【完結】聖女戦記物語。結局、誰が聖女役?-魔法より武力と丈夫な体に自信があります-

ジェルミ

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第2部 外の世界

第34話 口は災いの

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「2人共聞いてください、考えました」

「「 なに? 」」

「どちらにしろこの国では、もう食糧難でやって行くのは難しいと思います」
「そうね、お金なんてその内、価値が無くなりそう」
 イルマちゃんが言えば、それにイルゼさんも答える。

「それなら自給自足の方が、良いのではないでしょうか?」
「さすがに今は無理です。でも食糧が無いなら森に入り、魔獣を狩るのはどうでしょうか?ただ解体をどうするかです」

「それなら私ができます」
「イルゼさんがですか?」
「えぇ、組織で大概の事は出来るように、仕込まれましたから」
「それは助かります」

「それには解体用のナイフが要ります」
「わかりました、後で買いましょう。そして調理道具を買えば、自分達で料理も出来ますね」
「私にお任せください」
 さすが戦闘メイド、頼りになるな。

 イルマちゃんを見ると、少し不貞腐れて言える。
「イルマちゃん、そんな顔しない。人にはそれぞれ自分に合ったことがあるんだよ」
「適材適所て、ことね」
「え。よく知ってるね、そんな言葉」

「当たり前でしょ。幾つだと思っているのよ」
「私も知らないわ、そんな言葉。イルマさんて博学なのね」
「照れるわよ、イルゼさん。そんなこと言われると」
 そんなことをしばらく話した。

 そしてお金も無いと、必要な物が揃わない。
 だから狩った魔獣の肉を売って収入を得ることにした。

 俺達の部屋は2階にある。
 みんなで1階に降り、受付の所に行った。
 するとさっき受付をした40歳くらいの女の人がいた。

「すみません、お聞きしますが」
「はい、なんでしょうか?」
「魔獣や魔物を狩った場合、肉を買取ってくれるところはありますか?」
「えっ、狩人の方ですか」
「いえ、生活するのに働かないと。この街に必要なのは食糧かと思いまして」
「その通りです。魔獣などの肉なら、冒険者ギルドがあります」
「冒険者ギルドがあるんですね」

「もし良ければたくさんは買えませんが、私達の宿に売ってもらう事ができればギルドよりは高く買い取らせて頂きます」
「それなら私達の分の肉も出すから、料理を無料で作ってもらえないかしら?」
 イルマちゃんがちゃっかり交渉している。
「良いですよ。肉以外の材料費分を少し頂ければ」
「ですが、これからなので、あまり期待しないでください」

「ええ、ここから東にあるアスケル山脈の麓にある森は、人が普段立ち入りません。特に瘴気しょうきがでて、魔物が増えてからはなおさらです」
「そうなんですね。準備もしたいので、雑貨屋の場所を教えて頂けますか」
「ええいいですよ、雑貨屋はここから…」


 俺達は雑貨屋の場所聞き、フライパンと鍋、スプーンやコップ。
 解体用のナイフなど生活用品を買った。

 これはこれから森などで自炊をする事を想定してだ。
 森で枯れ枝や枯れ葉も、たくさん拾ってあるからいつでも自炊可能だ。
 ストレージに入れておけば、邪魔にならないからね。

 買い物を済ませ宿屋に戻った。
 丁度、時刻は夕暮れで夕食の時間だった。

 お腹も空いたので、夕食を頼んだ。
 出てきたものを見て驚いた。
 お湯の中に浮かぶ、傷んでいるように見える野菜に肉が少しだった。

 俺達が驚いていると、夕食を運んできた給仕さんが言う。
「その野菜なんて、まともな方です。庶民には殆ど、野菜なども回ってきません」
 そこまでひっ迫しているのか。

 俺達は食べないよりはマシ、という夕食を食べ部屋に戻った。
 ふう、この世界に来てから、お風呂に入っていない。
「2人共、こちらに来て」
「え~、なあにタケシ君」
「なんでしょうか、タケシ様」

「一日の体の汚れを取りましょうか」
「なんなの?」
「えっ、どういう事でしょうか」

「まあ、見てて。清潔クリーン!」
 魔力が二人の体を包む。

「これは、臭いが消えたわ」
「本当ですね」
「これは俺が考えた、清潔クリーンという魔法です」
「「 清潔クリーン?? 」」
「聖魔法は浄化することが出来る魔法です。魔法で包めば汚れを除去して、清潔することができます」

「凄いです、タケシ様。聖魔法をこんな無駄に使うなんて」
「ほんと、タケシ君。これならクリーニング屋ができるね」
「…………。」
「どうしたのよ、タケシ君」
「イルゼさん、ちょっといいですか」
「なんでしょう、タケシ様」
「クリーニング屋て、知っていますか?」
「いいえ、知りません。それは何でしょうか?」
「ならいいのです。イルマちゃん、どうして君はクリーニング屋を知ってるの?」
「そ、それは…」
「それから適材適所も。この国には無い言葉だよ。どうして知っているの?」

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