5 / 32
クラスメイト
しおりを挟む
「では、中間考査の結果表をお渡しします。出席番号順に前へ取り来てください」
腹から声を出す気のない講師助手の声は、教室内の生徒が少しざわめくだけでもほぼ聞き取れなくなる。平素誰よりも厳しい担任講師が急遽不在となったこの講義枠内で、浮わついた生徒たちの私語を止める抑止力はどこにもない。
第一学年である俺たちにとっては、前週の水の日から天の日にかけての3日間で行われた定期考査が入学後初の実力評価の場だった。その結果に一喜一憂する声で教室内は溢れかえっている。
講師助手は結果表を配り終えると、黒板に自動書記の魔法術で今回の考査の平均点と最高点、赤点となるライン点を書き付ける。
「座学最高点は満点である450点。実技最高点は220点です。今回赤点を取ったものは来週の冥の日の放課後に補講と追試があるので忘れずに残るように」
赤点取得者たちの悲鳴を聞き流しながら、俺は自分の手元を見る。
座学総計450/450実技評価220/225学年順位1/352
まじまじ見る必要はないのでさっさと各レジュメを整理している厚手のケースファイルにしまい込む。
「学年首席はこのクラスの生徒ですが、座学の赤点が一番多かったのもこのクラスです。一度の定期考査で実力を出し切れるものは少ないのも事実。平均点を下回った者たちは次回の期末考査で全てを出し切れるよう、今から研鑽するよう心掛けてください」
講師助手は、所々から上がる「首席って誰」というあけすけな問いを完全に無視して「では以降は自習時間とします」と、自動書記で自習と大きく書き足すとさっさと教室を出て行ってしまった。課題くらい出していけばいいのに。課題すらない自習時間なんてものは、もはや自由時間と変わらない。いっそ抜け出して昼飯を食ってしまおうかと考えるが、昼休みにならないとカフェテリアは開かないと聞いた気がする。残念ながらもうしばしの辛抱だ。腹減った。
空腹を紛らす為に、不精不精午後一の国史講義の教科書を取り出して予習を始める。
「フローレスさまは考査結果いかがでしたか?」
俺の右隣の席に座した公爵令嬢に、色男だと時々囁かれている伯爵子息が話しかけた。前回の講義は西南大陸戦争の終戦までだったか、教科書と合わせて魔導式のノートを繰りながら、聞くともなしに真横の会話が耳を通過する。
「ええ…と、恥ずかしながら準備不足で…」
「考査前体調不良で長く伏せっていらっしゃいましたね。実力を発揮できずにさぞ悔しかったでしょう」
「そう、ですね」
「令嬢は魔法術の資質が高くていらっしゃるから、実技考査は問題ないでしょうが、座学は休まれると進捗がわからなくて困りますよね」
「あ…はい」
「宜しければ考査内容の確認と合わせて講義の復習を僕と一緒に致しませんか。本日放課後サロンで。いかがですか?」
「いえ、その、お気持ちのみで十分ですので…」
「ああ。最初から勉強では味気ないですね。まずはお茶でもご一緒しませんか。商業区に新しくできたケーキショップが人気だそうですよ。フローレスさまは甘いものはお好きですか?」
さすが齢15にして色男の浮名を流すだけはある。しつこい。このしつこさが400年前の大陸南部の小国にあったなら、ワンチャン西部の大国との政治交渉の決裂は避けられて西南大陸戦争は早期集結できたかもしれないーーーいや、なんだその荒唐無稽な妄想は。色男のせいで教科書の内容が入ってこないじゃないか。第一、そんな内気を絵に描いたような令嬢を押しの強さだけでどうにかしようとするな。そんなもの真の色男ではない。
「フローレス公爵令嬢」
「え、はい!」
急に俺に名を呼ばれてフローレス公爵令嬢の肩がびくりと跳ねた。怯えなくていい。俺にはあなたへの下心など微塵もない。できるだけその意を込めてなるべく静かな所作で、自前のノートを彼女の机の上に差し出す。
「“お貸しするとお約束していた”ノートです。ひとまず一冊お貸し致しますので、必要であればまた声をかけてください」
