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ぐーたら夫人は仕事モードになる
来訪者
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そんな四面楚歌な状況でミュゼとルース、ルミカの三角関係は変わらず続いていた。
使用人達はミュゼに嫌味を言い、彼女の世話を怠ったが本人は特に気にする様子もなく、身の回りの事をサッサと自分で済ませてしまう。
ルースは変わらず幼馴染を優先し、ミュゼの状況に何一つ気付かない。
―――そうして、一月経ったある日、騒がしい来訪者が現れたのだ。
「ミュゼ・シルフィー様を呼んでください。一刻を争うんです」
「お約束はございますか? 」
「そんなのありません! 突然の事なんです」
その朝、リュドミラ家の執事は、庭を見回る途中で門の方が騒がしい事に気が付いた。
一人はスーツ姿の男。がっしりとした体つきで、門番よりも背が高い。
もう1人は子供と見間違いそうな小柄な女だ。子供と思えないのは尖がった耳をしていたから。エルフの特徴だ。彼らは長生きで成長が遅い。
しかし男の方はともかく、この女は問題だ。身なりが貧しい。
「……これだから子爵ごときは……」
執事はミュゼの事を、行き遅れの子爵令嬢だと思っている。普段の貧しい身なりやだらけた様子からして、家や本人に問題があり、貰い手がいなかったのだとも思っていた。
なぜ自分達の主は、そんな女と主の息子を結婚させたのか?
「くっ」
考えるだけで怒りがこみ上げてくる。自然と足は門前に向かっていた。3人の間に入り門番に問いかける。
「これは何の騒ぎですか?」
「執事さん良いところに。こちらの方々が奥様に、先ぶれなしで面会したいと」
「そうですか。どのような用件でもとにかく、ミュゼさんにお取次ぎは出来かねます」
と、執事が言った途端、彼らの様子がガラリと変わった。
「!?」
「え、“ミュゼさん”? ―――主家の奥方を名前で呼ぶとは……?」
「仕事柄、お貴族様のお相手するけど、こんなの初めてだわ~」
「しかも“さん”って何? 正確には“奥様”とか“夫人”とかじゃない? 雇用されてる執事がこんなんって、お偉い貴族様って、結構テキトーなのね~」
軽蔑の籠った視線に、執事がたじろぐ。
だって今までそうしても良いって雰囲気だった。ミュゼを軽く扱う侍女や使用人達に、彼の主人であるルースは何も言わなかった。
だから……それで良いのだと思うのに……。
何故今、自分はガタガタ震えているんだろう?
使用人達はミュゼに嫌味を言い、彼女の世話を怠ったが本人は特に気にする様子もなく、身の回りの事をサッサと自分で済ませてしまう。
ルースは変わらず幼馴染を優先し、ミュゼの状況に何一つ気付かない。
―――そうして、一月経ったある日、騒がしい来訪者が現れたのだ。
「ミュゼ・シルフィー様を呼んでください。一刻を争うんです」
「お約束はございますか? 」
「そんなのありません! 突然の事なんです」
その朝、リュドミラ家の執事は、庭を見回る途中で門の方が騒がしい事に気が付いた。
一人はスーツ姿の男。がっしりとした体つきで、門番よりも背が高い。
もう1人は子供と見間違いそうな小柄な女だ。子供と思えないのは尖がった耳をしていたから。エルフの特徴だ。彼らは長生きで成長が遅い。
しかし男の方はともかく、この女は問題だ。身なりが貧しい。
「……これだから子爵ごときは……」
執事はミュゼの事を、行き遅れの子爵令嬢だと思っている。普段の貧しい身なりやだらけた様子からして、家や本人に問題があり、貰い手がいなかったのだとも思っていた。
なぜ自分達の主は、そんな女と主の息子を結婚させたのか?
「くっ」
考えるだけで怒りがこみ上げてくる。自然と足は門前に向かっていた。3人の間に入り門番に問いかける。
「これは何の騒ぎですか?」
「執事さん良いところに。こちらの方々が奥様に、先ぶれなしで面会したいと」
「そうですか。どのような用件でもとにかく、ミュゼさんにお取次ぎは出来かねます」
と、執事が言った途端、彼らの様子がガラリと変わった。
「!?」
「え、“ミュゼさん”? ―――主家の奥方を名前で呼ぶとは……?」
「仕事柄、お貴族様のお相手するけど、こんなの初めてだわ~」
「しかも“さん”って何? 正確には“奥様”とか“夫人”とかじゃない? 雇用されてる執事がこんなんって、お偉い貴族様って、結構テキトーなのね~」
軽蔑の籠った視線に、執事がたじろぐ。
だって今までそうしても良いって雰囲気だった。ミュゼを軽く扱う侍女や使用人達に、彼の主人であるルースは何も言わなかった。
だから……それで良いのだと思うのに……。
何故今、自分はガタガタ震えているんだろう?
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