ミュゼ・シルフィーの結婚の行方

みけの

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幼馴染達は知る

ミュゼの正体

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 ドン、ドン、ドン! キューン!

ギャアアアー! ガァァァ!

『ミスリル材到着しました!』

『B3エリア地盤が変です! もしかメガモグラ発生かも……』

『魔術師部隊、B3エリアに集合! 魔獣を討伐すべし!』

 機械音や翼竜の羽ばたきや、交錯する怒鳴り声が、室内にいる者達の耳を劈いた。

 もとい室外にも人がいたようで、彼らも耳に手で塞いでいる。そんな彼らと反対に余裕あるサイモンは

「おっと、音は小さくしよう」

 気軽に魔道具を操作した。

 そんな彼の動作を見て、ルースはそんな魔道具を持つサイモンを改めて不審に思った。

なぜこんな奴がミュゼの側にいるんだ? と。

 やがて映し出されたのは運河に近い工事現場。

 建築途中の建物や、そこであらゆる異種人達が行き来し作業しているのが見える。

「これが工事現場……?」

 目を見張るルースとルミカ。

「初めて見るでしょう?貴族街や町中の工事は遮音結界が施されますし、土埃が飛ばないよう壁で囲まれてますからね。……しかし…地上にはいないのかな?」

 途端、景色が変わり天から建物の上を眺める映像になる。
どんどん降下していくと――。

「あ、いた」

「え? こんな高い場所に……」

 建物の周りに組まれた足場に、ヘルメットを被ったミュゼが立っていた。

 同じくヘルメットを被った異種人と、書類を見ながら何事かを話し合っている。相手の国の言語で話している為、内容は丸っきり不明だがミュゼも同じ言語で会話している。 
 
それも驚いたが……

「あ、あれがあのぐーたらした女なの……?」

 いつの間にか、扉の向こうに使用人達が集まっていた。その中の1人が信じられないように漏らした声に、全員が心から頷く。

 異国後を流暢に話し、足元に風が吹いていそうな場所にいるも気にする様子もない。表情も別人のように引き締まって、異種人の言葉にうーん、と考えたりひらめいた! という表情で意見を言う。そんな彼女に相手も意見を述べる。身なりが立派な事から、彼らも身分のある者だと分かるのに。

 思わずルースが声を漏らした。

「ミュゼは……彼女は一体、何者なんだ!」

「うわ、マジであ、ミュゼ殿に興味ないんだ。……ならシル総合建設って言ってもきっとピンと来ねぇだろうなぁ……」



「シル建設!?」


 その驚愕した声は使用人達から出たものだ。

 シル総合建設。


 業界ではトップクラスに入る総合建設会社。その実績は自国に留まらず他国からも依頼を受ける程だとか。

「ま、まさか……」

「うん正解! そのまさかだよ。こちらにあらせられる君達の偉大なご主人の奥様であるミュゼ殿は、シル総合の統括だ。―――まぁ身分だけ見れば子爵なのが惜しいかな」

「し、子爵?」

「子爵令嬢でしょう……?」

 使用人達の声はとてもか細く怯えているが、サイモンは全く気にしない。

というか本当にここは“時が止まっている”のだろう。ミュゼが統括になってから1年は経っているのに。

「え? 誰も知らないなんて事、ありませんよね。

ミュゼ・シルフィーは子爵令嬢ではなく女子爵です。

子爵家の令嬢とか令息なんかじゃない、ミュゼ殿自身が子爵です」
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