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第4部 新たな展開

第91話 誰?

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 もう何周目だろうか?
 シルバーが魔物を追っている。
 特に五階の階層は草原で広くて走りやすいのだろう。

ワン、ワン、ワオ~ンオラ、オラ、オラ!!』
グガオもう許して!!」
グルグル、ガウ、逃げるの疲れた

 魔物はなぜかシルバーに出会うと嫌な顔をして渋々戦っている。
 そしてすぐに諦め逃げ始める。
 後を追うシルバーにとっては良い運動になっているみたい。

「ほら、シルバー。程々にしなさい。魔物さん達が可哀そうよ」
 そんなことを言いながら私はポポンと草原を眺めている。
 あぁ~、いい天気だ…。


 さて今日のお昼は『ホタテめし弁当』!!
 ホタテの風味香るホタテめしに、おかずに唐揚げなどをいろどった幕の内弁当よ。

「シルバーお昼ご飯よ。戻って来て!!」
 『ご飯ですか?!今戻ります!!』
 そう言うとシルバーはこちらに向ってくる。
 ポポンにはニャンコスペシャルの他にも薄切り蟹かま付き。
 美味しいんだから!!

 セーフティーゾーン安全地帯のフロアボスのドアの前に、テーブルを出している。
 土の上に直接だと落ち着かないので、ネットスーパーでテーブルと椅子を購入した。
 そしてみんなで昼食を食べている。
 まあ、座っているのは私だけなんだけどね。


 さてお腹も膨れたのでお昼寝でもしようかな?
 みんな~、ねむ、ねむですよ~。
 私はシルバーを抱き寄せ横になる。
 ポポンはその上に乗ってくる。
 ほのぼのね~、このまま時間が止まればいいのに。
 なんてことを思わず考えてしまう。


 しばらくして寝て起きた。
「さあ、午後からもうひと踏ん張り頑張って来てね、シルバー」
ワフッおう!!』
 そう言うとシルバーは草原に魔物を狩りに行く。
 それを見ながら私は椅子に据わり紅茶を飲んでいる。
 もちろん、飲んでいるのは午後だから……の紅茶です。
 あは!なんてね。

 そう言えば時々、空耳が聞こえる気がする。
 シルバーの鳴き声が会話に聞こえたり…。
 傍から見たら会話をしているように見えるのでしょうね?
 寂しがりやの独りぼっち。
 一人で話して自分で答える。

 さてと、今夜のご飯は何を食べようかな?
 人間することがないと食べることや、くだらないことばかり考えてしまう。
 そんな時だった。


『あの~、そろそろいいでしょうか?』
 誰?
 印籠を出すのか?
 助さん、格さんか?!
 縮緬ちりめん問屋か?
 こんなダンジョンで絹織物を売っているのか?
 だれが買うんだ?
 心の中で私は一人突っ込みを何度もしていた。

「どちらさんで?」
 そして思わず時代劇風に尋ねてしまった。

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