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裏:レオン
11嫁さん(未定)かわいい!3
しおりを挟む「君は……」
ダメだって、と思うけど、なにをどうダメと言ったらイイかわかんないレベル。
こんな純粋培養、いていいの? いや純粋培養じゃないよね、むしろ不純物に晒されまくってるよね?! ……そうか、わかったぞ! 石と砂利と砂に晒されて、濾過されちゃったか!! 大変な目に遭って、清流のごとき清らかさが出来上がっちゃったかー! 理解した!
「……命を助けて頂いたのに、これからのことまでも気にかけて下さるなんて、感謝しかありません」
俺を見つめてきっぱりといった美しさに、俺はもうノックダウン寸前だった。
「こんな我々を、君は、受け入れてくれるのだな……感謝する」
咆哮を上げて、抱きしめてグルグル回りたいのを、命をかけて我慢して、それっぽいことを言ってみる。もう自分がなに言ってるのか、よく分かってない。
とりあえず、自分の手の中にある彼女の手の甲に、ちゅっとキスをする。
あ、やべ、鼻の頭も当たっちゃった。濡れたかも。ごまかすために、親指で、口づけた辺りをスリスリしてごまかしておく。よし、乾いた。
「あ、の、……」
「ん?」
「手……」
「……もしかして、今は、レディにへの挨拶に、このような方法はしないのかな? ……申し訳ない、時の流れに取り残されているから……無作法をした……」
……まあ俺の時代も、親しくないと直接触れたりはしないけどね!
でも、彼女は知らないので、しれっと、そういうことにしておく。恐ろしいから、隣のリスとハムスターなメイドの方は見ない。
「い、いえ、丁寧なご挨拶、ありがとうございます……」
「……私も、食べられる! と叫んで逃げない君に、感謝している」
ここで一発親しみやすい茶目っ気を見せようと、渾身のウィンクをかましてみたところ、慣れてなさ過ぎて首も一緒にかしげるはめになった。恥ずかしい!!
けれど、その失敗が功をなしたのか、彼女がクスクスと笑う。
「優しい方……。あの、お世話になります。できましたら、何か私にできるお仕事があれば賜りたいです。どうぞお言いつけ下さい」
「気にしなくていい。君は客人だ。しかも傷ついた客人だ。どうか癒えるまでゆっくりして欲しい」
「でも……」
大事なお嫁さん候補を使うなどせぬ!! 姫のように大事に扱って、愛してもらいたい!! 俺だって、かわいい女の子に愛されたい!!
「もし、気が収まらないというのなら、外の話をしてくれないか。私たちはこの姿だ。人の世界に行くことが叶わない。どんな暮らしをしているのか、教えてもらうというのは、どうだろう」
「そんなことで……」
「……私たちは、どれだけお金を積んでも、民の話は、聞けないのだよ」
「あ……」
苦笑する俺に、彼女が、悲しげに唇を噛んだ。
この子、ほんっと優しいな!! これはもう……濾過じゃなくって、蒸溜じゃね? 純粋すぎる!!
こんな子が、お嫁さんになってくれたらいいのにー。
チラッと後ろに控えるのメイドたちを見る。サムズアップされた。まさかの許可。よし、ガンガン行こうぜ!!
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