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世界樹様

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「ネマ」
「嘘、ネマだ」

ざわざわとした神獣達にサラは吠える、ピタリツとサラの声にざわめいていた神獣が止まる。

「お久しぶりですネマ」
「あぁ、久しいなサラよ」

ネマはパタパタと首を掻く。
サラはその態度にイライラとしながらも、ネマに穏やかな顔をしながら世界樹の方に顔を向ける。

「サラ、母は」
「ええ、今は少し穏やかに成っていますよ、まだ世代交代の最後の工程には行って居ませんが、後数日には」

ネマはピタリッと世界樹の大木を抱き締める。

「母よ、安らかに眠れ我々神獣が新しき世界樹を守るゆえ」

ネマはぽろりと涙を流す、その涙を大地が吸い新しき世界樹が輝き出す。

「あっ」
「ちょっネマ兄様何をしたの」
「きゃっ、世界樹ーっ」

ぎゃぎゃと騒ぐ神獣達に神官達が何事かと様子を見に来る。
騒然とする周囲の中に新しい世界樹が古い世界樹に抱き付き古い世界樹が枯れ果てる。

「ーっ、僕のママ」

お生い茂る木々を掻き分けて、ぎゅっと小さな身体を抱き上げるとみるみるうちにアレンの身体が獣姿になる。

「僕のママ、起きてママ」

アレンはぐっすり寝ているだけだ。

「ニア、アキラ坊やががお菓子を用意している筈だ行こう」
「ネマは現実逃避って知ってる」
「決まって居ろうが」

アレンと世界樹は二人の世界に入っている為に声が掛けられないで居る。

「世界樹様、アレンはまだ産まれたばかりの赤子と同じですし、我々にも説明をして下さりませんか」
「ふーん、君達神獣・・神獣達にならいいよ」
「ありがとうございます」
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