一瞬きょとんとした令嬢ではあるが、俺がちらりと通称色男を見たことで俺の意図を察してくれたらしい。慌てた風に「ありがとうございます」と頭を下げた。公爵家の人間にも関わらず何とも腰の低い人だ。
「あの、ベルナルドさま。勉強会へのお誘いはありがたいことではございますが、座学の進捗はデーンさまよりご教示頂きますのでお気遣いは不要でございます」
無表情で突き放せばいいものを、絵物語の儚げなお姫さまのような気弱き令嬢は行儀良く微笑む。自身に好意を抱く相手に、そんな優しげに笑みかけてしまったら煽っているのと同義だろうに。
「ノートでしたら僕のものをお貸ししますよ。それに一人でお勉強されるにも限界があるのではないでしょうか」
そら見たことか、と内心ほぞを噛む。煽った自覚のない呑気な令嬢は、おどおどと小作りな口を開閉させているが何もまともな反応はできていない。
そりゃあ粘るよなあ。少しばかりベルナルド伯爵子息に同情の余地を見出してしまったが、やり方を間違えてしまっている以上、ここは引いて頂こうと俺はやや声を張った。
「心配しなくてもフローレス公爵家が俺ら学生なんて目じゃない家庭教師を雇うでしょう。例えどんなに優秀だったと仮定しても一生徒であるベルナルド伯爵子息が、二人っきりの個人指導をする必要なんてないんじゃないですか?」
俺が「ですよね?」とフローレス公爵令嬢に同意を求めると、一瞬きょとんとされてしまったがすぐに焦ったようにこくこく頷いた。あんたの為にやってるんだからちゃんと話についてきてくれ。
「それに」
わざと一息置く。
「俺より成績の低い人間のノートなんて参考にならないんじゃないですか?」
無神経に見えるようあえて顔も見ずに言い放てば「貴様!」と怒気の孕んだ声が上がる。それでいい。そんな声色は女性を口説けるような温度ではないし、そんな単純なことは伯爵子息本人が一番よくわかっているだろう。すぐに自分の失態を恥じて「失礼した」と紳士的に謝罪した。
「ベルナルド伯爵子息」
「…なんだ」
本当に恥じているらしくかなりバツの悪そうな顔をした伯爵子息だったが、俺の呼びかけを無視するでもなく律儀にこちらに向き直った。
「商業区の新しいケーキショップより、市場に昔からあるシルディばあちゃんのパン屋のバターケーキの方がおいしいんです。バタークリームがお嫌いでなければ今度ベルナルド伯爵子息とフローレス公爵令嬢の分も買ってきますね」
うま過ぎて思い出すだけでニヤけてしまう。
急に敵意を取り下げた俺に伯爵子息は驚いた後、とフッと気の抜けたように破顔した。
「君は強敵だな」
毒気のない笑顔は確かに色男だな、と思った。
腹から声を出す気のない講師助手の声は、教室内の生徒が少しざわめくだけでもほぼ聞き取れなくなる。平素誰よりも厳しい担任講師が急遽不在となったこの講義枠内で、浮わついた生徒たちの私語を止める抑止力はどこにもない。
第一学年である俺たちにとっては、前週の水の日から天の日にかけての3日間で行われた定期考査が入学後初の実力評価の場だった。その結果に一喜一憂する声で教室内は溢れかえっている。
講師助手は結果表を配り終えると、黒板に自動書記の魔法術で今回の考査の平均点と最高点、赤点となるライン点を書き付ける。
「座学最高点は満点である450点。実技最高点は220点です。今回赤点を取ったものは来週の冥の日の放課後に補講と追試があるので忘れずに残るように」
赤点取得者たちの悲鳴を聞き流しながら、俺は自分の手元を見る。
座学総計450/450実技評価220/225学年順位1/352
まじまじ見る必要はないのでさっさと各レジュメを整理している厚手のケースファイルにしまい込む。
「学年首席はこのクラスの生徒ですが、座学の赤点が一番多かったのもこのクラスです。一度の定期考査で実力を出し切れるものは少ないのも事実。平均点を下回った者たちは次回の期末考査で全てを出し切れるよう、今から研鑽するよう心掛けてください」
