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第2部 王都ファグネリア
第74話 一人暮らしが長いと
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ワイアット公爵は『Z』と声をあげ顔を赤くしている。
「さ、さあ、これでいいかね?」
「はい、どうもありがとうございました」
「ところで『Z』の件だがどうかね。息子の病気は治ったが置き薬として10本ほど売ってもらえないかね」
「えぇ、いいですよ」
「おぉ、それは助かる。では前回分と合せて一本十万でどうだろうか?」
えっ?!1ケース10本入りで980円ですけど。
私の驚いた顔を見て思ったのだろう。
「安いのはわかっている。しかしハイポーションでも一本三~五万と考えると、そのくらいが妥当なところだ。どうか分かってほしい」
いえ、高くて驚いているのですけど…。
「公爵との仲です。それで手を打ちます」
「それは有難い。ではさっそくお金を用意しよう」
そう言うと公爵は一度席を立ち部屋に戻って来た。
「前回分と合せて二十本分の二百万だ。受け取ってくれ」
そう言うと公爵はテーブルに金貨の入った袋を置いた。
「では、頂いて行きます」
私はそのまま袋をストレージに収納する。
「確認しなくていいのかね?」
「はい、公爵を信頼してますから」
「それは嬉しいことを言ってくれるね」
本当は金貨を二百枚も数えるのが面倒だからだけど。
それに公爵がごまかすとは思えないからね。
「ではどうぞ、お納めください」
私はネットスーパー『SAY YOU』を立上げオロビタンZを購入し伯爵に手渡す。
「大切に使うよ。それから話は変わるが、以前に話していたセサルの村のことだ」
「セサルの村がどうかしましたか?」
「スズカさんの話を聞き様子を見に人を行かせたのさ」
「どうでしたか?」
「それが村を囲むように丸太で塀が築かれていたそうだ」
そう言えばしばらくは行っていないからね。
みんな、元気かな?
「村の中に入ると女性達が丸太を担ぎ、田畑を耕し忙しそうに働いていたと言う」
働き者ね~!
「丁度、いった時には大型の魔物を狩り、解体をしていたと言う」
まさしく自給自足ね。
「話を聞くと村の周辺には大型の魔物が居なくなり、他の場所に遠征しているようだ」
私と同じみたいね。
「その話を聞き付けた他の村から魔物討伐の依頼が入るらしく、最近では魔物討伐の依頼をこなし生活をしているようだ」
ある意味、凄いわ。
「そして村の生活も豊かになり、他の村から移住してくる人が絶えないようだ」
そうだよね。開拓や開墾が進み魔物も周辺にはいない。
魔物を狩れば肉にも困らない。
そんな好条件の村なんてないよね。
「先ほどから黙っているが、聞いているかいスズカさん?」
はい、聞いてます。
あっ!いけない。
「ちゃんと聞いています。一人の生活が長いと心の中で返事をする癖がありまして。あははは!!」
一人暮らしを何年も経験していると、寂しさを感じることの方が稀になる。
一人で時間を潰したり一人で休日を過ごすことに慣れてしまう。
他人といるより一人でいる方が気が楽に思える。
周りに頼らなくても自分の収入だけでも暮らしていける。
話し相手が居ないから口を動かす機会がない。
笑いもしないので顔の筋肉を動かすことがほとんど無い。
この世界には携帯が無いから、シルバー相手に独り言が多くなる。
従業員を雇って良かったわ。
悲しきかな、人間としての何かを失う気がするから…。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いつも応援頂いてありがとうございます。
一人暮らしの方、ごめんなさい!!
物語はまったり、のんびりと進み更新は不定期となります。
「さ、さあ、これでいいかね?」
「はい、どうもありがとうございました」
「ところで『Z』の件だがどうかね。息子の病気は治ったが置き薬として10本ほど売ってもらえないかね」
「えぇ、いいですよ」
「おぉ、それは助かる。では前回分と合せて一本十万でどうだろうか?」
えっ?!1ケース10本入りで980円ですけど。
私の驚いた顔を見て思ったのだろう。
「安いのはわかっている。しかしハイポーションでも一本三~五万と考えると、そのくらいが妥当なところだ。どうか分かってほしい」
いえ、高くて驚いているのですけど…。
「公爵との仲です。それで手を打ちます」
「それは有難い。ではさっそくお金を用意しよう」
そう言うと公爵は一度席を立ち部屋に戻って来た。
「前回分と合せて二十本分の二百万だ。受け取ってくれ」
そう言うと公爵はテーブルに金貨の入った袋を置いた。
「では、頂いて行きます」
私はそのまま袋をストレージに収納する。
「確認しなくていいのかね?」
「はい、公爵を信頼してますから」
「それは嬉しいことを言ってくれるね」
本当は金貨を二百枚も数えるのが面倒だからだけど。
それに公爵がごまかすとは思えないからね。
「ではどうぞ、お納めください」
私はネットスーパー『SAY YOU』を立上げオロビタンZを購入し伯爵に手渡す。
「大切に使うよ。それから話は変わるが、以前に話していたセサルの村のことだ」
「セサルの村がどうかしましたか?」
「スズカさんの話を聞き様子を見に人を行かせたのさ」
「どうでしたか?」
「それが村を囲むように丸太で塀が築かれていたそうだ」
そう言えばしばらくは行っていないからね。
みんな、元気かな?
「村の中に入ると女性達が丸太を担ぎ、田畑を耕し忙しそうに働いていたと言う」
働き者ね~!
「丁度、いった時には大型の魔物を狩り、解体をしていたと言う」
まさしく自給自足ね。
「話を聞くと村の周辺には大型の魔物が居なくなり、他の場所に遠征しているようだ」
私と同じみたいね。
「その話を聞き付けた他の村から魔物討伐の依頼が入るらしく、最近では魔物討伐の依頼をこなし生活をしているようだ」
ある意味、凄いわ。
「そして村の生活も豊かになり、他の村から移住してくる人が絶えないようだ」
そうだよね。開拓や開墾が進み魔物も周辺にはいない。
魔物を狩れば肉にも困らない。
そんな好条件の村なんてないよね。
「先ほどから黙っているが、聞いているかいスズカさん?」
はい、聞いてます。
あっ!いけない。
「ちゃんと聞いています。一人の生活が長いと心の中で返事をする癖がありまして。あははは!!」
一人暮らしを何年も経験していると、寂しさを感じることの方が稀になる。
一人で時間を潰したり一人で休日を過ごすことに慣れてしまう。
他人といるより一人でいる方が気が楽に思える。
周りに頼らなくても自分の収入だけでも暮らしていける。
話し相手が居ないから口を動かす機会がない。
笑いもしないので顔の筋肉を動かすことがほとんど無い。
この世界には携帯が無いから、シルバー相手に独り言が多くなる。
従業員を雇って良かったわ。
悲しきかな、人間としての何かを失う気がするから…。
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いつも応援頂いてありがとうございます。
一人暮らしの方、ごめんなさい!!
物語はまったり、のんびりと進み更新は不定期となります。
応援ありがとうございます!
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