ミュゼ・シルフィーの結婚の行方

みけの

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最終章 まさかの展開

選択肢は2つ

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「もう僕からは話はないよ。ルミカを外に出して」

 素っ気なくルースが言うと、使用人がルミカの両腕を掴んで立たせた。そのまま引きずられるようにして出されて行く。

 パタン、と扉が閉じられるまで、ルースはずっと、ルミカに背を向けたままだった。そこでやっと、ルミカの中に見捨てられたという現実が浸透する。

―――ルースが私を見放すなんて……。

 終わりだ、何もかも……詰んだ。

これからは未来も希望もない、ドツボな生活が始まるんだ………。

と、絶望に浸っているルミカの後方にいるミュゼは黙ったままだった。が、


「……ねえ、サイモン」

と、傍らに立つ美男子に声をかけた。

「何でしょう、姐さん」

 美男子の声は、闇にいるルミカの耳にも入ってくる。だから思わず、声のする方へ眼を向けた。

「ルミカさんの手を見て、貴男はどう思う?」

「は?」

 ミュゼの言葉にルミカは咄嗟に手を隠したが、サイモンの目には入っていた様だ。

それを感じてルミカは羞恥を覚えると共に、蔑まれる予感に身を縮めていた。が、

「別に。……仕事をしてる人間の手、って思うだけです」

 特に気にする様子もなく、事実だけを答えていた。それに対しルミカは肩透かしをくらったような気分になる。


 この汚い手を、何故誰も嫌がらないの?

 そう言えばルースも、自分のボロボロの手を握った時、イヤな顔をしなかった事に気付く。

 ―――劣等感を持っているのは私だけ?

 さっきから今まで知らなかった、分からなかった情報が入り続け、混乱しそうになっているルミカをクールダウンするようにミュゼはコツコツと説明した。
 
「ルミカさん、取り合えず今晩だけ考えな。予定通り、ここで9日間下働きしてから別の場所で研修を受けるか、それとも修道院にでも入るか。

 ……修道院は“貴族女性の刑務所”なんて言われている分刑務所よりは過酷じゃない。粗末でも三食出るし、相部屋だけど寝床もある。ただ修行がキツイのと、奉仕活動がある時以外は外に出られない。それと……一切の娯楽が禁止されている。

 私としては、下働きからの研修の方が良いと思う。残り9日間は今のやらかしもあってしんどい目に遭うだろうけど、それが終わればあんたの顔も知らない場所でのやり直し。好かれるのも嫌われるのもあんた次第だ」

「私、次第……」

 それは都合が良いけど危険もある。まず、どんなところだか分からないし、そこでもうまく行かなければ同じ状況になるかも知れない。それに今まで、守ってくれた人もいないし……。

 ってぐるぐる思っていたら、

「……色々不安だろうけど、それが今のあんたに出来る事だ」

 つまり、多少の不満や不安があっても、それしか選べないと思った時、ルミカは諦めた思いで受け入れた。

―――それもありかも知れない、と。

 そんな殊勝げな彼女の気持ちをぶち壊すように、ミュゼはニヤリと笑って付け加える。

「自分の稼いだ金で買うエロ本は違うぜぃ☆」

……だから、耽美小説なんだって!


~※~※~※~※~※~※

ハピバ、自分です♪
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