講師助手は、所々から上がる「首席って誰」というあけすけな問いを完全に無視して「では以降は自習時間とします」と、自動書記で自習と大きく書き足すとさっさと教室を出て行ってしまった。課題くらい出していけばいいのに。課題すらない自習時間なんてものは、もはや自由時間と変わらない。いっそ抜け出して昼飯を食ってしまおうかと考えるが、昼休みにならないとカフェテリアは開かないと聞いた気がする。残念ながらもうしばしの辛抱だ。腹減った。
空腹を紛らす為に、不精不精午後一の国史講義の教科書を取り出して予習を始める。
「フローレスさまは考査結果いかがでしたか?」
俺の右隣の席に座した公爵令嬢に、色男だと時々囁かれている伯爵子息が話しかけた。前回の講義は西南大陸戦争の終戦までだったか、教科書と合わせて魔導式のノートを繰りながら、聞くともなしに真横の会話が耳を通過する。
「ええ…と、恥ずかしながら準備不足で…」
「考査前体調不良で長く伏せっていらっしゃいましたね。実力を発揮できずにさぞ悔しかったでしょう」
「そう、ですね」
「令嬢は魔法術の資質が高くていらっしゃるから、実技考査は問題ないでしょうが、座学は休まれると進捗がわからなくて困りますよね」
「あ…はい」
「宜しければ考査内容の確認と合わせて講義の復習を僕と一緒に致しませんか。本日放課後サロンで。いかがですか?」
「いえ、その、お気持ちのみで十分ですので…」
「ああ。最初から勉強では味気ないですね。まずはお茶でもご一緒しませんか。商業区に新しくできたケーキショップが人気だそうですよ。フローレスさまは甘いものはお好きですか?」
さすが齢15にして色男の浮名を流すだけはある。しつこい。このしつこさが400年前の大陸南部の小国にあったなら、ワンチャン西部の大国との政治交渉の決裂は避けられて西南大陸戦争は早期集結できたかもしれないーーーいや、なんだその荒唐無稽な妄想は。色男のせいで教科書の内容が入ってこないじゃないか。第一、そんな内気を絵に描いたような令嬢を押しの強さだけでどうにかしようとするな。そんなもの真の色男ではない。
「フローレス公爵令嬢」
「え、はい!」
急に俺に名を呼ばれてフローレス公爵令嬢の肩がびくりと跳ねた。怯えなくていい。俺にはあなたへの下心など微塵もない。できるだけその意を込めてなるべく静かな所作で、自前のノートを彼女の机の上に差し出す。
「“お貸しするとお約束していた”ノートです。ひとまず一冊お貸し致しますので、必要であればまた声をかけてください」
一瞬きょとんとした令嬢ではあるが、俺がちらりと通称色男を見たことで俺の意図を察してくれたらしい。慌てた風に「ありがとうございます」と頭を下げた。公爵家の人間にも関わらず何とも腰の低い人だ。
「あの、ベルナルドさま。勉強会へのお誘いはありがたいことではございますが、座学の進捗はデーンさまよりご教示頂きますのでお気遣いは不要でございます」
無表情で突き放せばいいものを、絵物語の儚げなお姫さまのような気弱き令嬢は行儀良く微笑む。自身に好意を抱く相手に、そんな優しげに笑みかけてしまったら煽っているのと同義だろうに。
「ノートでしたら僕のものをお貸ししますよ。それに一人でお勉強されるにも限界があるのではないでしょうか」
そら見たことか、と内心ほぞを噛む。煽った自覚のない呑気な令嬢は、おどおどと小作りな口を開閉させているが何もまともな反応はできていない。
そりゃあ粘るよなあ。少しばかりベルナルド伯爵子息に同情の余地を見出してしまったが、やり方を間違えてしまっている以上、ここは引いて頂こうと俺はやや声を張った。
「心配しなくてもフローレス公爵家が俺ら学生なんて目じゃない家庭教師を雇うでしょう。例えどんなに優秀だったと仮定しても一生徒であるベルナルド伯爵子息が、二人っきりの個人指導をする必要なんてないんじゃないですか?」
