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「妄想力たくましい彼」の部下の忍耐
<後編>
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やがて積極的にキスに応じてきた先輩に、これも油断させるためかと思うと盛り上がる行為とは逆に心が冷めた。
だが好都合だ。これを好機と捉え、肩を抱いて口付けを交わしながらベッドに座るよう誘導し、同時に先輩のボトムスを寛げる。
先輩のそれは勃っていた。
すこし安堵し、すかさず先輩のそれを口に含んだ。
情緒もへったくれもないが、こうしてしまえばもう抵抗を懸念する必要性は格段に下がる。急所はこちらが握っているのだ。ずるずると先輩の足の間に移動して本格的な愛撫を始めた。
「くろさき……ッ」
切羽詰まったような声にそちらに目をやると両手で口を覆った先輩が、信じられないとでもいうように大きく目を開いていた。これ見よがしに大きく出した舌をべっとりと先輩の雄芯の根元に当てて舐め上げてやった。
「━━うンンッ!」
声を殺す先輩に目を細めて笑んで見せて、派手な口淫を開始する。
じゅるじゅるとわざと下品な音が出るように、自分がされて気持ちいいことを全力で施し快楽という罠で抵抗を奪った状態で膝を持ちあげベッドに転がす。さしたる抵抗がないのをいい事にベッド下に待機させたローションで先輩の後孔を拓いていった。
「ンンンンンンッ!? くろさき、まてっ、あ、そこぉぉぉ!」
固く閉じた後孔に、初めてなのだからと優しく丁寧に恐ろしく時間をかけた。挿入の際はお互い苦しさもあった。それでもキスをして、体を愛撫してようやく先輩の淫らで熱く熟れたきれいな胎内に自身を納めた時はあまりの感動と強烈な快感に背筋が震えた。
「奥むり、気持ちよすぎてむりぃぃ」
ひぃひぃ啼いて自ら腰を振り、
「りゃめぇぇ、はりゃむぅぅぅ、ひゃらんじゃうぅぅ」
舌足らずに身を震わせる。
なんだ先輩のこの盛り上がりっぷりは。
まさか初めてではないのかと思うと自然と腰遣いが乱暴になった。
俺は強姦モノのAVは見ない。その手のジャンルはなんら盛り上がらない。
だから先輩が本当に嫌がったら俺は萎えるハズで、理性を保つためにも酒をセーブした。
それなのに━━
あまりにも先輩がノリノリに見えて手加減を忘れた。
「くろ、くろさひっ、まっれ、まっれ」
「だめ。俺がどんだけ頑張ったと思ってんだッ。簡単に勝てるはずだったのに追い上げてきやがって!」
ごり、と奥をえぐるように突くと先輩は善がっているとしか思えない嬌声を上げる。
「勝ちたかったんだもぉんンっ」
「だからって中旬からの追い上げエグすぎだろッ。そんなに負けたくなかったのか、よッ」
苛立ちがそのまま奥を突く行為に直結し、ひときわ激しい衝撃に先輩は「あァッッ」と悲鳴にも似た声を上げて四肢を撥ねさせた。
「らっれ、らっれ、くろさきと、れったいちゅーしたかったからぁあぁ!」
「俺がアンタを好きだって気付いて利用したんだろうけどなッ!」
激しい律動で、より奥への挿入を求めお互いタイミングを合わせて腰を振る中、叫ぶような互いの声も重なる。
「目論見通り部署の売上げ爆上がりで満足かよッ。絶対勝ってブチ犯してやろうと必死で働いてやったからなぁ!」
虚勢だ。
ブチ犯したいとは思ったけど、本当に嫌がったら間違いなく俺は萎えた。
痛い思いをさせたいわけじゃない。
でもそうやって自分を鼓舞して先輩を穿つつもりで虚勢を張った。
そのつもりなのだが、俺の息子はギンギンにいきり勃っている。虚勢など必要なかった。
いや、だって。
先輩、どう見ても気持ちよさそうにしか見えねーから。
なんかコレ、いいんじゃないかなって。
自分、犯罪者かよ。
全身で気持ちがいいと訴え、痴態をさらす先輩の前では俺の理性などあってないような物だった。
忍耐などとうの昔に消失している。
が。
先輩なんつった?
