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彼にとっては理不尽な結婚
冷遇されるぐーたら夫人
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と、一切合切“ルミカが大事だ”とアピールされるごとに、ミュゼはルースの希望を呑む。
そんなミュゼに対しルースは、初夜どころか夫婦としての交流もせずにいる。
妻扱いも女主人扱いもされず、妻である自分より、大事な異性がいる事を否定しない夫の要求は普通で言えばかなり理不尽だろう。
しかし……当のミュゼは、使用人達に嫌な態度を取られようが目の前で夫が他の女と交流しようが一向に文句を言う事も、それを態度に出す事もなかった。
彼女は……そう、常にぼんやり。
「見てよミュゼさん! あんなスッピンでぼろっちぃドレス着てだらけてるわ! ルース様の奥様のくせに!」
「あれじゃあうちら使用人の方がましよ。もっとしゃんとして頂かないとね~」
と、聞こえよがしに言われる嫌味にも反応しない。
更に常に着古したようなドレス姿でだらっとしているから、貴族出身の使用人達は眉を顰め、嫌悪感を隠そうともしないで聞こえる声で陰口を言う。
「何故あのような年増とルース様が……」
「あんなの放置で良いわよね? お世話なんか御免だわ」
と、世話係になった侍女達にも放っておかれている。
ある日、あからさまに食事の席が無くなっていた事があった。
しかしそれも気にすることなく、並べられた料理をほいほい、と皿に乗せると、
「ではお2人でごゆっくり」
と、出て行ってしまった。
それにはルースも慌て引き留めようとしたがルミカに
「そっとしてあげましょう? 侍女が椅子を用意しなかったから怒ったのよ。少し気の小さいところがあるのね。私達より大人なのに子供みたい」
とルミカが言うと、
「そ、そうだね。椅子なんて用意させればいいだけなのに。後できつく言っておくよ」
とルースは椅子に戻る。
何故椅子が無かったのか、彼が代わりに用意させるなり自分の椅子を代わりにするなりという気回しが出来ない。
「貴女も僕の妻になったのだから子供のように拗ねないで欲しい。我が家の使用人達は優秀なのだから、椅子が欲しければ言えば良いだけだろう」
ルースは彼女が置かれている状況を知らなかった。というか知る必要がなかった。
一つ屋根の下で暮らす相手だ。世話をする使用人だっている。彼らは仕事に忠実だから少しの不手際位多めに見るべきだろう。
そんな彼に、ミュゼは変わらずボーっとしたままに、
「そうですか、分かりました」
とだけ、答えた。
「分かってくれればいい。以後気を付けてね? じゃあ僕はルミカの処に行くから」
と、さっさと出て行ってしまった。
「貴族の結婚って存外、しょうもないものなのね……」
ミュゼのそんな呟きを聞く者は、屋敷にはいなかった。
そんなミュゼに対しルースは、初夜どころか夫婦としての交流もせずにいる。
妻扱いも女主人扱いもされず、妻である自分より、大事な異性がいる事を否定しない夫の要求は普通で言えばかなり理不尽だろう。
しかし……当のミュゼは、使用人達に嫌な態度を取られようが目の前で夫が他の女と交流しようが一向に文句を言う事も、それを態度に出す事もなかった。
彼女は……そう、常にぼんやり。
「見てよミュゼさん! あんなスッピンでぼろっちぃドレス着てだらけてるわ! ルース様の奥様のくせに!」
「あれじゃあうちら使用人の方がましよ。もっとしゃんとして頂かないとね~」
と、聞こえよがしに言われる嫌味にも反応しない。
更に常に着古したようなドレス姿でだらっとしているから、貴族出身の使用人達は眉を顰め、嫌悪感を隠そうともしないで聞こえる声で陰口を言う。
「何故あのような年増とルース様が……」
「あんなの放置で良いわよね? お世話なんか御免だわ」
と、世話係になった侍女達にも放っておかれている。
ある日、あからさまに食事の席が無くなっていた事があった。
しかしそれも気にすることなく、並べられた料理をほいほい、と皿に乗せると、
「ではお2人でごゆっくり」
と、出て行ってしまった。
それにはルースも慌て引き留めようとしたがルミカに
「そっとしてあげましょう? 侍女が椅子を用意しなかったから怒ったのよ。少し気の小さいところがあるのね。私達より大人なのに子供みたい」
とルミカが言うと、
「そ、そうだね。椅子なんて用意させればいいだけなのに。後できつく言っておくよ」
とルースは椅子に戻る。
何故椅子が無かったのか、彼が代わりに用意させるなり自分の椅子を代わりにするなりという気回しが出来ない。
「貴女も僕の妻になったのだから子供のように拗ねないで欲しい。我が家の使用人達は優秀なのだから、椅子が欲しければ言えば良いだけだろう」
ルースは彼女が置かれている状況を知らなかった。というか知る必要がなかった。
一つ屋根の下で暮らす相手だ。世話をする使用人だっている。彼らは仕事に忠実だから少しの不手際位多めに見るべきだろう。
そんな彼に、ミュゼは変わらずボーっとしたままに、
「そうですか、分かりました」
とだけ、答えた。
「分かってくれればいい。以後気を付けてね? じゃあ僕はルミカの処に行くから」
と、さっさと出て行ってしまった。
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ミュゼのそんな呟きを聞く者は、屋敷にはいなかった。
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