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回想・4
しおりを挟むそんなわたしの胸の内も関係なく、奉仕活動は終了の日を迎えた。
今回催したのはチャリティーバザーだ。裕福なお貴族様から不要になったものを出品して頂き、別の裕福な方に買ってもらう。その利益を募金として困っている人達に流す。
ただ仕舞っているだけなら売ればいいと、これも殿下のアイディアだ。
確かに貴族には、平民から見て変だなと思う常識がある。“前に着たのと同じ礼装で参加するのは恥だ”とか“同じドレスを着続けていると、他の貴族にバカにされる”などと言う常識が。
他にも“多少財政が厳しくても調度品は良いものを揃える”とかいう、つまらない見栄が当然にある。まぁそれが彼らなりの戦いのスタイルなのだと、分かりはするが……。
そんなこんなで仕舞っておくだけで、愛着のないアイテムを売るのは貴族達にとって金を出すより負担が少ない。
意外な発想をする殿下に、わたしも目からうろこが落ちるような気持で感心してしまった。
と、いつものファン的テンションはそのままで……どこかで考える。
本当にこの方を、幸せにする方法はないのだろうか?
卒業の後に待っているのは憂鬱な結婚。それ以外の道がもしあれば……。
でもどんな事を考えても、無理だろうなで終わってしまう。
自分の無力さが嫌になる。
と、自己嫌悪に落ち込んでいたわたしに、それは起きた。
「この後、少し時間をもらえるか?」
隣から殿下がわたしに言った。
え、わたし? わたしだよね??
慌てて顔を向けようとしたら“そのままで”と抑えられる。
わたしと殿下は今、子供達の遊戯室にいる。バザーで商品を物色している親達に預けられた子供達の遊び相手兼見張り役だ。きゃあきゃあとはしゃぐ子供たちの声で、殿下の声は隣のわたしにしか聞こえない。更に俯き加減で帳面を付けているから口の動きも見えないだろう。
わたしも、ハンカチで口元を押さえるようにしながら
「分かりました」
と、返した。
誰もいなくなった教室で対峙する殿下とわたし。
陽が陰ってきたからか、少し暗くなった教室に2人。令嬢と王子ではあまりよろしくないのでは? とキョロキョロしていたら
「僕にはよほどの事がない場合は、暗部は付けられていないよ。その位どうでも良いからね」
心なしか普段より、お声が固い。
「その……お話と言うのは……」
「……時間が無いから本題から入るよ。信じられないかも知れないけど……」
少し間が空いている。次の言葉を待つわたし。
やがて殿下が口にしたのは……本当に荒唐無稽な発言だった。
“僕には……前世の記憶があるんだ”
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