「……は?」
腰を止め、先輩を見る。
先輩も同じようにぽかんとこちらを見ていて━━
次の瞬間、思わず抱きしめていた。
思いきり、渾身の力を込めて抱きしめて口づける。
押し当てるだけの口づけを落としては、先輩の目を見る。それを数回繰り返し、誤解や間違いではないことを確かめると深く舌を絡ませた。
先輩を抱きつぶすがごとく抱きしめ、両者奪い尽くすような口づけを交わしながら、俺は先輩の胎内への抽出を再開する。
「んっ、んっ、んゥっ!」
先輩が苦しそうなので腕を緩めると、たおやかといってもいいような仕草で背に腕を回された。
「しゅき、くろさき、だいしゅき」
小鳥のようなキスをくれながらそう先輩は訴えて来る。
「あーもーッ! 可愛すぎだろッ」
たまらなくなって先輩の股に乗り上げるようにして松葉崩しの体勢に変更してしまった。
思いの通い合った相手と、穏やかなセックスをするのが俺の理想だったのに。
俺の忍耐力などもはやどこにも存在しない。否、ハナからそんなものは存在しなかったのかもしれない。
「くろさき、ふかっ、おく、きもちいっ、あ・あっ、すご、もっと」
もっとと来たか。
求めるように手を伸ばされ、しっかりとつなぎとめた。
その間も先輩は俺に腰を押しつけるようにして、俺の動きに合わせて前後に揺らしている。
本当に、エロ過ぎるだろ。
負けじとより奥を、より強く激しく穿つ。互いの欲求を満たし、より深い絶頂を求めて快楽を追及する。
脳が痺れる。完全に馬鹿になっている。
ひたすら気持ちがいい。
それしか感じず、それしか考えられない。
「もうらめ、らめ、むり、イク、いくいく、ふあぁぁぁぁ━━」
先輩は激しく痙攣するとともに俺自身をひき絞り、俺もほぼ同時に果てた。
くそ、イかされた。
※ ※ ※
「━━たけん」
腕の中の先輩のつぶやきに目が覚めた。
どこかの方言か? 先輩、地元出身じゃなかったっけ。
背に回された先輩の腕が俺の背や腕を撫で、離れていこうとするのをそうはさせるかと抱き締めて阻止し、朝の挨拶にしては激しめのキスを仕掛けた。絶対に逃がさん。
「そういや先輩が欲しいご褒美って何だったんですか?」
昨夜そんな事を言って始まったのだ。
うやむやになっていた。
先輩にしては珍しく言い淀む様子を見せた後、ぽつりと小さく行った。
「ちゅーして欲しかった……」
「は?」
「だってお前肉食ったじゃん! ご褒美イベント終了だと思ったんだよ! 俺もめちゃくちゃ頑張ったし、負けたけどキスくらいしてくれてもいいじゃん!って」
頑張った先輩に、お望み通り濃厚なご褒美をプレゼントしたのは言うまでもない。
「俺が勝ったら俺とつきあってくださいね。先輩が勝ったら俺が彼氏になるってどうですか」
先輩を確実に俺のものにするために2月の勝負を持ちかけたが「やる気が出ない」と言われた。
「来月までお預けとかしんどいから、もう俺、お前のもんでいいよ」と。
思いきりがよくて、効率の良さを好む先輩らしい言葉だった。
さすがだ。
やはりまだまだこの人にはかなわない。
「じゃあ先月のご褒美は先輩って事でいただきます」
言質は取った。
これでもう先輩は俺の物だ。
そして仕事好きの先輩を満足させるため、新たな提案を持ちかける。
「次勝ったら好きなプレイをリクエストできるってのは?」
先輩は俺の提案ににぃっと綺麗な笑みを見せた。
※ ※ ※
2月はついていて、かねてから狙っていた大口契約への営業努力が実を結んだ。