俺が「ですよね?」とフローレス公爵令嬢に同意を求めると、一瞬きょとんとされてしまったがすぐに焦ったようにこくこく頷いた。あんたの為にやってるんだからちゃんと話についてきてくれ。
「それに」
わざと一息置く。
「俺より成績の低い人間のノートなんて参考にならないんじゃないですか?」
無神経に見えるようあえて顔も見ずに言い放てば「貴様!」と怒気の孕んだ声が上がる。それでいい。そんな声色は女性を口説けるような温度ではないし、そんな単純なことは伯爵子息本人が一番よくわかっているだろう。すぐに自分の失態を恥じて「失礼した」と紳士的に謝罪した。
「ベルナルド伯爵子息」
「…なんだ」
本当に恥じているらしくかなりバツの悪そうな顔をした伯爵子息だったが、俺の呼びかけを無視するでもなく律儀にこちらに向き直った。
「商業区の新しいケーキショップより、市場に昔からあるシルディばあちゃんのパン屋のバターケーキの方がおいしいんです。バタークリームがお嫌いでなければ今度ベルナルド伯爵子息とフローレス公爵令嬢の分も買ってきますね」
うま過ぎて思い出すだけでニヤけてしまう。
急に敵意を取り下げた俺に伯爵子息は驚いた後、とフッと気の抜けたように破顔した。
「君は強敵だな」
毒気のない笑顔は確かに色男だな、と思った。
143
あなたにおすすめの小説
世界を救ったあと、勇者は盗賊に逃げられました
芦田オグリ
BL
「ずっと、ずっと好きだった」
魔王討伐の祝宴の夜。
英雄の一人である《盗賊》ヒューは、一人静かに酒を飲んでいた。そこに現れた《勇者》アレックスに秘めた想いを告げられ、抱き締められてしまう。
酔いと熱に流され、彼と一夜を共にしてしまうが、盗賊の自分は勇者に相応しくないと、ヒューはその腕からそっと抜け出し、逃亡を決意した。
その体は魔族の地で浴び続けた《魔瘴》により、静かに蝕まれていた。
一方アレックスは、世界を救った栄誉を捨て、たった一人の大切な人を追い始める。
これは十年の想いを秘めた勇者パーティーの《勇者》と、病を抱えた《盗賊》の、世界を救ったあとの話。
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
魔力ゼロの無能オメガのはずが嫁ぎ先の氷狼騎士団長に執着溺愛されて逃げられません!
松原硝子
BL
これは魔法とバース性のある異世界でのおはなし――。
15歳の魔力&バース判定で、神官から「魔力のほとんどないオメガ」と言い渡されたエリス・ラムズデール。
その途端、それまで可愛がってくれた両親や兄弟から「無能」「家の恥」と罵られて使用人のように扱われ、虐げられる生活を送ることに。
そんな中、エリスが21歳を迎える年に隣国の軍事大国ベリンガム帝国のヴァンダービルト公爵家の令息とアイルズベリー王国のラムズデール家の婚姻の話が持ち上がる。
だがヴァンダービルト公爵家の令息レヴィはベリンガム帝国の軍事のトップにしてその冷酷さと恐ろしいほどの頭脳から常勝の氷の狼と恐れられる騎士団長。しかもレヴィは戦場や公的な場でも常に顔をマスクで覆っているため、「傷で顔が崩れている」「二目と見ることができないほど醜い」という恐ろしい噂の持ち主だった。
そんな恐ろしい相手に子どもを嫁がせるわけにはいかない。ラムズデール公爵夫妻は無能のオメガであるエリスを差し出すことに決める。
「自分の使い道があるなら嬉しい」と考え、婚姻を大人しく受け入れたエリスだが、ベリンガム帝国へ嫁ぐ1週間前に階段から転げ落ち、前世――23年前に大陸の大戦で命を落とした帝国の第五王子、アラン・ベリンガムとしての記憶――を取り戻す。
前世では戦いに明け暮れ、今世では虐げられて生きてきたエリスは前世の祖国で平和でのんびりした幸せな人生を手に入れることを目標にする。
だが結婚相手のレヴィには驚きの秘密があった――!?
