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学院の講義の無い週末、いつもより1、2時間遅く起きるのが常だ。
学生寮の個室は非常に狭く、ベッドと学習机は立派なものが元々設えられているが、その二つが部屋の大半を占めているので本棚の一つもまともに置けない。だから、ベッドサイドに書籍を積み上げてしまうのは仕方ないのだ。誰に聞かせるでもなく言い訳してしまう。
そろそろ魔石を売りに行かないと飯代がなくなるなあ、と今日の予定を頭に詰め込みながら、手洗いを済ませてその横の簡易洗面台で顔を洗い歯を磨く。
学院の学生寮はこの通り手狭で、俺のような平民ならまだしも貴族の令息令嬢が住むような設備ではない。つまりは飽くまで奨学金制度を利用している特待生を無償で住まわせる為だけの施設だ。食堂や共同浴場で一緒になる顔見知りの上級生たちも、全員例外なく平民だ。
寝間着から簡易な外着に着替え、机の引き出しに乱雑に転がっている作成済みの魔石をかき集めて布袋に詰めた。結構溜め込んでいたのでずしりと重い。ついでに机の上にとっ散らかった参考書や論評冊子の類を重ねて端に寄せる。こうしてできた山はすでに3つあるが、それ以上手をつけるには今は時期が悪い。何が何でも悪い。そういうことにしている。どうせ何がどこにあるかはわかっているのだ。それで結構じゃないか。
魔石の入った袋と財布だけを持って寮を出ると真っ直ぐに市場に向かう。一定以上の質の魔石を販売しているのは商業区の綺羅びやかな店ばかりだが、そういう店に平民が直接買い取りを願い出ても門前払いされるのだ。仕方なしに、仲介してくれる市場のこじんまりした自営店に売る。売値は安いが量で稼ぐ。その為に毎日ちまちま作りためているのだ。比較的高く売れるのは火の魔力を込めたもので、次点で水の魔石だ。季節の寒暖で波があるものの、大きく見れば需要が一定だから値崩れもしづらい。もう5、6年作り続けているので慣れた仕事だ。
今回売りに出した魔石もほぼ想定していた額面の金になった。次来るのは来月頭でいいだろう。
ひと仕事終えた気分で、次は意気揚々と市場の軽食屋台街に繰り出す。飯時にはやや早いので仕込み中の屋台もあるのが残念だが、一番のお気に入りの店で牛肉と芋の饅頭を買った。手のひらからはみ出るほどにデカくてうまくて腹持ちもいい。もー好き。ほくほくした気分で、頂きますと小言で呟き、歩きながらひと口目を運ぶ。至福の瞬間だ。
「デーンくん?」
誰だ。俺の至福を邪魔するやつは。
一瞬人違いを装って無視をしようかと思ったが、その声が誰のものか思い至ってしまったので渋々振り返った。
「奇遇ですね。……“先輩”」
そこには傭兵のような簡易な旅装に、実用性重視の使い古されていそうな直剣を佩いた、ジェラード殿下が一人で立っていた。さすがにどこか近くに護衛くらいはついているんだろうが、いかにもお忍びの様相の殿下に、一瞬迷ったが“殿下”ではなく“先輩”と、無難な敬称で呼ぶと苦笑いされた。
「君は察しが良いな。今日は内密に下町を見て回ってる。公務ではないので自然にしてほしい」
やはりこの人は厳つい見た目に反して人懐っこいようだ。挨拶だけで済ますつもりはないらしく、当然のように横に並んで歩き始めた。「気にせずに食べてくれ」と待ちに待った許可をくれたので勇んで饅頭に齧り付く。
「デーンくんはとても姿勢が良いから遠目からでも君だとすぐわかった。この辺りはよく来るのか?」
それは殿下がよく周りを見ている人間だからだろう。地味な黒髪で背の低い俺が、他の人間と比べて見つけやすいなんてことは決してない。
「世話になっている孤児院に近いのでよく見知った場所です。たいていのものはこの市場で買えますしね」
出自について特別隠しているわけではないので、特に躊躇うことなくと孤児院について触れる。殿下は特別驚いたりはしなかった。
「君はこの下町の出身なのだな」
「あ、いえ。元々は隣国の生まれで国境沿いのオーランドトードの孤児院にいたんですけど、魔法術の特性が高いとわかって、八つの時に学院への入学がしやすいようにこちらの下町の孤児院に移ってきました」
「そうか。王都付近の孤児院はいくつか視察に同行したことがあるが、国境付近までは足を運んだことが無い。オーランドトードはこちらと比べて大きな不便はあるか?」
まだ立太子されていない学生の身で、すでに視察に複数回参加していることに内心驚く。責務に本人の意志が乗っているのだろう。どこまでも実直でひたむきなのだと察せられて、自然と頬が緩む。この人が王になる世はきっと素晴らしいだろう。
「俺がいた頃のオーランドトードの孤児院は俺たち戦争孤児を多く受け入れたせいで環境はだいぶ厳しかったですね。今思えば建屋の老朽化も顕著でしたし、住民からの寄付も少ないので食料も全く足りなくて、衰弱死する子供がとんでもなく多かったです」
過酷な環境で生きられる子供は少ない。二年程で半数以下に減った。
「せめて、農地の開拓でもされていれば少しは食うに困ることは減ったかもしれませんが、国も人もそれどころではなかったですし、今思い返しても何かを悔やむも恨むもそんな余地すらないくらいです」
本当にどうしようもなかった。それは当時も今も同じ気持ちで、その責任を当時の大人たちにとってもらいたいとも思わない。第一、恨み辛みなど抱え込んでも自分が苦しむだけだ。今目の前にある形ある幸せの方が大事である。饅頭の残りを大口に詰め込んだ。
「手の打ちようのない状況を作らないよう、事前に対処するのが政だ。他国からの移民が流れてくる可能性を鑑みることができなかったのは王族の瑕疵だろう。懸案事項だ」
正直、同情でもされてしまうか、と話した後になってから思ったが、殿下の表情と声色には同情ではなく怒りがあった。
「今の流れって怒るとこでしたか?」
予想外過ぎて少し笑いそうになる。いや、もう口元は笑いに緩んでしまっている。
「一歩間違えば君を失うことにもなったかもしれない」
我慢できずに笑いでフハ、と息が漏れた。
「ええ、俺はすごく運がいいんです。あ、ちょっとここで買い物するんで待ってください」
馴染みの青果店の軒先へ足を向けつつ殿下を雑に留め置く。何とも不敬だが、懐のでかい殿下は特に気にした素振りもない。
「おじさん、玉ねぎと人参と芋どれくらいあるかな?二箱ずつもらうってできる?」
「おう、ルシアンさんとこの坊主じゃねえか。いいぞ。カミさんが戻ったら店空けられるから、後でいつも通り孤児院に持ってってやるよ。それでいいんだろ?」
「うん。いつもありがとう。いくら?」
「あー…と、計算がめんどくせえや、贔屓にしてくれてるからちょっと負けてやる。銀貨2枚と大銅貨10枚だな」
「はい。じゃあよろしくね。また来月頭あたりに来るよ」
「ちょうどだな。まいどまいど」
財布を皮袋の中に突っ込み殿下のもとに戻る。「お待たせしました」と目礼すると、なぜか嬉しそうに微笑まれた。何かあったかと聞く前に、殿下に促されてまた先程と同じように並んで歩き出す。
「これから孤児院に顔を出すのか?」
「いえ。もう俺は孤児院を出た身なのであまり立ち寄らないようにしてます。どうせ体良くこき使われるだけですし」
「そうか」
声遣いはいつも通りだが、先程から殿下の口の端がずっと上がっている。
「先輩、楽しそうですね」
「ああ、そうだな。君と一緒にいると楽しい」
「俺もしかして、先輩から見ると何か変ですか。笑ってもいいですけど、変なところは教えてください」
もしや王族と平民では笑えるほど違うマナーでもあるのだろうか。
「変なことなどない。君の為人が見えることが楽しい」
「先輩と比べたら俺はだいぶ普通の人間だと思いますけど、どこらへんが面白いんですか」
やおら足を止めた殿下に合わせて、一歩分遅れて俺もその場に止まる。殿下の瞳が真っ直ぐ射抜いてくる。
「人一倍努力も苦労もしているのにとても気安い。芯が強くて豪胆で、物事を前向きに捉えているところも好きだ」
凛々しいヘーゼルグリーンの瞳がとろりと優しく笑み、「その黒髪も、目の濃灰色も、姿勢がいいところも、幸せそうにものを食べるところも全て好ましい」と追い打ちをかけてくる。
そんな甘い目でそんな事を言われたら、さすがに察してしまうじゃないか。
「そ、れは、告白、ではないでしょうか」
自分で言っておきながら羞恥が襲ってきて全身から熱と汗が噴き出す。なのに、なぜか何も答えずにこりと微笑まれてしまい、肯定なのか誂われているのかわからなくなる。
初恋すら知らない素人の俺はどう返したらいいのかわからず、ただ間抜けにぐう、と喉で唸ってしまった。
学生寮の個室は非常に狭く、ベッドと学習机は立派なものが元々設えられているが、その二つが部屋の大半を占めているので本棚の一つもまともに置けない。だから、ベッドサイドに書籍を積み上げてしまうのは仕方ないのだ。誰に聞かせるでもなく言い訳してしまう。
そろそろ魔石を売りに行かないと飯代がなくなるなあ、と今日の予定を頭に詰め込みながら、手洗いを済ませてその横の簡易洗面台で顔を洗い歯を磨く。
学院の学生寮はこの通り手狭で、俺のような平民ならまだしも貴族の令息令嬢が住むような設備ではない。つまりは飽くまで奨学金制度を利用している特待生を無償で住まわせる為だけの施設だ。食堂や共同浴場で一緒になる顔見知りの上級生たちも、全員例外なく平民だ。
寝間着から簡易な外着に着替え、机の引き出しに乱雑に転がっている作成済みの魔石をかき集めて布袋に詰めた。結構溜め込んでいたのでずしりと重い。ついでに机の上にとっ散らかった参考書や論評冊子の類を重ねて端に寄せる。こうしてできた山はすでに3つあるが、それ以上手をつけるには今は時期が悪い。何が何でも悪い。そういうことにしている。どうせ何がどこにあるかはわかっているのだ。それで結構じゃないか。
魔石の入った袋と財布だけを持って寮を出ると真っ直ぐに市場に向かう。一定以上の質の魔石を販売しているのは商業区の綺羅びやかな店ばかりだが、そういう店に平民が直接買い取りを願い出ても門前払いされるのだ。仕方なしに、仲介してくれる市場のこじんまりした自営店に売る。売値は安いが量で稼ぐ。その為に毎日ちまちま作りためているのだ。比較的高く売れるのは火の魔力を込めたもので、次点で水の魔石だ。季節の寒暖で波があるものの、大きく見れば需要が一定だから値崩れもしづらい。もう5、6年作り続けているので慣れた仕事だ。
今回売りに出した魔石もほぼ想定していた額面の金になった。次来るのは来月頭でいいだろう。
ひと仕事終えた気分で、次は意気揚々と市場の軽食屋台街に繰り出す。飯時にはやや早いので仕込み中の屋台もあるのが残念だが、一番のお気に入りの店で牛肉と芋の饅頭を買った。手のひらからはみ出るほどにデカくてうまくて腹持ちもいい。もー好き。ほくほくした気分で、頂きますと小言で呟き、歩きながらひと口目を運ぶ。至福の瞬間だ。
「デーンくん?」
誰だ。俺の至福を邪魔するやつは。
一瞬人違いを装って無視をしようかと思ったが、その声が誰のものか思い至ってしまったので渋々振り返った。
「奇遇ですね。……“先輩”」
そこには傭兵のような簡易な旅装に、実用性重視の使い古されていそうな直剣を佩いた、ジェラード殿下が一人で立っていた。さすがにどこか近くに護衛くらいはついているんだろうが、いかにもお忍びの様相の殿下に、一瞬迷ったが“殿下”ではなく“先輩”と、無難な敬称で呼ぶと苦笑いされた。
「君は察しが良いな。今日は内密に下町を見て回ってる。公務ではないので自然にしてほしい」
やはりこの人は厳つい見た目に反して人懐っこいようだ。挨拶だけで済ますつもりはないらしく、当然のように横に並んで歩き始めた。「気にせずに食べてくれ」と待ちに待った許可をくれたので勇んで饅頭に齧り付く。
「デーンくんはとても姿勢が良いから遠目からでも君だとすぐわかった。この辺りはよく来るのか?」
それは殿下がよく周りを見ている人間だからだろう。地味な黒髪で背の低い俺が、他の人間と比べて見つけやすいなんてことは決してない。
「世話になっている孤児院に近いのでよく見知った場所です。たいていのものはこの市場で買えますしね」
出自について特別隠しているわけではないので、特に躊躇うことなくと孤児院について触れる。殿下は特別驚いたりはしなかった。
「君はこの下町の出身なのだな」
「あ、いえ。元々は隣国の生まれで国境沿いのオーランドトードの孤児院にいたんですけど、魔法術の特性が高いとわかって、八つの時に学院への入学がしやすいようにこちらの下町の孤児院に移ってきました」
「そうか。王都付近の孤児院はいくつか視察に同行したことがあるが、国境付近までは足を運んだことが無い。オーランドトードはこちらと比べて大きな不便はあるか?」
まだ立太子されていない学生の身で、すでに視察に複数回参加していることに内心驚く。責務に本人の意志が乗っているのだろう。どこまでも実直でひたむきなのだと察せられて、自然と頬が緩む。この人が王になる世はきっと素晴らしいだろう。
「俺がいた頃のオーランドトードの孤児院は俺たち戦争孤児を多く受け入れたせいで環境はだいぶ厳しかったですね。今思えば建屋の老朽化も顕著でしたし、住民からの寄付も少ないので食料も全く足りなくて、衰弱死する子供がとんでもなく多かったです」
過酷な環境で生きられる子供は少ない。二年程で半数以下に減った。
「せめて、農地の開拓でもされていれば少しは食うに困ることは減ったかもしれませんが、国も人もそれどころではなかったですし、今思い返しても何かを悔やむも恨むもそんな余地すらないくらいです」
本当にどうしようもなかった。それは当時も今も同じ気持ちで、その責任を当時の大人たちにとってもらいたいとも思わない。第一、恨み辛みなど抱え込んでも自分が苦しむだけだ。今目の前にある形ある幸せの方が大事である。饅頭の残りを大口に詰め込んだ。
「手の打ちようのない状況を作らないよう、事前に対処するのが政だ。他国からの移民が流れてくる可能性を鑑みることができなかったのは王族の瑕疵だろう。懸案事項だ」
正直、同情でもされてしまうか、と話した後になってから思ったが、殿下の表情と声色には同情ではなく怒りがあった。
「今の流れって怒るとこでしたか?」
予想外過ぎて少し笑いそうになる。いや、もう口元は笑いに緩んでしまっている。
「一歩間違えば君を失うことにもなったかもしれない」
我慢できずに笑いでフハ、と息が漏れた。
「ええ、俺はすごく運がいいんです。あ、ちょっとここで買い物するんで待ってください」
馴染みの青果店の軒先へ足を向けつつ殿下を雑に留め置く。何とも不敬だが、懐のでかい殿下は特に気にした素振りもない。
「おじさん、玉ねぎと人参と芋どれくらいあるかな?二箱ずつもらうってできる?」
「おう、ルシアンさんとこの坊主じゃねえか。いいぞ。カミさんが戻ったら店空けられるから、後でいつも通り孤児院に持ってってやるよ。それでいいんだろ?」
「うん。いつもありがとう。いくら?」
「あー…と、計算がめんどくせえや、贔屓にしてくれてるからちょっと負けてやる。銀貨2枚と大銅貨10枚だな」
「はい。じゃあよろしくね。また来月頭あたりに来るよ」
「ちょうどだな。まいどまいど」
財布を皮袋の中に突っ込み殿下のもとに戻る。「お待たせしました」と目礼すると、なぜか嬉しそうに微笑まれた。何かあったかと聞く前に、殿下に促されてまた先程と同じように並んで歩き出す。
「これから孤児院に顔を出すのか?」
「いえ。もう俺は孤児院を出た身なのであまり立ち寄らないようにしてます。どうせ体良くこき使われるだけですし」
「そうか」
声遣いはいつも通りだが、先程から殿下の口の端がずっと上がっている。
「先輩、楽しそうですね」
「ああ、そうだな。君と一緒にいると楽しい」
「俺もしかして、先輩から見ると何か変ですか。笑ってもいいですけど、変なところは教えてください」
もしや王族と平民では笑えるほど違うマナーでもあるのだろうか。
「変なことなどない。君の為人が見えることが楽しい」
「先輩と比べたら俺はだいぶ普通の人間だと思いますけど、どこらへんが面白いんですか」
やおら足を止めた殿下に合わせて、一歩分遅れて俺もその場に止まる。殿下の瞳が真っ直ぐ射抜いてくる。
「人一倍努力も苦労もしているのにとても気安い。芯が強くて豪胆で、物事を前向きに捉えているところも好きだ」
凛々しいヘーゼルグリーンの瞳がとろりと優しく笑み、「その黒髪も、目の濃灰色も、姿勢がいいところも、幸せそうにものを食べるところも全て好ましい」と追い打ちをかけてくる。
そんな甘い目でそんな事を言われたら、さすがに察してしまうじゃないか。
「そ、れは、告白、ではないでしょうか」
自分で言っておきながら羞恥が襲ってきて全身から熱と汗が噴き出す。なのに、なぜか何も答えずにこりと微笑まれてしまい、肯定なのか誂われているのかわからなくなる。
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目を細めて俺を見て、涙を耐えるように不器用に笑った。
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『愛してる、ジル』
前の世界の隊長の声を思い出す。
この世界の貴方は俺にそんなことを言わない。
だけど俺は、前の世界にいた時の貴方の優しさが忘れられない。
俺のことを憎んで、俺に冷たく当たっても俺は貴方を信じたい。
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