「なんで挿れないんだよぉぉ、もう、ほし、ほしぃ。お願い意地悪しないでぇ。黒崎のぶっといのいれてぇぇ。奥ズコズコしてほしいぃ気持ちよくしてぇぇ」
挿入前に心行くまで先輩に触れて堪能し、先輩の性感帯を研究し尽くし、新たな性感帯の開発ポイントを探っていたらとんでもない淫語のオンパレードを聞かせてくれた。
さすがは先輩だ。
負けず嫌いの先輩は負け続きがよほど悔しかったのだろう。
また同じ勝負を持ちかけてきた。
だが3月は決算期。
中間管理職である先輩は決算準備に追われ、営業どころではない。
だから先輩に勝ち目はなくて、完全なる出来レースだが別に無理を言う気は無かった。
先輩と抱き合えるだけでじゅうぶんなのだ。
多忙な3月を終えた先輩をひたすら甘やかし、ひたすら気持ちよくなってもらい、またどエロいおねだり淫語をいっぱい聞かせてもらったのが3月の勝負の結果だ。
相変わらず先輩はすごかった。
売上向上にもつながるこの勝負を先輩はいたく気に入ったらしい。
「次こそはお前を拘束する」
3月のご褒美いちゃらぶ蜜月セックスのピロートークに、ふふんと鼻を鳴らすように勝ち気な表情を見せ、そんな事を言った。
女王様みたいな先輩か。
━━うん、これまで食指の動かないジャンルだったが「先輩が」と考えると興味がある。悪くない。
新たな嗜好の広がりを予感した。
週末を互いの家で過ごすようになった4月半ば、慣れてきた仕草でインターホンを押すとバタバタと性急な足音の直後鍵が開けられる音がして、「待っていました!」とばかりのはじけんばかりの笑顔で出迎えられた。
まるでご主人様が帰ってきた犬のようだ。
もちろん嬉しいが、あまりに熱烈な歓迎ぶりに違和感を覚えずにはいられなかった。
そしてすぐに先輩のおかしな様相に気付く。
先輩の両手首は白いタオルと赤い帯状の紐で一まとめに縛られていた。
は?
拘束された手元だけを見ると犯罪臭しかないが、先輩はなぜかにこにこと笑っている。
「いいところに来た黒崎。検証してたら外せなくなってさ」
……何をしているのだろう、この人は。
俺は強姦モノは見ないが緊縛モノは見る。
強姦感のない緊縛モノは割とよく見る。ジャンル検索する。
一緒にこうして過ごせるだけで幸せで、もう充分ご褒美になっているのに。
こんな出来上がった状態でお出迎えされる事になろうとは。殺す気か。
「黒崎を拘束したかったんだけどネクタイだけだと痛いかと思ってな。タオル挟んでから巻いてみたんだけど、なんか解けなくなって慌てたわ」
この人は器用なのか不器用なのか、時々分からなくなる。
俺はすっと身を落とし、先輩の胴にタックルするようにその体を肩に担ぎあげるとそのまま真っ直ぐ寝室へと向かった。
先輩の事だ。すでにナカも準備万端だろう。
初めてした時から会う時はいつもそうだ。
「まて黒崎! 違う! まだ勝負ついてないだろうが!」
「はいはい、先輩が勝ったらやり返していいから」
俺の忍耐力など、このエロい先輩の前でははじめから存在しなかったのだ。
そう自覚するともはや怖いものなしで、俺は緊縛プレイを前借りする事にした。
************************************************
先輩「こんなはずじゃなかった。こんなはずじゃなかった。黒崎! お前ってやつは! お前ってやつはぁぁぁ!」
ホント最高かよ!
