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ちょいぽちゃユウマ(14歳)の場合
たどり着いた噂の場所
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汗でTシャツが肌に張り付く。急いで自転車を漕いできたからだ。
住所を頼りにたどり着いた建物。たぶん……ここで合ってるはず。建物の端に駐輪場があり、自転車を止めた。
ふと見ると、僕と同じ中学校のシールが貼られた自転車が数台。友達は多くないから、知らない子のだろう。
ほとんどは近くの別の中学校のシールだった。
駐輪場の近くに窓がある。カーテンが閉まっているけど、隙間から少し中が見えそう。息で窓が曇らないよう、呼吸を止めて右目をそっと近づけた。
その瞬間、胸がトクトクトクとメトロノームみたいに速く鳴り出した。教室の中、ガタイのいい生徒たちがいる。3年生かな? 上半身裸だったり、パンツ一枚だったり、そんな格好でウロウロしている。
体が熱くなる。股間がまた、勝手に疼いた。
入り口に向かうと、教室の喧騒とは裏腹に静まり返っている。
靴を脱ぎ、勝手に中に入った。「事務所」と書かれたプレートの部屋を見つけ、ノックする。心臓はドクドクと怖いくらいなのに、体が勝手に動いている。
「あの……」
中に入ると、大人が二人、机に座っていた。職員室みたいな雰囲気。二人が一斉にこっちを見る。一人が近づいてくる。名札には【ダイチ】と書かれている。
「やあ、こんにちは。見学かな?」
「あ、はい……。学校の勉強に追いつきたくて。張り紙を見て……」
「何年生?」
「中学2年です」
「そっか。今日は2年生の授業はないんだけど、3年生のなら雰囲気わかるかな? いいよね、大樹さん?」
ダイチさんがもう一人に尋ねる。
「まあ、いいんじゃない? 3年生もまだ本気出してないし、復習の時間にするつもりだったから」
大樹さんと呼ばれた男性が答えた。
「よし、じゃあ行こう。俺、ダイチ。ダイチさんでいいよ。君は?」
「ゆうまです。中村ゆうま」
「ゆうま君ね。3年生の中で緊張するかもしれないけど、みんな優しいから」
ダイチさんがそう言って扉を開けた。さっき覗いた教室だ。半裸やパンツ一枚の先輩たちがすぐそこにいる。
「2年生の見学だから、雰囲気感じさせてやって。優しくな!」
ダイチさんが言うと、みんな「はーい」と返事し、チラッとこっちを見る。
「あと10分くらいで始まるから」
ダイチさんはそう言って出て行った。
キョロキョロと周りを見回していると、パンツ一枚の先輩が隣に座ってきた。細身でこんがり焼けた肌、短髪。ネイビーのボクサーパンツはゴムが伸びてブカブカだ。目のやり場に困り、自分の膝をじっと見つめた。
「どこの中学?」
「あ、青野2中です」
「へえ、野球強いとこじゃん。何部?」
「え、部活は……特に」
「そっか。どうやってこの塾知ったの?」
「噂を聞いて……」
「へえ、どんな噂?」
その質問に、しまった、と思った。なんて答えたらいい?
先輩が僕の膝に手を置いた。ゾクッと電気が走ったみたいに体が震えた。その手が、ゆっくり、股間の方へ這っていく。
「脱いじゃえば?」
そう言われたけど、緊張で指一本動かせない。股間はパンパンに張っていて、バレたら変態だと思われる。恥ずかしくて、頭が真っ白になった。
その時、教室に大樹さんが入ってきた。先輩の手がピタリと止まり、さっと自分の席に戻った。
住所を頼りにたどり着いた建物。たぶん……ここで合ってるはず。建物の端に駐輪場があり、自転車を止めた。
ふと見ると、僕と同じ中学校のシールが貼られた自転車が数台。友達は多くないから、知らない子のだろう。
ほとんどは近くの別の中学校のシールだった。
駐輪場の近くに窓がある。カーテンが閉まっているけど、隙間から少し中が見えそう。息で窓が曇らないよう、呼吸を止めて右目をそっと近づけた。
その瞬間、胸がトクトクトクとメトロノームみたいに速く鳴り出した。教室の中、ガタイのいい生徒たちがいる。3年生かな? 上半身裸だったり、パンツ一枚だったり、そんな格好でウロウロしている。
体が熱くなる。股間がまた、勝手に疼いた。
入り口に向かうと、教室の喧騒とは裏腹に静まり返っている。
靴を脱ぎ、勝手に中に入った。「事務所」と書かれたプレートの部屋を見つけ、ノックする。心臓はドクドクと怖いくらいなのに、体が勝手に動いている。
「あの……」
中に入ると、大人が二人、机に座っていた。職員室みたいな雰囲気。二人が一斉にこっちを見る。一人が近づいてくる。名札には【ダイチ】と書かれている。
「やあ、こんにちは。見学かな?」
「あ、はい……。学校の勉強に追いつきたくて。張り紙を見て……」
「何年生?」
「中学2年です」
「そっか。今日は2年生の授業はないんだけど、3年生のなら雰囲気わかるかな? いいよね、大樹さん?」
ダイチさんがもう一人に尋ねる。
「まあ、いいんじゃない? 3年生もまだ本気出してないし、復習の時間にするつもりだったから」
大樹さんと呼ばれた男性が答えた。
「よし、じゃあ行こう。俺、ダイチ。ダイチさんでいいよ。君は?」
「ゆうまです。中村ゆうま」
「ゆうま君ね。3年生の中で緊張するかもしれないけど、みんな優しいから」
ダイチさんがそう言って扉を開けた。さっき覗いた教室だ。半裸やパンツ一枚の先輩たちがすぐそこにいる。
「2年生の見学だから、雰囲気感じさせてやって。優しくな!」
ダイチさんが言うと、みんな「はーい」と返事し、チラッとこっちを見る。
「あと10分くらいで始まるから」
ダイチさんはそう言って出て行った。
キョロキョロと周りを見回していると、パンツ一枚の先輩が隣に座ってきた。細身でこんがり焼けた肌、短髪。ネイビーのボクサーパンツはゴムが伸びてブカブカだ。目のやり場に困り、自分の膝をじっと見つめた。
「どこの中学?」
「あ、青野2中です」
「へえ、野球強いとこじゃん。何部?」
「え、部活は……特に」
「そっか。どうやってこの塾知ったの?」
「噂を聞いて……」
「へえ、どんな噂?」
その質問に、しまった、と思った。なんて答えたらいい?
先輩が僕の膝に手を置いた。ゾクッと電気が走ったみたいに体が震えた。その手が、ゆっくり、股間の方へ這っていく。
「脱いじゃえば?」
そう言われたけど、緊張で指一本動かせない。股間はパンパンに張っていて、バレたら変態だと思われる。恥ずかしくて、頭が真っ白になった。
その時、教室に大樹さんが入ってきた。先輩の手がピタリと止まり、さっと自分の席に戻った。
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