ミュゼ・シルフィーの結婚の行方

みけの

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幼馴染達は知る

ミュゼとルースの婚約事情③

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「閣下からお2人の結婚が王命である事は聞かれましたか?」

「………聞いた」

 ルースが婚約する際、“これは王命だ”と父が言っていたと思い出す。

 王命だから仕方ないと、訳アリ令嬢と結婚させられたのだ、自分は。

そんな悲痛な気持ちでいるルースに構わずサイモンは続ける。

「まさに王家公認の政略結婚。でも政略ですからどっちにも利があるんですよ。
侯爵閣下は1年間の資金援助、ミュゼ殿は既婚歴が必要だったからです」

「―――既婚歴?」

  オウム返ししたルースに、サイモンは説明した。

「今この国と友好国2か国が協力して、国境を繋げる橋を建設しているでしょう?」

 サイモンの言葉に、ルースとルミカはきょとんと顔を見合せ相手に目で尋ねた。

知ってる? 知らない。

「んー? 貴族間じゃ結構浸透している筈だけどな。

 まぁその事情で、工事の責任者であるミュゼ殿は急遽既婚歴が必要になったのです。お国によって未婚女性は軽く見られる傾向にあるのだとか」

 お国の事情、と言われ、ルースが見聞きした知識を思い出す。確か隣国がそうだった。

 「そこで決まったのがリュドミラ侯爵子息ルースと、ミュゼ・シルフィー女子爵の結婚だった。王命になったのはそれがたまたま、王家の会議の席だったから。

 既婚歴があれば良いだけだから来年には離縁できる。そうなればお嬢さんとの前の関係が復活するし、社交界の“薔薇の貴公子”も完全復活! まさに良い事尽くし」

 とおどけるサイモン。

 しかしルースは、それどころじゃなかった。

「そ、その……貴方は先程、父が資金援助を必要としていると言ったが……理由を知っているのか?」

 ルースの結婚を機に、領地に引っ込んだ両親。まだ引退する歳でもないのにと不思議ではいた。

「知っています、けど俺からは言えません。と言うか他人同然の俺より、御父君に直でお伺いする事をお勧めします。確か来てるんじゃないかな? 建設地に」

「その予定地とはどこなんだ!」

「……行く気なのか? 止めた方が良い。良いとこのお坊ちゃまが行くとこじゃない……あ」

と、ごそごそさせて、小さい箱型の物体を取りだした。

「最近の魔道具は便利かつ優秀だ。こうやって遠くからでも現場の様子が見れるものがあるんだから」

 テーブルに置かれた物体は、サイモンが上部分を押した途端、側面部がぱかっと開く。そして広い壁に向かって光を放つと、そこに映像が浮かび上がった。
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