244 / 250
七章 決戦
38話 死戦を越えた先に7
しおりを挟む
ルーシー妹の首にグランを突き付けた俺は質問をした。
「お前は兄貴が好きか?」
突拍子のない質問に、彼女はとぼけ顔をしたがすぐに自嘲気味に笑った。
「好きだよ。大好き。愛してたもん」
「そっか。生まれ変わっても兄妹がいいか?」
「うーん。どうせなら血のつながりがない方がいいかな。そしたら結婚もできるしね」
「本当に好きなんだな」
「うん。物心ついたその時から私はお兄ちゃんを慕ってたからね。私がどうなろうともお兄ちゃんだけは守ろうって思ってた。でも、守れなかった…」
彼女は大粒の涙を流しながら「ごめんね」と言いながら嗚咽を漏らした。
「こんなこと言える立場じゃないけど…せめてお兄ちゃんの近くで殺して欲しい」
「ふっ…安心しろ。俺はだれも殺しはしない」
「…え?」
彼女が訳がわからないという顔をしたが、俺はお構いなしに彼女の首を胴体から切り離した。
痛みも感じないほどの一瞬で。
「安心しろ。すぐに終わらせるから」
そう呟いた俺はルーシーが使っていた階段を駆け上がりまた巨大な空間にたどり着いた。
そこには、残りの至高邪神のうち2人が門らしき前で佇んでいた。
一人は筋肉ムキムキのドワーフのような容姿でもう一人は眼鏡をかけてエルフのような容姿をしていた。
「お前らで最後か」
「まさかここまで来るとはな。だが、我々がここで終わらせる」
「残念だったな亜神。俺たちは今までのやつより強いぞ」
ドワーフがそう言うとものすごい速さで迫ってきた。そして俺の目前まで来ると持っていた大斧を振り上げ力いっぱいに振り下ろした。
それを俺はただただ見るだけにしておいた。
キーーン!
金属と金属がぶつかり合ったような音はドワーフの大斧と俺の頭から響いた。
「は?」
「そんなもんか。これならあの龍人の方が強かったぜ」
俺はそう言うとドワーフの大斧をつかんで粉々に砕いた。
「ば、馬鹿な!これはあのお方から授かった斧だぞ!お前のような小童に砕かれるはずが!」
「現に今、目の前で粉々になっているが?」
「クッ…この餓鬼があ!」
「ドワーフ、飛べ!」
ドワーフが俺に殴りかかろうとした瞬間エルフの声が届きドワーフはその場で3メートルを優に越す大ジャンプをした。
「来い!」
エルフ何そう叫びいつのまにか手に握っていた弓を引くとそこに矢が補填されていた。
そして、その周りには魔法陣が浮かんでおりそこから無数の矢が覗いていた。
「穿て!」
エルフがそう叫びながら矢を放った。それとほぼ同時に魔法陣からも矢が放たれた。
それを俺は、また見るだけにした。
放たれた矢は俺に当たった瞬間に弾け飛びこの肉体に傷を与えることはなかった。
「むっ。お前は生物か?この矢はどんなものをも貫くんだぞ」
「全部お前がみている通りだよ。一つ訂正するなら、俺はちゃんと『人』だ」
俺は足元に転がっている矢を一つ手に拾いダーツのように持った。
「ふっ。急にどうした?死ぬのが怖くて頭がおかしくなったのか?」
「相手との力量も測れないカスが何言ってんだ?」
「……なに?」
「まぁみてろって。直ぐに脳天に穴が開くから」
「はははっ!なにを言い出すかと思えば…本当に頭がおかしくなっているようだな。その矢がこの私のところまで届くとでも?」
そう思うだろうな。長さは1メートルを超える矢。それをダーツのように投げれば飛距離もクソもないだろう。
だが、さっきの戦いで制御をはずしたせいでうまく手加減が出来ないんだ。
俺が普通に投げると、矢は音速を超えてエルフの脳天を貫通した。
「…え?」
エルフは反応が遅れてそのまま仰向けに倒れてしまった。
どうやら即死耐性がない珍しい神みたいだ。その分武器やら身体能力に上乗せされてるとは思うが…まぁ死んだあいつにはもう関係ないか。
「ぬおおーー!死に晒せ!」
死角から襲ってきたドワーフの攻撃を特に何かをすることなく体で受け止めた。
すると、俺に当たった途端にドワーフは来た方向に吹っ飛んだ。
「な、なんなんだ…お前」
「さっきも言ったろ?ただの『人』だ」
俺はそう言ってドワーフの首を跳ねた。
「お前らも待ってろ。すぐに戻る」
俺はそう呟いて。こいつらが最初にいた場所の後ろにある巨大な扉を押した。
ーーーーーーーー
久しぶりの更新失礼します。
結局去年のうちにリニューアル版出せませんでした。申し訳ございません。
なぜこの話を今したのかと言うと、皆さんお察しの通り忘れてました。
神界の出来事やミリーナと会うとこまではできてるんですがお見せできるほど完成度が高くなく、作り直し作り直しをしているうちに新年を開けてしまいました。
申し訳ございませんが、リニューアル版は今後出さない方針で行かせていただきます。
外伝の雫ストーリーですが、こちらも最近滞っているので近いうちに更新したいと思います。
期待をさせてそれを裏切る形になり申し訳ございません。
今後も更新頻度は遅いですが、完結まで持っていけるよう頑張るので応援の方よろしくお願いします。
「お前は兄貴が好きか?」
突拍子のない質問に、彼女はとぼけ顔をしたがすぐに自嘲気味に笑った。
「好きだよ。大好き。愛してたもん」
「そっか。生まれ変わっても兄妹がいいか?」
「うーん。どうせなら血のつながりがない方がいいかな。そしたら結婚もできるしね」
「本当に好きなんだな」
「うん。物心ついたその時から私はお兄ちゃんを慕ってたからね。私がどうなろうともお兄ちゃんだけは守ろうって思ってた。でも、守れなかった…」
彼女は大粒の涙を流しながら「ごめんね」と言いながら嗚咽を漏らした。
「こんなこと言える立場じゃないけど…せめてお兄ちゃんの近くで殺して欲しい」
「ふっ…安心しろ。俺はだれも殺しはしない」
「…え?」
彼女が訳がわからないという顔をしたが、俺はお構いなしに彼女の首を胴体から切り離した。
痛みも感じないほどの一瞬で。
「安心しろ。すぐに終わらせるから」
そう呟いた俺はルーシーが使っていた階段を駆け上がりまた巨大な空間にたどり着いた。
そこには、残りの至高邪神のうち2人が門らしき前で佇んでいた。
一人は筋肉ムキムキのドワーフのような容姿でもう一人は眼鏡をかけてエルフのような容姿をしていた。
「お前らで最後か」
「まさかここまで来るとはな。だが、我々がここで終わらせる」
「残念だったな亜神。俺たちは今までのやつより強いぞ」
ドワーフがそう言うとものすごい速さで迫ってきた。そして俺の目前まで来ると持っていた大斧を振り上げ力いっぱいに振り下ろした。
それを俺はただただ見るだけにしておいた。
キーーン!
