ミュゼ・シルフィーの結婚の行方

みけの

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最終章 まさかの展開

耽美小説作家・エー・ロマール

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 目の前に出されたのは、小さな本だ。

 が、ルミカにとっては、大きく動揺させるものだったようでカッと顔を赤くして喚きだす。

「な、何よ貴女! 私の部屋から勝手に持ち出したの!? 最低!!」

 が、ミュゼは余裕を崩さない。

「へー、じゃあやっぱり、ルミカさんが買ったのはこれだったんだ。

 ……いやね、カードの利用明細に珍しく書籍、ってあったから気になって調べたの。

 図書館とかならともかく、本屋の守秘義務なんて客によってゆるゆるだから、もろに“こんな子が”なんて言わなかったけど、かなり詳しい事を教えてくれたわ。

 で、引かれた金額と日付から、その本の発売日の日付と一致したからもしかしてーーーって

 言っとくけどこれ、貴女の本じゃないわよ。だってそれに、こんなサインはある?」

と、言って捲ったのは最後のページだ。そこには作家のサインと“ミュゼ様に贈ります”と一言が添えられている。

「そ、それ、エー・ロマール先生のサイン!?」

「そう、本人直筆。

ある縁で知り合いになってね、それから新作が出たら届けてくれるのよサイン付きで。『後々値が張るから!』とか言ってね。

なぁにが値が張るかよね、所詮エロ小説家が」

「エロじゃないわ、耽美小説よ間違えないで!!」

余程心酔しているのか、ルミカは強調させる。

 そこまで思わせる小説に興味が湧き、ルースがミュゼの隣に近づいて言った。

「ど、どんな内容なんだ?」

「ご覧になりますか?」

パラ、とページをめくるとーーーー

「なっ! 何だこの〇□&’%#$$**!!」

 ボンッと爆発したように顔を真っ赤にし、混乱したかのように叫びだす。

ルミカに続き新たな異常者を誕生させた事に、ミュゼはあちゃーと額を押さえた。

「……箱入りご子息にゃ、刺激が強かったかー」

 ミュゼの声で我に返ったのか、ルースが悲鳴に似た声で問うてきた。

「な……何なんだこの、破廉恥な小説は!!」


 「いやぁ…、だからエロ小説ですよ。今年頃の女の子の間で爆流行っている、“女こそエロに溺れる権利がある!”ってふざけたスローガン持ちの新進気鋭の小説家。そして……」

と、そこでいったん言葉を切り、次ににこやかにある事実を告げた。

「ここにいるサイモンの、元カノです」
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