━━という安定の先輩。
先輩が勝って拘束プレイしても後輩・黒崎のいい身体のインパクトが強すぎて手首を縛っただけで「完成度がヤバい。なにこれアート?どうすればいいかまったく分からん。え、スケッチ?デッサンとかすればいいの?美術3だったんだけど」とか言い出す先輩に色々と期待しまくりの後輩は「なんでですか、ご褒美ですよ、頑張ってください、好き勝手していいんですよ」とか言っちゃう。後輩も強く育った。
だが好都合だ。これを好機と捉え、肩を抱いて口付けを交わしながらベッドに座るよう誘導し、同時に先輩のボトムスを寛げる。
先輩のそれは勃っていた。
すこし安堵し、すかさず先輩のそれを口に含んだ。
情緒もへったくれもないが、こうしてしまえばもう抵抗を懸念する必要性は格段に下がる。急所はこちらが握っているのだ。ずるずると先輩の足の間に移動して本格的な愛撫を始めた。
「くろさき……ッ」
切羽詰まったような声にそちらに目をやると両手で口を覆った先輩が、信じられないとでもいうように大きく目を開いていた。これ見よがしに大きく出した舌をべっとりと先輩の雄芯の根元に当てて舐め上げてやった。
「━━うンンッ!」
声を殺す先輩に目を細めて笑んで見せて、派手な口淫を開始する。
じゅるじゅるとわざと下品な音が出るように、自分がされて気持ちいいことを全力で施し快楽という罠で抵抗を奪った状態で膝を持ちあげベッドに転がす。さしたる抵抗がないのをいい事にベッド下に待機させたローションで先輩の後孔を拓いていった。
「ンンンンンンッ!? くろさき、まてっ、あ、そこぉぉぉ!」
固く閉じた後孔に、初めてなのだからと優しく丁寧に恐ろしく時間をかけた。挿入の際はお互い苦しさもあった。それでもキスをして、体を愛撫してようやく先輩の淫らで熱く熟れたきれいな胎内に自身を納めた時はあまりの感動と強烈な快感に背筋が震えた。
「奥むり、気持ちよすぎてむりぃぃ」
ひぃひぃ啼いて自ら腰を振り、
「りゃめぇぇ、はりゃむぅぅぅ、ひゃらんじゃうぅぅ」
舌足らずに身を震わせる。
なんだ先輩のこの盛り上がりっぷりは。
まさか初めてではないのかと思うと自然と腰遣いが乱暴になった。
俺は強姦モノのAVは見ない。その手のジャンルはなんら盛り上がらない。
だから先輩が本当に嫌がったら俺は萎えるハズで、理性を保つためにも酒をセーブした。
それなのに━━
あまりにも先輩がノリノリに見えて手加減を忘れた。
「くろ、くろさひっ、まっれ、まっれ」
「だめ。俺がどんだけ頑張ったと思ってんだッ。簡単に勝てるはずだったのに追い上げてきやがって!」
ごり、と奥をえぐるように突くと先輩は善がっているとしか思えない嬌声を上げる。
「勝ちたかったんだもぉんンっ」
「だからって中旬からの追い上げエグすぎだろッ。そんなに負けたくなかったのか、よッ」
苛立ちがそのまま奥を突く行為に直結し、ひときわ激しい衝撃に先輩は「あァッッ」と悲鳴にも似た声を上げて四肢を撥ねさせた。
「らっれ、らっれ、くろさきと、れったいちゅーしたかったからぁあぁ!」
「俺がアンタを好きだって気付いて利用したんだろうけどなッ!」
激しい律動で、より奥への挿入を求めお互いタイミングを合わせて腰を振る中、叫ぶような互いの声も重なる。
「目論見通り部署の売上げ爆上がりで満足かよッ。絶対勝ってブチ犯してやろうと必死で働いてやったからなぁ!」
虚勢だ。
ブチ犯したいとは思ったけど、本当に嫌がったら間違いなく俺は萎えた。
痛い思いをさせたいわけじゃない。
でもそうやって自分を鼓舞して先輩を穿つつもりで虚勢を張った。
そのつもりなのだが、俺の息子はギンギンにいきり勃っている。虚勢など必要なかった。
いや、だって。
先輩、どう見ても気持ちよさそうにしか見えねーから。
なんかコレ、いいんじゃないかなって。
自分、犯罪者かよ。
全身で気持ちがいいと訴え、痴態をさらす先輩の前では俺の理性などあってないような物だった。
忍耐などとうの昔に消失している。
が。
先輩なんつった?
