女公爵は軽薄に笑う

下菊みこと

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女公爵は情報屋を頼る

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ラピスラズリの鏡を探すアンジェリクとリュカ。二人は情報屋アルファの元を訪れる。

「あら!アンジェリク様にリュカ様!今日はどうしたの?あの闇オークションの件かしら?」

「そちらの情報もあとで貰うつもりだけれど、今は献上品探しをしているの」

「まあ!今回はなあに?」

「ラピスラズリの鏡です」

「あらぁ!ちょうど良かった!その件なんだけどね、ラピスラズリの鏡が見つかったのよ!」

「え?本当に?」

「ええ、なんでもどこかの男爵様がコレクションとして持っていたそうよ。その男爵様の息子がとある美術館に提供したのだけど、その美術館がなんとイベントを行うんですって!」

「イベント?」

「このイベント自体は以前から定期的に開催されてはいるんだけどね、なんでも、木彫りの彫刻コンテストを開催するらしいの!ラピスラズリの鏡を優勝商品にするらしいわ!」

「…ああ、お金では解決出来ない奴ね…面倒くさい…」

「露骨にやる気を無くさないでください、ご主人様」

「リュカ…頼むわ…」

「ご主人様は参加されないと?」

「…貴方分かってて言ってるでしょう」

「ふふ、すみません。こんな情け無いご主人様の姿を見るのは久しぶりでしたので、つい」

「リュカは意地悪だわ」

「それで、そのコンテストはいつ行われるのでしょう?エントリーは?」

「それが、エントリーは明日から、コンテストは来月らしいわ。コンテストには出来上がった彫刻を持って行けばいいそうよ」

「なるほど、なるほど。やはり、私は私で彫刻を作り上げますから、ご主人様はご主人様で参加してみては?案外私の作品より高評価かもしれませんよ?」

「もしそんなことが起こったら私は鼻からスパゲッティを食べてあげるわ」

「おやおや、ふふふ。ご主人様、失礼致しました。そんなに拗ねないでくださいませ」

「ふんっ」

「ああ…ご主人様が拗ねてしまわれた…」

「リュカ様、あたしだってあんな弄られ方されたらへそ曲げるわよ…」

「おや、そうですか?では、お詫びに今回は私がアルファさんへの報酬をお支払いしましょう」

普通の金貨十枚…ではなく、なんと円卓金貨を支払うリュカ。円卓金貨は宮廷魔導師の給料3ヶ月分くらいの価値がある特別な金貨である。豊かなエルドラドの女公爵の執事だからこそ払える対価だ。

「いえーい!リュカ様太っ腹ー!」

「あら、払い過ぎじゃない?リュカ」

「多少の色は付けたので、今後もよろしくお願いしますね、アルファ様」

「はいはーい!」

「…もう、これじゃこれ以上貴方を怒れないじゃない」

「ふふ、それなら良かったです」

そうして二人は一度屋敷に帰り、翌日コンテストにエントリーするのだった。
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