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20話・走れ先生1/2
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「百合子センセー、今週末、お食事に行きまセンカ?」
「いいですね!」
ニコラエから誘われた。
数日後。
「今晩、お食事に行きませんか?」
「何処にいきます?」
遠藤から誘われた。
数日後。
「百合子先生、飲み会の幹事をお願いします」
「分かりました」
また数日経って、風呂に入るために脱衣所に行くとしばらく使っていない体重計を見つけた。乗ってみると、この前よりもずっと増えていた。服を脱いでもう一度測る。期待以上の変化はなかった。次に体重計をリセットしてホコリを拭き取ってから体重計に乗った。結果は何も変わらなかった。
「そりゃ、そうだよね」
後ろには久美がいた。百合子の顔は真っ赤になる。
「さっき晩御飯食べたから」
久美は鼻で笑う。
「へー、でもホコリが十グラム以上になるわけないでしょ」
百合子の顔は青ざめる。
「見てたの?」
「最初からね」
久美はにっこり笑った。何を言うわけでもなく、ただ笑っているだけだった。その後の百合子は眠りにつくまでお腹を触り続けていた。
起きてすぐにトイレへ行き、体を軽くして体重を測った。見事百合子の体重は数十グラム軽くなっていた。
「昨日と今日の差が今流したブツの量だね。結構出たね」
後ろでは久美が小馬鹿にした口調でしゃべっていた。百合子は歯を磨き、顔を洗い、着替えをして家を出ていこうとした。
「朝食は食べないの?」
「今日は・・・気分じゃないから」
「そう、行ってらっしゃい」
久美の顔が見られず、急いで玄関のドアを閉めた。きっと馬鹿にした笑顔だろう。
学校に着いた百合子は落ち込んでいた。久美に行動の1つ1つを馬鹿にされたからだ。空腹でテストの丸付けが思い通りに進まなかった。
「百合子先生、元気ないデスね?何かありマシタ?」
隣にはニコラエがいた。
「実は-」
ニコラエに太った事を話すと愉快そうな顔をした。
「百合子先生もデスカ?」
「ニコラエ先生もそうなんですか?」
百合子の口角は思わず上がってしまう。
「いや、遠藤先生が」
遠藤の方を見ると決まりが悪そうに笑っていた。
「最近食べる機会が多かったですもんねー」
「先生たちもそうなんですか?」
他の先生が会話に交ざった。そうするとまた別の先生も会話に交ざってきた。多くの女性教師が最近太っていたようで仲間が見つかり皆、嬉しがった。そうするとニコラエに皆の視線が向く。ニコラエはその視線を察して言葉に詰まった。ニコラエはいくら食べても太らない体質だった。
「体重は測ってないので」
その場は静まり返った。
授業が始まったが何度もお腹の音が鳴ったり集中できなかったり午前の授業はまともに行う事ができなかった。
給食の時間になった。
「ごはんが余ってます。おかわりするひとはいませんか?」
何人かの生徒が集まる。均等に分けるため相談をしている。
「先生はお代わりしなくていいの?」
太めの男子が百合子に尋ねた。百合子はドキッとした。足りていないと感じていたが、ダイエットのために耐えていたからだ。
「先生はダイエットしてるのよ。鈍いわね」
性格のきつい女子が男子を叱責した。
「そうだよなー。先生すいません」
太めの男子がしゃもじをご飯に入れる。
「ちょっと待って!」
クラス全員が百合子を見る。茶碗を持っておかわりする生徒に交じる。
「わたしもおかわりするわ」
クラスの全員が声を出して笑った。久美だけでなく自分の生徒からも笑いものにされた。しかし百合子はそれを甘んじて受け入れた。
給食も終わり昼休み、百合子は職員室に逃げた。そこには遠藤もいた。
「先生、明日から朝ジョギングしませんか」
他の女性教師はそれに聞き耳を立てている。遠藤と百合子は握手した。
「いいですね!」
ニコラエから誘われた。
数日後。
「今晩、お食事に行きませんか?」
「何処にいきます?」
遠藤から誘われた。
数日後。
「百合子先生、飲み会の幹事をお願いします」
「分かりました」
また数日経って、風呂に入るために脱衣所に行くとしばらく使っていない体重計を見つけた。乗ってみると、この前よりもずっと増えていた。服を脱いでもう一度測る。期待以上の変化はなかった。次に体重計をリセットしてホコリを拭き取ってから体重計に乗った。結果は何も変わらなかった。
「そりゃ、そうだよね」
後ろには久美がいた。百合子の顔は真っ赤になる。
「さっき晩御飯食べたから」
久美は鼻で笑う。
「へー、でもホコリが十グラム以上になるわけないでしょ」
百合子の顔は青ざめる。
「見てたの?」
「最初からね」
久美はにっこり笑った。何を言うわけでもなく、ただ笑っているだけだった。その後の百合子は眠りにつくまでお腹を触り続けていた。
起きてすぐにトイレへ行き、体を軽くして体重を測った。見事百合子の体重は数十グラム軽くなっていた。
「昨日と今日の差が今流したブツの量だね。結構出たね」
後ろでは久美が小馬鹿にした口調でしゃべっていた。百合子は歯を磨き、顔を洗い、着替えをして家を出ていこうとした。
「朝食は食べないの?」
「今日は・・・気分じゃないから」
「そう、行ってらっしゃい」
久美の顔が見られず、急いで玄関のドアを閉めた。きっと馬鹿にした笑顔だろう。
学校に着いた百合子は落ち込んでいた。久美に行動の1つ1つを馬鹿にされたからだ。空腹でテストの丸付けが思い通りに進まなかった。
「百合子先生、元気ないデスね?何かありマシタ?」
隣にはニコラエがいた。
「実は-」
ニコラエに太った事を話すと愉快そうな顔をした。
「百合子先生もデスカ?」
「ニコラエ先生もそうなんですか?」
百合子の口角は思わず上がってしまう。
「いや、遠藤先生が」
遠藤の方を見ると決まりが悪そうに笑っていた。
「最近食べる機会が多かったですもんねー」
「先生たちもそうなんですか?」
他の先生が会話に交ざった。そうするとまた別の先生も会話に交ざってきた。多くの女性教師が最近太っていたようで仲間が見つかり皆、嬉しがった。そうするとニコラエに皆の視線が向く。ニコラエはその視線を察して言葉に詰まった。ニコラエはいくら食べても太らない体質だった。
「体重は測ってないので」
その場は静まり返った。
授業が始まったが何度もお腹の音が鳴ったり集中できなかったり午前の授業はまともに行う事ができなかった。
給食の時間になった。
「ごはんが余ってます。おかわりするひとはいませんか?」
何人かの生徒が集まる。均等に分けるため相談をしている。
「先生はお代わりしなくていいの?」
太めの男子が百合子に尋ねた。百合子はドキッとした。足りていないと感じていたが、ダイエットのために耐えていたからだ。
「先生はダイエットしてるのよ。鈍いわね」
性格のきつい女子が男子を叱責した。
「そうだよなー。先生すいません」
太めの男子がしゃもじをご飯に入れる。
「ちょっと待って!」
クラス全員が百合子を見る。茶碗を持っておかわりする生徒に交じる。
「わたしもおかわりするわ」
クラスの全員が声を出して笑った。久美だけでなく自分の生徒からも笑いものにされた。しかし百合子はそれを甘んじて受け入れた。
給食も終わり昼休み、百合子は職員室に逃げた。そこには遠藤もいた。
「先生、明日から朝ジョギングしませんか」
他の女性教師はそれに聞き耳を立てている。遠藤と百合子は握手した。
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