君が僕に心をくれるなら僕は君に全てをあげよう

下菊みこと

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ほっぺにちゅー

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ある日、デートのお出かけ先でコトハと隣り合って座っている時のこと。

コトハがあまりにも無防備だから、不意打ちでほっぺにちゅーしてしまった。

「!?」

「隙ありー」

「も、もう、ナギさんったら」

真っ赤に頬を染めるコトハの可愛いこと可愛いこと。

今は絶賛映画鑑賞中だけれど、ちょっとイチャイチャするくらいいいよね。

そのままコトハと指を絡める。

映画なんてそっちのけで、照れて真っ赤になるコトハに釘付けになってしまった。










「映画、面白かったね」

「人気アニメの総集編だったけど、見応えあったね」

満足そうなコトハに僕も満足する。

「このまま帰るのもいいけれど、少し寄り道をしようか」

「うん!」

「いつもと違う道を通って帰ろう」

デートがてら散歩をする。

もちろん手繋ぎで。

いつもと違う道を通ると、当然知らないお店を発見。

雑貨屋さんに入ってみると、可愛いティーポットと茶器を発見した。

コトハが欲しそうにしているのに気づいたので、購入決定。

「コトハ、これ買って帰ろうか」

「え、いいの?」

「もちろん」

そしてティーポットと茶器を買って、雑貨屋を出る。

今度はお誂え向きに紅茶専門店を見つけたので、そちらにも寄っていく。

紅茶専門店では、セイロンティーのひとつである「ディンブラ」を買った。香り高い紅茶だとおすすめされたのだ。

さらに歩いていくと食べ応えのありそうなパウンドケーキを売っているお店を発見し、即購入。

そして家に無事帰ってきた。

「コトハ、せっかくだからさっそく三時のおやつにしよう」

「うん!」

先ほど買った茶葉のストレートティーを用意して、先ほど買ったパウンドケーキをお茶菓子に楽しむ。

ティーポットな茶器ももちろんさっき買ったもの。

「いい買い物ができたね」

「うん、美味しいね」

「コトハ」

「うん?」

隙だらけのコトハに、今度はおでこにキスをした。

「隙ありー」

「な、ナギさん…っ」

真っ赤に染まる頬が可愛くて、もう一度ほっぺにちゅー。

「も、もう!」

「愛してるよ、コトハ」

「…っ、わ、私も…」

「じゃあ、コトハもキスをして」

にっこり笑ってそういえば、真っ赤になるコトハ。

でも意を決したようにこちらに顔を近づける。

…ちゅっ。

鼻先にキスしてくれたコトハ。

「ふふ、可愛いね」

「うう…」

「頑張ってくれてありがとう、コトハ」

「うん…」

可愛いコトハ。

無防備な君を、僕が守るからね。

「コトハ、今幸せ?」

「すっごく幸せ!」

「僕もだよ」

即答してくれた優しいコトハ。

君の幸せも、僕が守るからね。
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