神国物語

城下町

「柚子希どうだ」
「凄いよね、人々が沢山いる」

わちゃわちゃと楽しそうな人々の声。
王候補は幼い内は神殿から出られない、安全面の為と神力のない場所に酔ってしまうからだ。

「国境はこの王都より神力が少ない」
「世界樹の本殿だからですか」
「あぁ、この国は一番安定している王候補達がこんなに産まれている国も他にはない」

王候補達がこの国にはかなりの人数がいる。
他国では数人いるかいないかの人数しかいない、世界樹が穢れていれば王候補は産まれない。

「他国で一番少ないと３００年以上産まれていない国もあると聞く」
「・・世界樹が弱っているのですか」
「世界樹が弱るのは争いが起き穢れたからだ」

世界樹は神々から与えられた神々のお慈悲により人の世界に存在する。
穢れた世界樹は新しい正当な王と神獣が居なければ穢れ続ける。

「神獣の体調は大丈夫なんですか」
「わからない、我が国の神獣は弱って居るからな」