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フライパンで焼いた噛み痕がジクジクと痛む。昴のベットでゴロゴロしながら、僕は、この後の事を考えていた。
これから先、発情期が来たらどうなるんだろう? 今までは先輩がいたから、先輩と過ごすだけだったけど、先輩とツガイ契約を切った今、僕のフェロモンはどうなったんだろう。
もしかしてまた不特定多数のアルファに狙われる日々に戻るのだろうか。僕が美少年だからって、誰でも相手にすると思ったら大間違いなんだから。アルファの奴らって、なんで勝手に触ったり、パーソナルスペースに我が物顔ではいってきたりするんだろ、気持ち悪いんだよ、でも、そっか、……またあんな生活にもどるのかぁ。最悪。
歯向かったって、威圧されたら、僕たちオメガはアルファの言うことを聞くしかない、惨めなもんさ。守ってくれる強いアルファがいなくちゃ、僕なんてカモネギだよ。電車にものれないな、行くとこ制限される、友達にも警戒心持たなきゃ行けなくなる。めんどくさいったらないね。
「やだな、はーーまじ、やだ」
そもそも噛み痕を焼いたオメガって、もう一度ツガイ契約を誰かと結ぶ事ができるのかな。もしも出来なかったら。そんな生活がずっと続く? ぞっとする。
恋愛なんか、暫くしたくないけど、発情期は必ずやって来る。僕はモテるから別に適当にアルファを選んで寝る事は、そりゃ、簡単にできるけど。
もう誰のツガイになれなかったら、一生1人で生きていかなきゃいけないんだろうか。発情期が来るたびに恋人でもないアルファに抱かれて、相手は皆、何処かのオメガの恋人になって、僕だけのアルファがいないなんて。なんて、惨めなんだ。
《先輩なんか好きにならなきゃよかったな……過去に戻れたら良いのに》
過去に戻れたら、先輩なんかじゃなくて、僕だけをずっと好きでいてくれる人とツガイになって、その人と今も一緒にいて、それで、僕の人生はきっと薔薇色だったのに。
「あーーあー、嫌になっちゃうな」
僕はムシャクシャして、枕をそばにいた昴にバフッとぶつけようと投げた。昴はでも、ひょいっと交わしてから簡単に受け取ったんだけど。こいつ、反射神経すごいな。じとっと、睨むと、昴はまたこてりと頭を傾げた。
「どうしたの?」
「僕の人生もう詰んじゃってさ、やんなるから八つ当たりしたの」
「そんなに美少年なのに、詰んだの?」
「美少年でも詰んだの、もーー僕はひとりぼっちで寂しく生きていくの、誰からも必要とされず、はーーやだやだ、やなんだよぉ」
「飛羽らしくないなぁ」
「僕らしいって、なんだよ、オメガの苦労も知らないくせに、いいよな昴は何でも持ってて自由で」
100%の八つ当たり。言いがかり。いくら僕が引っ掻いたって、昴はちっともダメージ受けないんだもの。これくらい別に良いでしょ、世の中に沢山ヤナ奴いっぱいいてさ、そいつらは自分の事を棚に上げて、人に文句とか悪意ばっかり持つんだよな、人が嫌な顔すると喜ぶんだよ、ゲスが多くてほんとやになる。僕はそういう奴らに狙われる日々に戻ったってわけ。怖いんだよ、怖い。昴が守ってくれたら良いのに。
「僕なんか弱い、何もできないオメガだよ」
暗い声でた、あぁ、恥ずかしい。何もできないのは、してこなかったからなのに、そもそも昴に関係ないのに。昴はずっと優しくしてくれて、助けてくれたのに、これ以上僕に構う義理なんかこれっぽっちもないのに。
昴はまた、思慮深い瞳でじっと僕を見てる。バカにするのかと身構えてうつむいた時、とっても優しい声が聞こえた。
「僕には飛羽が弱いようには見えない」
「え?」
「君は外見の嫋やかさの中に、苛烈に燃える青い炎みたいな魂をもってる、そういう人を弱いとは思わない」
「たおやか? かれつ? は? ちょ、すばる、難しい言葉使うなよ、僕あんたみたいに賢くないから」
「つまり、君は美しくて強いって言った」
僕は、昴のその言葉に目を見開いた。いやいや、美しく強いのはあんたでしょ? 何をもって僕が強いなんて。あんぐりと口をあけて固まった僕をみて、昴は静かに微笑んだ。
