陽の熱量を放つ球体を氷に近づければ氷はあっという間に溶けて蒸発してしまった。
「ま、そうしますよね」
「はっ?……」
その次の瞬間には、太陽が凍りつき地面に音を立てて落ちた。
ーーーーーーーー
作者より。
久々の更新です。
これからも頑張って書くのでこれからも応援よろしくお願いします!
都合で更新頻度は少ないですが許してください。
障害物が何もなく、ただただ殺しにくる邪神を屠りながら。
途中に休憩を何度か挟んだ。
その度に奇襲を仕掛けてこようとするからたまったものではないが、着実に一歩ずつ進んでいた。
そして、2つ目の大きな空間に出た。
一度目の空間のこともあり警戒していると、案の定邪神が現れた。
それも一度に2人。
「はぁ、あのバカ猫は先走って死んじゃったか」
「しょうがないわよ。相手も神なんだし調子乗ってたあの子がいる悪かったのよ」
その2人はエルフのような見た目をしており、余裕そうなそぶりで俺たちの前に現れた。
「お前たちも邪神なのか」
「そうだよ。俺は虐嵐のカイル。こいつの兄だ」
「私は虐氷のコイル。この人の妹よ」
どうやら兄弟の邪神らしい。まあ、どうでもいいんだが。
二つ名から見て、カイルは風、コイルは氷の魔法を使うのだろう。
「さてと、まずはどいつから殺っちゃう?」
「うーん、あの男の子かな」
コイルと名乗った女がジークを指差した。
その瞬間、嫌な予感がした俺はジークの元に瞬間移動した。
その直後、ジャンヌ達と俺たちの間に巨大な氷の壁が出来上がっていた。
「あっれれ~おっかしいな~。ちゃんと分断したはずなんだけどなぁ~」
どこぞの名探偵のようなことを言うと、今度はカイルが風邪を使って氷壁に風を纏わせた。
よく見ると、その風は極小の鎌鼬となっていて、触れた瞬間細切りになってしまうやつだ。
「これであっち側には転移で行くしかないわけだけど、どうするのかな?」
「チッ……」
転移魔法は転移する場所を確定させなければいけない。来たばっかでさっきまで一緒にいた空間をすぐに覚えていられるほど俺も万能ではない。
そんな状態で転移魔法など使ったら訳の分からないところに転移してしまうのだ
「幸い、僕たち2人もこっちにいるから後の4人はどうしようもできない。まあ、お前達を殺した後にあいつらも殺すがな」
「そうはさせるかよ!」
ジークがそう叫ぶといきなり『天照』を解放して2人の邪神に斬りかかった。
しかし、次の瞬間にはジークは地面に吹き飛ばされていた。
「ざっこいね~。その程度の力でよく俺に斬りかかろうとしたもんだ」
「こらカイルあの子は私のだよ」
「へいへい。じゃあ俺はあっちの方をやるよ」
カイルががそう言った瞬間その場から消えた。俺はすぐに戦闘態勢に入り、感覚でその場から前に転がった。
すると、俺が先ほどまでいた場所に一本の矢が刺さっており、もし気づけなかったら串刺しにされていただろう。
「あれ、今の当たんないか。なかなかやるな」
「うるさい」
いつのまにか弓を装備していたカイルが嫌味たっぷりに褒めてくるが、俺は聞く耳を持たずに身体能力強化を使用して空にいるカイルに詰め寄ろうとした。
だが、先ほどのジーク同様一瞬で地面へと送り返された。
「チッ…やっぱり風の抵抗を無くせないと無理か」
「無理無理。俺の風は最強なんだ。お前なんかが創る風が俺の風を凌げるわけないだろ?」
「試してみるか?」
アストが一触即発の空気の中、ジークはコイルと対峙していた。
「君、名前は?」
「あ?お前にいう必要なんかねぇだろ!」
一気に切り込んだジークだったが、目の前に氷の壁ができたことで失速し、その氷を斬り破るがその時には距離が空いてしまっており結局コイルの元までたどり着けなかった。
「たしかにそうだね。でもさ、君じゃ私には勝てないんだよ」
「やってみなきゃわからないだろ!」
「いいや、もう勝負はついてるよ」
コイルがそう言った瞬間、ジークの足が凍りついた。
コイルはジークと話すことで気をそらし、足元を凍らせたことに気付かさなかったのだ。
「なっ…く、くそ、うごかねぇ」
「君がどう頑張っても私の氷は壊せない。さっき壊されたのは私が氷の強度を下げてたからだよ」
「うるせえ!壊せねえなら溶かすだけなんだよ!」
『天照』は太陽の神。そして頭の上にあるのは太陽と全く同じ性質を持っている球体だ。
太陽の熱量は1500万K。
それだけの熱量があれば氷だろうとなんだろう全て溶けて蒸発するだろう。
実際、太陽の熱量を放つ球体を氷に近づければ氷はあっという間に溶けて蒸発してしまった。
「ま、そうしますよね」
「はっ?……」
その次の瞬間には、太陽が凍りつき地面に音を立てて落ちた。
ーーーーーーーー
作者より。
久々の更新です。
これからも頑張って書くのでこれからも応援よろしくお願いします!
都合で更新頻度は少ないですが許してください。
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