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出会い
勇気
しおりを挟む「私は今まで、そうやってたくさんの人に救われながら生きてきました。
そして私には今、大好きな人がいます」
私はチラッとアークの方を見たが、俯いていて、表情は確認出来なかった。
めをとじ、大きく息を吸う。
「私が兄を失った頃に出会ったその人は、かっこよくて、強くて、鈍感で、誰よりも優しかった。そんな人を好きになれて、私は幸せだと思います。」
「今、こうしてみなさんの前に立てていることも、これ以上ない幸せです。
私は、当たり前の幸せを守れるような、そんな女王になりたいと思います。
最後になりましたが…この国の明るい未来と、皆さんの幸福を心よりお祈りし、就任の挨拶とさせて頂きます」
ひと呼吸おいて、わあぁっと歓声が沸いた。
その途端、すとんと肩の力が抜け、その場に座り込みそうになる。
「おっと女王陛下、大丈夫ですか?」
私の体を慌てて支え、心配そうに顔をのぞきこんでくるアークを見て、私の顔はどんどん赤面して言った。
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