【完全版製作記念連載再開】金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!

夕凪五月雨影法師

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ハーレム編

エピローグ  一途 後編 イラストあり

「……勇者辞めようが人間辞めようが、ハーレムを作ろうが、僕はセイラちゃんを愛し続けるって誓う。
──セイラちゃん。これからも一生、僕と一緒にいてください」
「…………はい♡」

 愛の形は、人それぞれなのだ。
 傍から見れば歪でも、不正解でも、ふたりがその道を選び、ともに進んでいくと決めたのなら……。
 それがふたりにとっての『在るべき形』なのだと。
 そう信じながら。
あるいは、願いながら。
 ふたりは、その場で身を寄せ合うのだった。

「……僕さ、もう一個嬉しいことあるんだよね」

 一通りイチャついたのち、ユーリはセイラの肩を抱きながら唐突に言う。
 ユーリの肩に身体を預けているセイラは、トロンとした目で彼を見上げた。

「なぁに?」
「うん。その……僕の性欲じゃあさ、付き合うこともそうだけど、結婚なんてできるわけないって、そう思ってたんだ」
「…………」
「でもさ、この状況? だったら、その、擬似的に……だけど、結婚してるみたいな気分を味わえるんじゃないかって、思うんだよね」

「……うん」
「だからさ、セイラちゃん」
「……うん。グスッ」

 その言葉を聞く前に、不思議とセイラの視界は波打っていた。
 彼がこれから言う言葉が、なんとなく分かっていたから。
 そして、それは一生言われることはない言葉だと思っていたから。

 届くはずがないと思いながら、それでも手を伸ばしてしまう、ひたむきな願いだったから。
 気恥しそうに、それでいて満ち足りたような口調で、ユーリは微笑みながら告げた。

「──幸せになろうね、セイラちゃん」
「ユーくん……! うん、うん……!」

滂沱の涙を掌で拭ってから、セイラはユーリへと思い切り抱き着いた。

「もぉ~~~~~♡♡♡♡ 添い遂げるぅ~~~~~~~~~~~~~♡♡♡♡♡♡♡♡」
「んんんん~~~~~! 死んだ後も一緒~~~~~~!」
「来世も~~~~~~♡♡♡♡」
「その次も~~~~~~!」
「そのつッ……あっ!! で、でもでもぉ! カマキリとかに生まれ変わったらどうしよう!?」

「セイラちゃんにだったら食べられてもいいよ」
「やぁだ~~~~~! ユーくんがいなくちゃ、セイラ死んじゃう!」
「えええぇぇぇ~~~~!? セイラちゃんがいなくちゃ、僕も死んじゃう~~~~~~~~ッ!!」
「ユーくん死んじゃやだぁ~~~~~~~~ッ!! えっ、なんでカマキリの雌って雄を食べちゃうんだっけ!?」

「確か、交尾抑制作用……? とかってのが働いてるからだと思ったな……。マキマ大学に詳しい教授がいるから、ちょっと問い合わせてみるよ!」
「いますぐしてくれなきゃ、やぁだぁ~~! やだやだぁ! 絶対ユーくん食べたくないよぉ~~~~~~~~!」
「うん! カマキリに生まれ変わっても、ふたりで生き残る道を考えようっ!!」

 ──と。
 ふたりが、そんなキモ微笑ましいやりとりを繰り広げている様子を、

「「「「「…………………………っ」」」」」

 一同は、見ていた。
 屋敷の影からこっそりと……いや、げっそりとしながら、げんなりとしながら、あるいはゲロを吐きそうになりながら……。
 一同は、見ていたのだった。

 皆の胸中を代弁するように、マホはジロー系ラーメンを五杯くらい食べた後のような口調で言った。

「……な?」
「いや……『なっ』って言われても……」

 カリナがそうツッコむ傍らで、ファイフは苦笑いとともに感想を述べる。

「いやでも確かに『なっ』で伝わる、色々な情報はあるよ……」

 ふたりのバカップルさ加減は皆も知る所だったが、フルテンション全編ノーカットバージョンをお送りされると、え、この先ほんとにやっていけんの? あいつらR指定のタグ付けしなくていいの? などの危険性が浮き彫りになってしまう。
 ちょっと羨ましいけどさ……などとファイフが思っていると、ハンナがあからさまな羨望の眼差しでふたりの様子を眺めていた。

「はあぁぁぁ……♡ 素敵ですわ、勇者様……! わたくしも、あのようにバブみ全開で熱烈に迫られたら……ああァ♡ 乙女のロマンスが捗りますわぁ~♡」
「なにがロマンスだよ。ジャンルから違ぇよあんなもん。ホラーだホラー。スラッシャーホラーの棚に置いてあるグロ映画だっつーの」

「そんなこと言ってぇ♡ マホちゃんだって、イチャラブなエッチはお好きでしょう?」
「いやセックスはシバかれてなんぼだろ」
「え?」
「え? ……あっ」

 と、マホが墓穴を掘る傍らで、ブレイダは優雅に笑いながら頬に手を当てた。

「うふふ。坊ちゃんは昔から甘えん坊さんだからね~」
「えっと……ブレイダさんといるときも、スラッシャーホラーなんですか?」

 エンリエッタのその質問に対して、今度は官能的な笑みを浮かべながら、チロリと小さく舌なめずりをする。

「う~ん……ふふ。どうかなぁ~?」

 ──出だしはともかく、斯くして。
『アンペルマン』改め『ハーレム・スクエア』の、ハーレムでスローライフな日々が幕を開けたのだった。

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