ミュゼ・シルフィーの結婚の行方

みけの

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最終章 まさかの展開

小侯爵夫人(ただし仮)と幼馴染③

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 ひどく気の抜けた声が出てしまった。

が、そんなルミカにミュゼはニコリ、と余裕の笑みを返す。

 しかしルミカの頭の中は“何で?”という疑問? ツッコミ? の入り混じったような状態だった。

―――いつだって“ルースにとって私が1番”と見せつけていた。

 実際ルースも、ルミカの具合が悪くなるとミュゼを放ってルミカの処に来るし、使用人達に『お2人の方がずっとお似合いです』と言われても否定した事がない。

 妻ならもっと屈辱に打ち震えるとか、嫉妬で当たって来そうなのにミュゼはついぞそんな様子を見せない。

 いつも古いドレス姿でいつもボーっとしてるから、どこか精神に問題があるかと思っていたが、あの映像で見た彼女といい、今目の前にいる彼女といい至って正常だ。

 だから……これが彼女の“地”だとしたら疑問が生じてくる。

「……大体何故、いつもそんな服ばかり着ているのよ」

 ミュゼが来ているのは薄っぺらい伸びきった生地の部屋着だ。もはや前の色が分からないくらいの古ぼけた生地が目に付く。
 そんな襤褸を着ているにも関わらず、ミュゼは当たり前のように答える。

「これが気安くて体が楽だから」

 “体が楽”というフレーズに、ルミカはグッと詰まった。

 ルミカはお洒落が大好きで、ルースにねだってドレスやアクセサリーを買ってもらっている。それを身につけた自分を鏡で見て、似合っていると感じて満足する。

 が、一番体に優しいと思えるのは肌に馴染んだネグリジェだ。だからそこは―――不本意だが―――納得するしかない。しかし、

「……いつもダラーッとしているし」

 あんな修羅場できびきび動ける人が、どうして屋敷だとだらーっとしているのか。だから使用人達に舐められるのだとなぜ分からない?

 その問いにミュゼは初めてはあ? と信じられない事を言われた表情になった。そして堂々と主張する。

「家はだらける場所でしょう? ってか私からすれば、家でだらけてどこが悪い! って感じなんだけど」

「け、けどおば様はいつもキチっとされているわ」

 ミュゼの勢いに圧されたルミカが知っている貴族夫人を例に出すと、

「おば様って、侯爵夫人の事? まぁ本来高位貴族のご夫人はそうでしょうね。家がすでに職場みたいなものだから。でも私の職場は外にあるの」

 怯む事も躊躇する事もなく、事実として納得した上で返って来たのがこれだ。

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