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成金お嬢様、公爵家の姫君に目をつけられる
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今日は、ルーヴルナはとびっきりのおしゃれをしている。
何故ならば、何故かは知らないがとある公爵家の末っ子長女だという姫君に急に呼び出し…もとい招待を受けたからである。
二人っきりで会ってみたい、とのことだった。
「うう…ジル、モーント、緊張しますわ…助けてくださいまし」
「大丈夫ですよ、お嬢様!」
「我々もついておりますので、ご安心を」
ジルとモーントに励まされ、グズグズと言いつつもしっかりとお出かけの準備を終えたルーヴルナ。
「い、行きますわよ。二人とも、見捨てないでくださいまし!」
「見捨てるわけないじゃないですか!」
「余程のことがない限りそこまでの問題は起きませんよ。大丈夫です」
「ううー…その余程のことが起きないか怖いですわ…」
馬車に乗り込み公爵家へ向かうルーヴルナは目に見えて落ち込んでいたが、公爵家の姫君に誘われたとあっては流石に断れない。
いや、その理屈なら本来なら聖王ランスロットのお誘いも断ってはいけないと思うのだが、それはそれである。
「いらっしゃいませ、ルーヴルナ様」
馬車を降りたルーヴルナが目にしたのは、公爵家の使用人一同がこちらに向けて頭を下げて出迎えをする姿。
お金持ちの商人の娘とはいえ、所詮は成金のルーヴルナはその光景に心臓が跳ねるかと思った。
「あ、ルーヴルナ様!来てくださったのね!」
そこに、可愛らしい女の子…ちょうど、ルーヴルナと同じくらいの歳の子が近づいてきた。
一目で公爵家の姫君…フルールだとわかる。
ルーヴルナは礼をとろうとしたが、その前にフルールに思いっきり抱きつかれた。
「ふえっ!?」
いきなりのことに情け無い悲鳴をあげたルーヴルナ。
一方フルールはそんなこと御構い無しだ。
「やーん、可愛い!この間、パーティーで見かけた時からずっとずっと気になっていたの!」
「え?え?」
「でも、獣人を助けるような方と付き合ってはいけませんと言われてしまって…説得するのが大変でしたのよ!」
その言葉に、近くに控えるモーントはチリッと胸に痛みが走るが気付かぬふりをした。
が。
「ありがとうございます、フルール様。そうまでしてお招きいただいたこと、本当に嬉しく思っておりますわ。…けれど」
「…なにかしら?」
「わたくしの連れてきた護衛も、獣人ですの。どうか、獣人を悪く言わないであげてくださいな」
こともあろうに、ルーヴルナ本人がモーントを庇った。モーントは救われたような気持ちになったが、まずいと声をあげようとする。
責を問われるのなら、自分だけでいい。
「…っ、お嬢様!」
だが、フルールの反応は予想とは違った。
何故ならば、何故かは知らないがとある公爵家の末っ子長女だという姫君に急に呼び出し…もとい招待を受けたからである。
二人っきりで会ってみたい、とのことだった。
「うう…ジル、モーント、緊張しますわ…助けてくださいまし」
「大丈夫ですよ、お嬢様!」
「我々もついておりますので、ご安心を」
ジルとモーントに励まされ、グズグズと言いつつもしっかりとお出かけの準備を終えたルーヴルナ。
「い、行きますわよ。二人とも、見捨てないでくださいまし!」
「見捨てるわけないじゃないですか!」
「余程のことがない限りそこまでの問題は起きませんよ。大丈夫です」
「ううー…その余程のことが起きないか怖いですわ…」
馬車に乗り込み公爵家へ向かうルーヴルナは目に見えて落ち込んでいたが、公爵家の姫君に誘われたとあっては流石に断れない。
いや、その理屈なら本来なら聖王ランスロットのお誘いも断ってはいけないと思うのだが、それはそれである。
「いらっしゃいませ、ルーヴルナ様」
馬車を降りたルーヴルナが目にしたのは、公爵家の使用人一同がこちらに向けて頭を下げて出迎えをする姿。
お金持ちの商人の娘とはいえ、所詮は成金のルーヴルナはその光景に心臓が跳ねるかと思った。
「あ、ルーヴルナ様!来てくださったのね!」
そこに、可愛らしい女の子…ちょうど、ルーヴルナと同じくらいの歳の子が近づいてきた。
一目で公爵家の姫君…フルールだとわかる。
ルーヴルナは礼をとろうとしたが、その前にフルールに思いっきり抱きつかれた。
「ふえっ!?」
いきなりのことに情け無い悲鳴をあげたルーヴルナ。
一方フルールはそんなこと御構い無しだ。
「やーん、可愛い!この間、パーティーで見かけた時からずっとずっと気になっていたの!」
「え?え?」
「でも、獣人を助けるような方と付き合ってはいけませんと言われてしまって…説得するのが大変でしたのよ!」
その言葉に、近くに控えるモーントはチリッと胸に痛みが走るが気付かぬふりをした。
が。
「ありがとうございます、フルール様。そうまでしてお招きいただいたこと、本当に嬉しく思っておりますわ。…けれど」
「…なにかしら?」
「わたくしの連れてきた護衛も、獣人ですの。どうか、獣人を悪く言わないであげてくださいな」
こともあろうに、ルーヴルナ本人がモーントを庇った。モーントは救われたような気持ちになったが、まずいと声をあげようとする。
責を問われるのなら、自分だけでいい。
「…っ、お嬢様!」
だが、フルールの反応は予想とは違った。
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