金属と金属がぶつかり合ったような音はドワーフの大斧と俺の頭から響いた。
「は?」
「そんなもんか。これならあの龍人の方が強かったぜ」
俺はそう言うとドワーフの大斧をつかんで粉々に砕いた。
「ば、馬鹿な!これはあのお方から授かった斧だぞ!お前のような小童に砕かれるはずが!」
「現に今、目の前で粉々になっているが?」
「クッ…この餓鬼があ!」
「ドワーフ、飛べ!」
ドワーフが俺に殴りかかろうとした瞬間エルフの声が届きドワーフはその場で3メートルを優に越す大ジャンプをした。
「来い!」
エルフ何そう叫びいつのまにか手に握っていた弓を引くとそこに矢が補填されていた。
そして、その周りには魔法陣が浮かんでおりそこから無数の矢が覗いていた。
「穿て!」
エルフがそう叫びながら矢を放った。それとほぼ同時に魔法陣からも矢が放たれた。
それを俺は、また見るだけにした。
放たれた矢は俺に当たった瞬間に弾け飛びこの肉体に傷を与えることはなかった。
「むっ。お前は生物か?この矢はどんなものをも貫くんだぞ」
「全部お前がみている通りだよ。一つ訂正するなら、俺はちゃんと『人』だ」
俺は足元に転がっている矢を一つ手に拾いダーツのように持った。
「ふっ。急にどうした?死ぬのが怖くて頭がおかしくなったのか?」
「相手との力量も測れないカスが何言ってんだ?」
「……なに?」
「まぁみてろって。直ぐに脳天に穴が開くから」
「はははっ!なにを言い出すかと思えば…本当に頭がおかしくなっているようだな。その矢がこの私のところまで届くとでも?」
そう思うだろうな。長さは1メートルを超える矢。それをダーツのように投げれば飛距離もクソもないだろう。
だが、さっきの戦いで制御をはずしたせいでうまく手加減が出来ないんだ。
俺が普通に投げると、矢は音速を超えてエルフの脳天を貫通した。
「…え?」
エルフは反応が遅れてそのまま仰向けに倒れてしまった。
どうやら即死耐性がない珍しい神みたいだ。その分武器やら身体能力に上乗せされてるとは思うが…まぁ死んだあいつにはもう関係ないか。
「ぬおおーー!死に晒せ!」
死角から襲ってきたドワーフの攻撃を特に何かをすることなく体で受け止めた。
すると、俺に当たった途端にドワーフは来た方向に吹っ飛んだ。
「な、なんなんだ…お前」
「さっきも言ったろ?ただの『人』だ」
俺はそう言ってドワーフの首を跳ねた。
「お前らも待ってろ。すぐに戻る」
俺はそう呟いて。こいつらが最初にいた場所の後ろにある巨大な扉を押した。
ーーーーーーーー
久しぶりの更新失礼します。
結局去年のうちにリニューアル版出せませんでした。申し訳ございません。
なぜこの話を今したのかと言うと、皆さんお察しの通り忘れてました。
神界の出来事やミリーナと会うとこまではできてるんですがお見せできるほど完成度が高くなく、作り直し作り直しをしているうちに新年を開けてしまいました。
申し訳ございませんが、リニューアル版は今後出さない方針で行かせていただきます。
外伝の雫ストーリーですが、こちらも最近滞っているので近いうちに更新したいと思います。
期待をさせてそれを裏切る形になり申し訳ございません。
今後も更新頻度は遅いですが、完結まで持っていけるよう頑張るので応援の方よろしくお願いします。
2
あなたにおすすめの小説
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜
ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。
アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった
騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。
今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。
しかし、この賭けは罠であった。
アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。
賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。
アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。
小説家になろうにも投稿しています。
なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。
パーティーを追放されるどころか殺されかけたので、俺はあらゆる物をスキルに変える能力でやり返す
名無し
ファンタジー
パーティー内で逆境に立たされていたセクトは、固有能力取得による逆転劇を信じていたが、信頼していた仲間に裏切られた上に崖から突き落とされてしまう。近隣で活動していたパーティーのおかげで奇跡的に一命をとりとめたセクトは、かつての仲間たちへの復讐とともに、助けてくれた者たちへの恩返しを誓うのだった。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる