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オルフェオ様にアニスを無学と馬鹿にされ、母の顔つきが変わった。
「お、オルフェオ様っ。お言葉ですがアニスも成績は良いのですよ。エミリアに憧れ、マナーだって──」
「ブロウズ伯爵夫人。私の父、コールマン公爵は、エミリアの事を気に入っているのです。ですから、こちらに何の得もないブロウズ伯爵家の娘ですが婚約を結んだのです。エミリアがいないと、アニスとの婚約は認めて貰えないのですよ。──すまないな、アニス。私の力が及ばず、君一人では父が納得しないのだよ」
アニスは笑顔でそれを聞き入れ、オルフェオ様の言葉を肯定するように頷いた。
「オルフェオ様の仰る通りですわ。エミリアお姉様はこのブロウズ伯爵家で教養を積み、素晴らしい女性に成長致しました。後二年すれば、私もエミリアお姉様と同じ歳になります。その頃には、私も今より教養を積み、姉に劣らぬ淑女になっているでしょう。それでは……駄目ですか?」
「ん?」
「ですから、二年お待ちいただけませんか?」
アニスの切り返しに、オルフェオ様は暫く硬直し、しどろもどろしながら言葉を返した。
「……いや。ま、待て待て。二年だと? だ、駄目だ。父はエミリアを気に入っていて──」
「ですから、私がお姉様より気に入られてみせます。お時間をください。──でも、それを駄目だと仰るのでしたら。エミリアお姉様を気に入っていらっしゃるのが、オルフェオ様だからではありませんか?」
「違う。エミリアのような笑わない女など嫌いだ!」
その言葉を聞くと、アニスはフッと息を漏らし上品に微笑んだ。
「それ、オルフェオ様の前では笑わない。の間違いですわ。お姉様は良く笑いますもの」
「ち、違う。アニス、どうしたのだ。君はいつも私の味方であったではないか」
「はい。私はオルフェオ様の事が大好きです。だから、私の事を……私だけを、見て欲しいのですっ」
そう言ってポロポロと涙を流すアニスに、オルフェオ様は戸惑い、扉の前で立ち尽くしていた私へと視線を伸ばした。
「え、エミリアっ。お前のせいでアニスが泣いているではないか。両親を説得してお前が侍女になれば全て上手く……」
オルフェオ様は私の胸元のネックレスを見て言葉を詰まらせ、急に立ち上がると、ライナーの制止を振りほどき私の肩を強く掴んだ。
「また、あの宮廷魔導師か!? こんな物っ」
「や、止めてくださいっ」
オルフェオ様が魔力結晶に手を掛け引き千切ろうとした時──バチンっと音がしてオルフェオ様の手は跳ね返され、反動で床に尻餅を付いてしまった。
「え、エミリアっ。な、何をしたのだっ!?」
「も、申し訳ございません。このネックレスは外せないのです。貴重な結晶が使われていて……」
「悪用されると危険な為、防犯対策がされております。エミリア様は何もしておりません」
私とオルフェオ様の間に入り、ライナーは土下座して非礼を詫びた。しかしその言葉にオルフェオ様は顔を真っ赤に染め上げていった。
「ななな何だとっ!? 俺が泥棒だとでも言うつもりかっ!」
「──はい。そのように魔力結晶は判断いたしました。コールマン公爵子息様」
私の背後から声を発したのは、リオン様だった。
「お、オルフェオ様っ。お言葉ですがアニスも成績は良いのですよ。エミリアに憧れ、マナーだって──」
「ブロウズ伯爵夫人。私の父、コールマン公爵は、エミリアの事を気に入っているのです。ですから、こちらに何の得もないブロウズ伯爵家の娘ですが婚約を結んだのです。エミリアがいないと、アニスとの婚約は認めて貰えないのですよ。──すまないな、アニス。私の力が及ばず、君一人では父が納得しないのだよ」
アニスは笑顔でそれを聞き入れ、オルフェオ様の言葉を肯定するように頷いた。
「オルフェオ様の仰る通りですわ。エミリアお姉様はこのブロウズ伯爵家で教養を積み、素晴らしい女性に成長致しました。後二年すれば、私もエミリアお姉様と同じ歳になります。その頃には、私も今より教養を積み、姉に劣らぬ淑女になっているでしょう。それでは……駄目ですか?」
「ん?」
「ですから、二年お待ちいただけませんか?」
アニスの切り返しに、オルフェオ様は暫く硬直し、しどろもどろしながら言葉を返した。
「……いや。ま、待て待て。二年だと? だ、駄目だ。父はエミリアを気に入っていて──」
「ですから、私がお姉様より気に入られてみせます。お時間をください。──でも、それを駄目だと仰るのでしたら。エミリアお姉様を気に入っていらっしゃるのが、オルフェオ様だからではありませんか?」
「違う。エミリアのような笑わない女など嫌いだ!」
その言葉を聞くと、アニスはフッと息を漏らし上品に微笑んだ。
「それ、オルフェオ様の前では笑わない。の間違いですわ。お姉様は良く笑いますもの」
「ち、違う。アニス、どうしたのだ。君はいつも私の味方であったではないか」
「はい。私はオルフェオ様の事が大好きです。だから、私の事を……私だけを、見て欲しいのですっ」
そう言ってポロポロと涙を流すアニスに、オルフェオ様は戸惑い、扉の前で立ち尽くしていた私へと視線を伸ばした。
「え、エミリアっ。お前のせいでアニスが泣いているではないか。両親を説得してお前が侍女になれば全て上手く……」
オルフェオ様は私の胸元のネックレスを見て言葉を詰まらせ、急に立ち上がると、ライナーの制止を振りほどき私の肩を強く掴んだ。
「また、あの宮廷魔導師か!? こんな物っ」
「や、止めてくださいっ」
オルフェオ様が魔力結晶に手を掛け引き千切ろうとした時──バチンっと音がしてオルフェオ様の手は跳ね返され、反動で床に尻餅を付いてしまった。
「え、エミリアっ。な、何をしたのだっ!?」
「も、申し訳ございません。このネックレスは外せないのです。貴重な結晶が使われていて……」
「悪用されると危険な為、防犯対策がされております。エミリア様は何もしておりません」
私とオルフェオ様の間に入り、ライナーは土下座して非礼を詫びた。しかしその言葉にオルフェオ様は顔を真っ赤に染め上げていった。
「ななな何だとっ!? 俺が泥棒だとでも言うつもりかっ!」
「──はい。そのように魔力結晶は判断いたしました。コールマン公爵子息様」
私の背後から声を発したのは、リオン様だった。
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