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成金お嬢様、知りたくもない末路を知らされる

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「…というのが、今回の顛末だ!聖女殿!」

「そ、そうですの」

アラールファミリーの凄惨な最期を嬉々として話すランスロットにドン引きしつつ、ルーヴルナは紅茶を飲む。

「聖女殿がホムンクルスを保護してくれたおかげで、神に背いた悪を一つ討ち滅ぼせた!礼を言うぞ!」

「え、ええ。こちらこそ、リムルをこれからも保護することを許してくださりありがとうございました」

「なに、ホムンクルスの方には罪はない。罪は神に背いた彼らにあったのだ。その彼らは我らが討ち滅ぼした。ホムンクルスは自由に生きる権利があるだろう」

そう言って甘いお茶菓子を満面の笑みで頬張るランスロット。

不覚にもちょっと可愛いと思ってしまうルーヴルナは、慌てて首を振る。

今目の前にいるのは過激派で有名な聖王ランスロット。油断してはいけない。

「しかし…まさか予知夢で、マフィアからの襲撃を予測するとは。彼らのことはホムンクルスを造った罪で裁いたが、その後聖女殿の屋敷を襲うための作戦の書類を見た時には気が遠くなるかと思った。聖女殿を相手になにを考えていたのやら」

「彼らにとっては必要なことだったのでしょう」

「そうだな、きっと神の裁きを受けるため必要なことだったのだ」

うんうんと勝手に頷くランスロットに、胃がどんどん痛くなるルーヴルナ。知らんがなと言いたい。

「それでそれで、今までも夢のお告げで国の危機を救ってきたのであろう?聖女殿」

「夢のお告げというより、予知夢です」

「充分だ!素晴らしいな、聖女殿は。そのお力もさすがだが、予知夢を受け人々を助けようと献身的に動くその内面が美しい!やはり、外見の美しさは内面が反映されるのだな!」

にっこにこでご機嫌のランスロット。

ちなみに、ルーヴルナの家では予知夢の力は秘密にするのが家訓となっている。だが、両親に色々ぶっちゃけて例外でランスロットとジル、モーントとリムルには言っていいことになった。

なので、その四人だけはルーヴルナの能力を知っている状態だ。

そしてそれを伝えた際ランスロットには、大切な力なので秘密にして欲しい、聖女扱いもしないで欲しいと懇願している。

ランスロットはそれを受け、ルーヴルナの能力を誰かに話すことも書物に記すこともなかった。ルーヴルナのことは、本人と三人の御付きの者しかいないところでは『聖女殿』と呼ぶが人がいればルーヴルナ殿と呼ぶと決めている。

「とりあえず、これでアラールファミリーの脅威は去ったのですわよね。本当にありがとうございました、聖王猊下」

「良い良い、聖女殿の役に立てて嬉しいぞ。…それで、少し相談があるのだが」

「…はい?」

まだ、面倒ごとは終わっていないらしい。
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