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「はじめまして、ごめんなさいうちの息子仕事で少し遅れそうなの」
「そうなんですか」
「これが私の愚息の長男雅紀、次男の力、三男の雫、四男の澪で五男の里桜は遅れてくる六男の流架」
一方、此方では。
はぁはぁと息が上がるが、怒らせると怖い母親の顔を思い浮かべながら急ぐ。
「あっ、すみません」
「嫌、こっちこそ」
んっ、なんか声が似ている僕の推しにでもこんな場所に居るわけないか、でも気になるなぁ
心なしか背丈や横幅に雰囲気までそっくりなんだよなぁ。
何より、お気に入りの限定100本の時計がぶっかった時に見えたんだよね。
100本の限定時計はオリジナルでカラー名前を彫ってくれて、7色カラーズのブランドに恥じない限定7色カラーをセレクトしてくれる唯一無二の時計に仕上げてくれると里桜が配信していた時計にそっくりなんだよね。
「ーっあっ、ごめん」
「ーっこちらこそ」
またぶっかった今度はお互いの手が。
「あー何階」
「えっ、あっ、25階ですありがとうございます」
僕はチラッチラッと時計に釘付けだ。
思いきって声を掛けてしまいたい。
「あーなんだその、さっきから」
「あーっすみません、その時計限定7色カラーズの」
僕がもたもたしていたら声を掛けてくれた、それも僕がチラッチラッと見ていたからなんだけれど。
「おーっ、7色カラーズのブランドを知ってるのか」
「はい、7色カラーズは100周年の特別感謝祭で100本の限定時計を販売したんですよね」
「そうそう、100しかないから前の日から並んで買ったんだ」
キラキラとサングラスをしていているにも関わらず輝いている目は、やっぱり里桜に似ている。
里桜はイベントの時に毎回毎回キラキラした目が遠く離れていても分かりやすく輝いている事はファンなら当然知っている。
「里桜」
「へっ、あーお前いつも一番か先頭に近い場所にいるメガネくん」
「ーっ覚えてくれたんですね」
僕は大興奮だ、はしゃいでしまう。
「お前俺が売れていない時から、ファンレターくれてるメガネくんだよな」
「ーっはい」
里桜はBLCDの生徒役が最初の声優デビューで、僕はたまたま主役二人のファンで買ったのがきっかけだ。
僕は直ぐにファンレターを送った。
まだ無名も無名で生徒Aの役でどの生徒なのか分からなかったから何度も問い合わせをして漸く教えてくれた名前が里桜だった。
それから、ファンレターやバレンタインデー、クリスマス、キャラクターの誕生日、里桜の誕生日、イベントやライブが決まればお祝いをずっとしてきた。
「いつもありがとうな、新人の時に頑張れたのはメガネくんのおかげだよ」
ほわほわする、僕の推しが尊い。
鼻血を出して倒れ込む僕に愛しき推しの腕が映る。
「本当にごめんなさいね、ウチの馬鹿息子が」
「いいえまさか、彼が弟に成るなんて夢の様です」
「そうなんですか」
「これが私の愚息の長男雅紀、次男の力、三男の雫、四男の澪で五男の里桜は遅れてくる六男の流架」
一方、此方では。
はぁはぁと息が上がるが、怒らせると怖い母親の顔を思い浮かべながら急ぐ。
「あっ、すみません」
「嫌、こっちこそ」
んっ、なんか声が似ている僕の推しにでもこんな場所に居るわけないか、でも気になるなぁ
心なしか背丈や横幅に雰囲気までそっくりなんだよなぁ。
何より、お気に入りの限定100本の時計がぶっかった時に見えたんだよね。
100本の限定時計はオリジナルでカラー名前を彫ってくれて、7色カラーズのブランドに恥じない限定7色カラーをセレクトしてくれる唯一無二の時計に仕上げてくれると里桜が配信していた時計にそっくりなんだよね。
「ーっあっ、ごめん」
「ーっこちらこそ」
またぶっかった今度はお互いの手が。
「あー何階」
「えっ、あっ、25階ですありがとうございます」
僕はチラッチラッと時計に釘付けだ。
思いきって声を掛けてしまいたい。
「あーなんだその、さっきから」
「あーっすみません、その時計限定7色カラーズの」
僕がもたもたしていたら声を掛けてくれた、それも僕がチラッチラッと見ていたからなんだけれど。
「おーっ、7色カラーズのブランドを知ってるのか」
「はい、7色カラーズは100周年の特別感謝祭で100本の限定時計を販売したんですよね」
「そうそう、100しかないから前の日から並んで買ったんだ」
キラキラとサングラスをしていているにも関わらず輝いている目は、やっぱり里桜に似ている。
里桜はイベントの時に毎回毎回キラキラした目が遠く離れていても分かりやすく輝いている事はファンなら当然知っている。
「里桜」
「へっ、あーお前いつも一番か先頭に近い場所にいるメガネくん」
「ーっ覚えてくれたんですね」
僕は大興奮だ、はしゃいでしまう。
「お前俺が売れていない時から、ファンレターくれてるメガネくんだよな」
「ーっはい」
里桜はBLCDの生徒役が最初の声優デビューで、僕はたまたま主役二人のファンで買ったのがきっかけだ。
僕は直ぐにファンレターを送った。
まだ無名も無名で生徒Aの役でどの生徒なのか分からなかったから何度も問い合わせをして漸く教えてくれた名前が里桜だった。
それから、ファンレターやバレンタインデー、クリスマス、キャラクターの誕生日、里桜の誕生日、イベントやライブが決まればお祝いをずっとしてきた。
「いつもありがとうな、新人の時に頑張れたのはメガネくんのおかげだよ」
ほわほわする、僕の推しが尊い。
鼻血を出して倒れ込む僕に愛しき推しの腕が映る。
「本当にごめんなさいね、ウチの馬鹿息子が」
「いいえまさか、彼が弟に成るなんて夢の様です」
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