ミュゼ・シルフィーの結婚の行方

みけの

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最終章 まさかの展開

小侯爵夫人(ただし仮)と幼馴染②

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 案の定、食いついたか


 ミュゼは心の中でニヤリと笑った。が、あえてここはとぼけておく。

「サイモン? ……ああ、そう言えば忘れ物を取りに頼んだことあったわね。結局無理だったって言ってたけど」

「え? サイモン様に会ったの? 私の事、何か言ってた?」

 目をランランとさせ、食い気味に訊いてくるルミカは分かっているのだろうか。周りの使用人達の視線に。

 ルースとルミカは社交界や屋敷の使用人達の間ではお似合いの2人だ。誰かが言うには、“推しカプ”と言うらしい。

 まぁ美男美女って眼福だし。彼らだって働いていれば色々あるのでしょうから“癒し”を求めるのは分からなくもない。“推しに課金”とか“推しに奉仕”とかして充実している気でいるんだろう。

 でも覚えておかないといけない。

……推しとやらも自分達と同じ人間なら、いきなり趣向を変える事もあり得るのだ。

 そんな事を思いながら、ミュゼは期待に満ちた目をしているルミカに事実を伝える。

「……いいえ特には」

 サイモンが言っていたのは“書類をもらうのは無理だった”とだけで、ルミカの事など話もしなかった。―――まぁそうだろうなと思う。

 だってサイモンは―――

「……嫌いなタイプなら知ってるわ」

「え? 好きじゃなくて嫌い?」

キョトンとするルミカにミュゼは、彼女の持ち芸が一切通じない事を短い言葉で伝えた。


「子供と軟弱者よ」

「え!?」

ミュゼの言葉にルミカが固まった。まぁ持ち札を封印されたんだから当然ね。とミュゼは食事を続ける。そして

「デザート、お口に合って良かったわ」

と、ルミカの前に置かれた皿が空っぽになっているのを指摘した。

「? な、なぜミュゼさんが気にするの?」

「いやそれ、いきなり家を空けたお詫びだから。聞いた話だとこの国じゃ手に入らない果物で滋養強壮にすごく効果があるって」

「!? だ、だからミュゼさん、私を憎んでいるのにどうして、私の健康を気遣うのよ!」

なのにミュゼは

「……え、憎むーー?」

 思いもしない言葉を言われたように驚いて、ルミカが想像もしなかった返答をした。

「……貴女には感謝しているのよ?」

「感謝? どうして!!」

 予想を全く外れた答えだったからか、ルミカは混乱しているようだ。

まぁそうなるか、とミュゼは思う。そして

「貴女は旦那様? のお相手を本来しなければいけない私に代わって、随分長い間、替わって下さったでしょう?
貴女には貴女でしなくてはいけない事が山積みなのに、私を気にかけてくれた事、本当に感謝していたからこんな形で伝えられて嬉しいわ」

「え……?」

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