ミュゼ・シルフィーの結婚の行方

みけの

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最終章 まさかの展開

小侯爵夫人(ただし仮)と幼馴染⑤

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―――つまり自分もルースも、ミュゼにとって完全にどうでも良かった?

 妻になって支援しようとする位だから、ルースに惚れこんでいると思っていたのに。

「じ、じゃあ……どうしてルースと……」

「結婚したのかって? サイモンから聞いていない? 私が欲しかったのは既婚歴よ。仕事の都合上結婚はする。けど来年には離婚するのよ? 小侯爵もあそこまで毛嫌いしなくっても良いと思うんだけど……」

 小侯爵とは言うまでもなくルースの事だろう。普段ミュゼが彼を呼ぶ、『旦那様』よりこちらの方が自然に聞こえる。

「ま・利用されてるようなものだから仕方ないわね」

 晴れやかな笑顔で付け加える。そして

 「まぁとにかく来年には離婚するから。それに結婚期間の間も私は仕事で長くここにいる事はないわ。

結婚式の後でここにいてたのは1か月、お休みをもらっていたから。また出て行くからみんな、喜んでね?」

 それはルミカだけでなく、側についている使用人達に対して言った言葉でもあった。

 にこやかなミュゼとは逆に、使用人達は内心冷や汗が止まらない。

 これまでは彼らの主人は侯爵家の面々と、彼らに家族同然に大事にされているルミカ。それが当たり前だった。が、彼らに自分達の給金を払う余裕がないなら、状況は変わる。

 サイモンの言葉だけでも不安を煽られていたところに、ミュゼの“貴方達がどれだけ仲良かろうが私には全然響かないわ”宣言。

 つまり……自分達の主は、支援してくれるミュゼへの礼儀や関心を求めるどころか損ねてしまったのだ。

 なぜ、どう考えたらそのような行為が出来るのか。彼ら自身は勿論、身内であるルースなら当然知ってしかるべきなのに。

―――ああ……言えなかったのかと、すぐ思った者は正解だ。

 ルースの父であるリュドミラ侯爵は良く言えば太っ腹、悪く言えば見栄っ張りだ。
 そんな彼が、ミュゼに支援される事態を息子に伝えたくないと思っても不思議ではない。
 だがその結果、ミュゼから得られるのは期限付きの慈悲、もしくは奉仕精神からのお情け。

 ずっと彼らは、自分達の主人こそが選ぶ立場だと思っていた。それがこの“時の止まった場所”では当然だったから。

 だが……今彼らが懸命にどうにかしなくてはと頭を働かせるのは、ミュゼに対しての対処だった。

 自分だけでも許される為にどうすればいいか?

自分と家族が助かる為に出来る事は?
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