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幼馴染達は知る
一方工事現場では
しおりを挟む運河に架ける橋の工事現場では―――
「まさか、何故半魚人が!?」
「魔術師部隊、魔弾照射!」
ズリズリと川から這い上がって来た魔獣達に、現場がパニックを起こす。
が、すぐさま現れた魔術師部隊の攻撃を浴びる事になった。水属性の半魚人に火魔法が降り注ぐ。
が、個体差で生き残った魔獣はふらつきながらも、そこにあるものを破壊しようとした。が、
シュッ!
一陣の風が吹いた。その次には彼らの腕は虚空を掻くだけのものになる。
全員の両腕が一気に落とされたからだ。
「? ギャ、ギャアー!」
半魚人たちの絶望に満ちた悲鳴が響き渡るが、それも次に振るわれた剣戟で刈り取られた。
「……あんた達にここにいられると困るのよ」
剣をふるったミュゼが呟くと同時に、彼らが絶命した。
「さすが姐さん!」
「あの数を瞬殺するとは……!」
カチリ、と長剣を収めたミュゼの姿に観衆はドッと湧いた。
が、ミュゼにとっては色々熟してきたものの一つだった。師匠がいる訳でもない全て自己流。
シルフィ家は元々、名ばかりの子爵家だった。一応領地はあったが自分達の家がある事以外は、領民と同じような暮らしぶりだった。
優しい両親と彼らの気性をそのまま受け継いだ温和な兄。
そんな彼らの末っ子だったミュゼは、本来彼らと同じおっとりした気性を持つはずだった。
だが……
「どうしてみんなは、今のままで良いと思うの?」
「領地を調べましょう? 何かあるかも知れないわ」
ミュゼだけは今の現状に疑問を持ち、周りの大人達に問いかけ続けた。
当然自分も同じように動いた。足の踏み入れない場所に踏み入り、少ない書物を読み漁り、得た知識を大人達に訴えた。
結果、子爵領はかつてない繁栄を迎える事になった。領民達はミュゼを称賛し敬った。
が、当人は自分のした事を偉業だと思っていない。
ただ……彼女は低血圧な為、出来る時にダーッと集中し、それ以外ではぐったりしたいだけなのだ。
そんな自分の性質が分かるから、出来る時間内に全力を尽くし、身につける。
それがこのシル総合建設の統括、ミュゼという人だった。
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