その何もかも知ってるみたいな顔は何? 難しい数学の問題が解けたみたいなスッキリした顔でさ。
これから先、発情期が来たらどうなるんだろう? 今までは先輩がいたから、先輩と過ごすだけだったけど、先輩とツガイ契約を切った今、僕のフェロモンはどうなったんだろう。
もしかしてまた不特定多数のアルファに狙われる日々に戻るのだろうか。僕が美少年だからって、誰でも相手にすると思ったら大間違いなんだから。アルファの奴らって、なんで勝手に触ったり、パーソナルスペースに我が物顔ではいってきたりするんだろ、気持ち悪いんだよ、でも、そっか、……またあんな生活にもどるのかぁ。最悪。
歯向かったって、威圧されたら、僕たちオメガはアルファの言うことを聞くしかない、惨めなもんさ。守ってくれる強いアルファがいなくちゃ、僕なんてカモネギだよ。電車にものれないな、行くとこ制限される、友達にも警戒心持たなきゃ行けなくなる。めんどくさいったらないね。
「やだな、はーーまじ、やだ」
そもそも噛み痕を焼いたオメガって、もう一度ツガイ契約を誰かと結ぶ事ができるのかな。もしも出来なかったら。そんな生活がずっと続く? ぞっとする。
恋愛なんか、暫くしたくないけど、発情期は必ずやって来る。僕はモテるから別に適当にアルファを選んで寝る事は、そりゃ、簡単にできるけど。
もう誰のツガイになれなかったら、一生1人で生きていかなきゃいけないんだろうか。発情期が来るたびに恋人でもないアルファに抱かれて、相手は皆、何処かのオメガの恋人になって、僕だけのアルファがいないなんて。なんて、惨めなんだ。
《先輩なんか好きにならなきゃよかったな……過去に戻れたら良いのに》
過去に戻れたら、先輩なんかじゃなくて、僕だけをずっと好きでいてくれる人とツガイになって、その人と今も一緒にいて、それで、僕の人生はきっと薔薇色だったのに。
「あーーあー、嫌になっちゃうな」
僕はムシャクシャして、枕をそばにいた昴にバフッとぶつけようと投げた。昴はでも、ひょいっと交わしてから簡単に受け取ったんだけど。こいつ、反射神経すごいな。じとっと、睨むと、昴はまたこてりと頭を傾げた。
「どうしたの?」
「僕の人生もう詰んじゃってさ、やんなるから八つ当たりしたの」
「そんなに美少年なのに、詰んだの?」
「美少年でも詰んだの、もーー僕はひとりぼっちで寂しく生きていくの、誰からも必要とされず、はーーやだやだ、やなんだよぉ」
「飛羽らしくないなぁ」
「僕らしいって、なんだよ、オメガの苦労も知らないくせに、いいよな昴は何でも持ってて自由で」
100%の八つ当たり。言いがかり。いくら僕が引っ掻いたって、昴はちっともダメージ受けないんだもの。これくらい別に良いでしょ、世の中に沢山ヤナ奴いっぱいいてさ、そいつらは自分の事を棚に上げて、人に文句とか悪意ばっかり持つんだよな、人が嫌な顔すると喜ぶんだよ、ゲスが多くてほんとやになる。僕はそういう奴らに狙われる日々に戻ったってわけ。怖いんだよ、怖い。昴が守ってくれたら良いのに。
「僕なんか弱い、何もできないオメガだよ」
暗い声でた、あぁ、恥ずかしい。何もできないのは、してこなかったからなのに、そもそも昴に関係ないのに。昴はずっと優しくしてくれて、助けてくれたのに、これ以上僕に構う義理なんかこれっぽっちもないのに。
昴はまた、思慮深い瞳でじっと僕を見てる。バカにするのかと身構えてうつむいた時、とっても優しい声が聞こえた。
「僕には飛羽が弱いようには見えない」
「え?」
「君は外見の嫋やかさの中に、苛烈に燃える青い炎みたいな魂をもってる、そういう人を弱いとは思わない」
「たおやか? かれつ? は? ちょ、すばる、難しい言葉使うなよ、僕あんたみたいに賢くないから」
「つまり、君は美しくて強いって言った」
僕は、昴のその言葉に目を見開いた。いやいや、美しく強いのはあんたでしょ? 何をもって僕が強いなんて。あんぐりと口をあけて固まった僕をみて、昴は静かに微笑んだ。
その何もかも知ってるみたいな顔は何? 難しい数学の問題が解けたみたいなスッキリした顔でさ。
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