幽霊少女

猫ふくろう

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13話・浮遊霊と地縛霊3/4

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 「来たよー」
「お姉ちゃん。こっち来て」
ジバ子は久美が来るなり階段から手招きする。久美はそれに着いて行った。ジバ子が連れてきた所は屋根の上だった。そして遠くの大きな建物を指さす。
「あれは何?」
「小学校だよ。中にジバちゃんくらいの年の子がたくさんいるんだよ」
ジバ子は中を必死に覗こうとする。
「だめだよ、学校を覗いちゃ。警察に捕まっちゃうよ」
「えー、こわーい」
ジバ子はクスリと笑う。久美はニヤリと笑って言った。
「でも幽霊の私たちは捕まらないから大丈夫」
2人で学校の中を覗いていた。
「あのボロボロの建物が駄菓子屋だよ」
「私の家よりボロボロー」
「きっと築百年だね」
 ジバ子は生前の記憶がなく、外の世界をよく知らないため久美はジバ子が喜びそうな場所を指さして話した。見える範囲の建物をはなしつくしたため2人で雲を眺めていた。10分もすると久美は空を見る事に飽きた。他の事を考えていると紗奈たちにするイタズラを思いつき、体を起こす。
「どこ行くの?」
「学校」
言ってすぐに後悔した。外に出られないジバ子に学校に行くと言うのは無粋だった。
「私も行きたい」
久美は驚いた。地縛霊のジバ子は家から出る事は出来ない。久美は何か方法があるのかと見ていた。ジバ子は久美の前を通り過ぎて庭の門の前で止まった。ジバ子が手を前にかざすとジバ子の手がそれ以上前に進まなくなった。まるでそこに壁があるようだった。壁の位置を確認すると勢いよくたたき始めた。久美はあっけにとられている。ジバ子の手が赤くなっていく。それを見ると久美は我に返り、ジバ子を止めた。
「なんで私だけ、外に出られないの」
久美はジバ子の言葉に息をつまらせた。ジバ子の顔は真っ赤だった。何か言ってあげなければと思ったが久美にはかける言葉見つからなかった。黙っているとジバ子から黒い煙が出ていることに気付いた。久美はここにいては危険だと思い家から逃げようとした。
「うっ!」
久美はジバ子と同じ壁にぶつかった。
「いかないで!」
ジバ子は手と顔を真っ赤にしながら壁をたたき続けていた。
 その時、紗奈と夜美は帰宅途中だった。最初に気付いたのは夜美だった。
「あっち・・何か・・・あったみたい」
「そうなの。行ってみようよ!」
紗奈が嬉しそうに言った。
「本当に危ないかも・・・・」
「なおさら面白そうじゃん」
なおさら嬉しそうに言った。
 紗奈たちが到着すると、怯えきった久美と空気をたたき続ける何かがいた。奥に幽霊がいるが黒い煙に覆われていて紗奈たちには詳細が分からなかった。
「私たちじゃ・・・危ない。母さんに・・任せよう」
「そうだね。大人に任せよう」
紗奈たちは夜美の母に任せる事にした。
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