「きみとの結婚は数年で解消する。俺には心に決めた人がいるから」
初めて顔を合わせた日にレヴィにそう言い渡されたエリスは彼の「心に決めた人」を知り、自分の正体を知られてはいけないと誓うのだが……!?
銀髪×碧眼(33歳)の超絶美形の執着騎士団長に気が強いけど鈍感なピンク髪×蜂蜜色の目(20歳)が執着されて溺愛されるお話です。
【本編完結】黒歴史の初恋から逃げられない
ゆきりんご
BL
同性の幼馴染である美也に「僕とケッコンしよう」と告げた過去を持つ志悠。しかし小学生の時に「男が男を好きになるなんておかしい」と言われ、いじめにあう。美也に迷惑をかけないように距離を置くことにした。高校は別々になるように家から離れたところを選んだが、同じ高校に進学してしまった。それでもどうにか距離を置こうとする志悠だったが、美也の所属するバレーボール部のマネージャーになってしまう。
部員とマネージャーの、すれ違いじれじれラブ。
冷淡彼氏に別れを告げたら溺愛モードに突入しました
ミヅハ
BL
1年前、困っていたところを助けてくれた人に一目惚れした陽依(ひより)は、アタックの甲斐あって恩人―斗希(とき)と付き合える事に。
だけど変わらず片思いであり、ただ〝恋人〟という肩書きがあるだけの関係を最初は受け入れていた陽依だったが、1年経っても変わらない事にそろそろ先を考えるべきかと思い悩む。
その矢先にとある光景を目撃した陽依は、このまま付き合っていくべきではないと覚悟を決めて別れとも取れるメッセージを送ったのだが、斗希が訪れ⋯。
イケメンクールな年下溺愛攻×健気な年上受
※印は性的描写あり
魔王様の執着から逃れたいっ!
クズねこ
BL
「孤独をわかってくれるのは君だけなんだ、死ぬまで一緒にいようね」
魔王様に執着されて俺の普通の生活は終わりを迎えた。いつからこの魔王城にいるかわからない。ずっと外に出させてもらってないんだよね
俺がいれば魔王様は安心して楽しく生活が送れる。俺さえ我慢すれば大丈夫なんだ‥‥‥でも、自由になりたい
魔王様に縛られず、また自由な生活がしたい。
他の人と話すだけでその人は罰を与えられ、生活も制限される。そんな生活は苦しい。心が壊れそう
だから、心が壊れてしまう前に逃げ出さなくてはいけないの
でも、最近思うんだよね。魔王様のことあんまり考えてなかったって。
あの頃は、魔王様から逃げ出すことしか考えてなかった。
ずっと、執着されて辛かったのは本当だけど、もう少し魔王様のこと考えられたんじゃないかな?
はじめは、魔王様の愛を受け入れられず苦しんでいたユキ。自由を求めてある人の家にお世話になります。
魔王様と離れて自由を手に入れたユキは魔王様のことを思い返し、もう少し魔王様の気持ちをわかってあげればよかったかな? と言う気持ちが湧いてきます。
次に魔王様に会った時、ユキは魔王様の愛を受け入れるのでしょうか?
それとも受け入れずに他の人のところへ行ってしまうのでしょうか?
三角関係が繰り広げる執着BLストーリーをぜひ、お楽しみください。
誰と一緒になって欲しい など思ってくださりましたら、感想で待ってますっ
『面白い』『好きっ』と、思われましたら、♡やお気に入り登録をしていただけると嬉しいですっ
第一章 魔王様の執着から逃れたいっ 連載中❗️
第二章 自由を求めてお世話になりますっ
第三章 魔王様に見つかりますっ
第四章 ハッピーエンドを目指しますっ
週一更新! 日曜日に更新しますっ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる