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講師

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「あーっ」
「今頃気づいたのか」

薬草取りをする前に僕は見上げる、いいや振り向く。
決して小さい分けではないんだ、僕は平均値だ。

「Sランク冒険者周防だ、学園1位のサク」

僕は学園では一応王族として通っているが、流石に冒険者受講は教師のみに伝えられている。
冒険者講師だとしても、学園の職員ではない為に僕の正体は知らないのだろう。

「お久しぶりですなの、先生」

少し嫌味らしく言う、だって姿を誤認識する魔法が今まで掛けられていたんだから、当たり前だよね。

「久しぶりだな、最強は学園の講師ではなく討伐の方に行ったきりだったからな」
「また講師復帰ですなの」

ガシガシッと頭をかじり、首を振るう。
僕は首を傾ける、Sランク冒険者はあっちこっちと引っ張りだこのはずだが、王都といえど暇な時間なんてない筈だ。

「いいや、依頼されてな」
「依頼ですかなの」

僕は少し嫌な予感がするが無視そる。
だって僕が今日冒険者登録するとは誰も気付かれていないし、気付いたとして運良く冒険者を派遣なんて出来ないよね時間的に。

「そうそう、依頼されてなどっかの誰かさんが暴走しても止められて更に守る事が出来て信頼がある冒険者Sランクで、魔法に剣術、契約魔法に精通している人限定、それも神殿で聖なる儀式を合格しなくては成らない」
「・・・・・へー大変なのですね」

僕は冷や汗が滴る気がする、絶対に確実にその依頼人は王族の者だろう。
神殿は僕の事も知っているが、縛り付ける事はしない。
過去(神子)巫子や愛し子を神殿が利用しょうとしたらしいが、怒った精霊や聖獣に神獣が力を貸さなくなり魔法まで使えなくなり、仕舞いには神の怒りに触れて神官達は見るも無残な状況に置かれたが決して寿命が尽きるまで死ななかったみたい。

自殺したり、他者に首を切られても、飲食を一切しなくても死なない加護が働いていて死なない。
ただし、傷を治そうとする事は出来ないが心の傷は治癒が出来て、ずっと正気のまま罰が与えられている状態が何千も続くのだ。
歴史に残る神の罰則は、本当に罰と身を持って皆学んだ。
当時を知らない世代も書物や録画機能魔法で代々王族、貴族は勿論神殿で嫌って程学ばせられる。

だから、愛し子や巫子(神子)達は安全して過ごせる。
勿論、間違えた愛し子や神子(巫子)達は精霊達が見えるし聞こえるのに自身だけには力を貸さなくなる。
ただし自身の事に使う時だけは力を貸さないが他者を助けたり、他者に思いやりの心があれば力を貸す。

「目が泳いでるな」
「ーっ、何の事なの」

うーんっ、やっぱり僕の護衛だよね。
冒険するのに騎士や近衛がずっとお友するのは違うし、まぁSランクの護衛もあり得ないけれど。
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