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第2章
第2話 ヘタレ公爵と氷の執事
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結局見かねた執事が長男を引き剥がしてくれた。そのまま執事が長男の首根っこを引っ付かんで引きずりながら長男の執務室まで案内してくれた。その後執事はお茶をいれに行き、長男の執務室には兄妹3人が残った。机を挟んで向こう側に長男。長椅子に座った私の右隣にルー兄様が座った。ちょっと不安でルー兄様の手を握ってしまったけど、ちょっとぴくってした後握り返してくれたから怒ってはいないと思う。誰も口を開かず時間だけがすぎて、執事が戻ってきた。いや、戻ってきたと思ったらいきなり長男の背中を叩いた。
…………あれ?長男って一応公爵家の当主よね?執事が叩いても怒られないものなの?というかこの執事さっき長男を引きずって歩いてたなぁ。え?エリスには何しても良かったって?それはそれ、これはこれというやつだよ。そもそも領地の屋敷には使用人なんていなかったのだけれども。
「坊っちゃん?」
執事、笑顔で威圧してるから!!なんか負のオーラみたいなの出てるから!って言うか物理で部屋の温度下がってない?寒い!!寒すぎてルー兄様と抱きしめあってるから!!
「リオート。」
「何です?ヘタレ公爵閣下?」
ヘタレ公爵……。多分この執事の名前はリオートさんだなっ?
「あの、リオートさん?」
恐る恐る声をかけてみる。
「エリスお嬢様。どうかなさいました?」
笑ってくれた……。怒ってないっぽい…?
「先程は助けていただいて、ありがとうございました。」
さっきは助けてくれてありがとうございました!!お礼は大事!!前世からありがとうとごめんなさいはちゃんと言いましょうって習ったしね!!
恐すぎて若干腰がひけてるのと現実逃避してるのは内緒だ。抱き着いてるルー兄様には震えてるの伝わってるだろうけどね。
「いえいえ、私のような執事になんともったいないお言葉。そもそも悪いのはこのヘタレですしね。っと、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。私はこの屋敷の執事長、リオート・グラキエスと申します。」
優しく微笑みかけてくれたぁ!!でもミドルネームないから高位貴族ではないのかな?
「リオートはグラキエス子爵家の長男で、俺たちの幼なじみなんだ。さっき部屋の温度が下がったのはリオートの氷の加護のせいだな。」
なるほど。
「おや、温度が下がっておりましたか?申し訳ございません。お嬢様。こちら膝掛けでございます。よろしければお使いください。」
え?今どこから出したの?見えなかった。執事すごい……。
…………あれ?長男って一応公爵家の当主よね?執事が叩いても怒られないものなの?というかこの執事さっき長男を引きずって歩いてたなぁ。え?エリスには何しても良かったって?それはそれ、これはこれというやつだよ。そもそも領地の屋敷には使用人なんていなかったのだけれども。
「坊っちゃん?」
執事、笑顔で威圧してるから!!なんか負のオーラみたいなの出てるから!って言うか物理で部屋の温度下がってない?寒い!!寒すぎてルー兄様と抱きしめあってるから!!
「リオート。」
「何です?ヘタレ公爵閣下?」
ヘタレ公爵……。多分この執事の名前はリオートさんだなっ?
「あの、リオートさん?」
恐る恐る声をかけてみる。
「エリスお嬢様。どうかなさいました?」
笑ってくれた……。怒ってないっぽい…?
「先程は助けていただいて、ありがとうございました。」
さっきは助けてくれてありがとうございました!!お礼は大事!!前世からありがとうとごめんなさいはちゃんと言いましょうって習ったしね!!
恐すぎて若干腰がひけてるのと現実逃避してるのは内緒だ。抱き着いてるルー兄様には震えてるの伝わってるだろうけどね。
「いえいえ、私のような執事になんともったいないお言葉。そもそも悪いのはこのヘタレですしね。っと、ご挨拶が遅れて申し訳ありません。私はこの屋敷の執事長、リオート・グラキエスと申します。」
優しく微笑みかけてくれたぁ!!でもミドルネームないから高位貴族ではないのかな?
「リオートはグラキエス子爵家の長男で、俺たちの幼なじみなんだ。さっき部屋の温度が下がったのはリオートの氷の加護のせいだな。」
なるほど。
「おや、温度が下がっておりましたか?申し訳ございません。お嬢様。こちら膝掛けでございます。よろしければお使いください。」
え?今どこから出したの?見えなかった。執事すごい……。
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