「……は?」
腰を止め、先輩を見る。
先輩も同じようにぽかんとこちらを見ていて━━
次の瞬間、思わず抱きしめていた。
思いきり、渾身の力を込めて抱きしめて口づける。
押し当てるだけの口づけを落としては、先輩の目を見る。それを数回繰り返し、誤解や間違いではないことを確かめると深く舌を絡ませた。
先輩を抱きつぶすがごとく抱きしめ、両者奪い尽くすような口づけを交わしながら、俺は先輩の胎内への抽出を再開する。
「んっ、んっ、んゥっ!」
先輩が苦しそうなので腕を緩めると、たおやかといってもいいような仕草で背に腕を回された。
「しゅき、くろさき、だいしゅき」
小鳥のようなキスをくれながらそう先輩は訴えて来る。
「あーもーッ! 可愛すぎだろッ」
たまらなくなって先輩の股に乗り上げるようにして松葉崩しの体勢に変更してしまった。
思いの通い合った相手と、穏やかなセックスをするのが俺の理想だったのに。
俺の忍耐力などもはやどこにも存在しない。否、ハナからそんなものは存在しなかったのかもしれない。
「くろさき、ふかっ、おく、きもちいっ、あ・あっ、すご、もっと」
もっとと来たか。
求めるように手を伸ばされ、しっかりとつなぎとめた。
その間も先輩は俺に腰を押しつけるようにして、俺の動きに合わせて前後に揺らしている。
本当に、エロ過ぎるだろ。
負けじとより奥を、より強く激しく穿つ。互いの欲求を満たし、より深い絶頂を求めて快楽を追及する。
脳が痺れる。完全に馬鹿になっている。
ひたすら気持ちがいい。
それしか感じず、それしか考えられない。
「もうらめ、らめ、むり、イク、いくいく、ふあぁぁぁぁ━━」
先輩は激しく痙攣するとともに俺自身をひき絞り、俺もほぼ同時に果てた。
くそ、イかされた。
※ ※ ※
「━━たけん」
腕の中の先輩のつぶやきに目が覚めた。
どこかの方言か? 先輩、地元出身じゃなかったっけ。
背に回された先輩の腕が俺の背や腕を撫で、離れていこうとするのをそうはさせるかと抱き締めて阻止し、朝の挨拶にしては激しめのキスを仕掛けた。絶対に逃がさん。
「そういや先輩が欲しいご褒美って何だったんですか?」
昨夜そんな事を言って始まったのだ。
うやむやになっていた。
先輩にしては珍しく言い淀む様子を見せた後、ぽつりと小さく行った。
「ちゅーして欲しかった……」
「は?」
「だってお前肉食ったじゃん! ご褒美イベント終了だと思ったんだよ! 俺もめちゃくちゃ頑張ったし、負けたけどキスくらいしてくれてもいいじゃん!って」
頑張った先輩に、お望み通り濃厚なご褒美をプレゼントしたのは言うまでもない。
「俺が勝ったら俺とつきあってくださいね。先輩が勝ったら俺が彼氏になるってどうですか」
先輩を確実に俺のものにするために2月の勝負を持ちかけたが「やる気が出ない」と言われた。
「来月までお預けとかしんどいから、もう俺、お前のもんでいいよ」と。
思いきりがよくて、効率の良さを好む先輩らしい言葉だった。
さすがだ。
やはりまだまだこの人にはかなわない。
「じゃあ先月のご褒美は先輩って事でいただきます」
言質は取った。
これでもう先輩は俺の物だ。
そして仕事好きの先輩を満足させるため、新たな提案を持ちかける。
「次勝ったら好きなプレイをリクエストできるってのは?」
先輩は俺の提案ににぃっと綺麗な笑みを見せた。
※ ※ ※
2月はついていて、かねてから狙っていた大口契約への営業努力が実を結んだ。
「なんで挿れないんだよぉぉ、もう、ほし、ほしぃ。お願い意地悪しないでぇ。黒崎のぶっといのいれてぇぇ。奥ズコズコしてほしいぃ気持ちよくしてぇぇ」
挿入前に心行くまで先輩に触れて堪能し、先輩の性感帯を研究し尽くし、新たな性感帯の開発ポイントを探っていたらとんでもない淫語のオンパレードを聞かせてくれた。
さすがは先輩だ。
負けず嫌いの先輩は負け続きがよほど悔しかったのだろう。
また同じ勝負を持ちかけてきた。
だが3月は決算期。
中間管理職である先輩は決算準備に追われ、営業どころではない。
だから先輩に勝ち目はなくて、完全なる出来レースだが別に無理を言う気は無かった。
先輩と抱き合えるだけでじゅうぶんなのだ。
多忙な3月を終えた先輩をひたすら甘やかし、ひたすら気持ちよくなってもらい、またどエロいおねだり淫語をいっぱい聞かせてもらったのが3月の勝負の結果だ。
相変わらず先輩はすごかった。
売上向上にもつながるこの勝負を先輩はいたく気に入ったらしい。
「次こそはお前を拘束する」
3月のご褒美いちゃらぶ蜜月セックスのピロートークに、ふふんと鼻を鳴らすように勝ち気な表情を見せ、そんな事を言った。
女王様みたいな先輩か。
━━うん、これまで食指の動かないジャンルだったが「先輩が」と考えると興味がある。悪くない。
新たな嗜好の広がりを予感した。
週末を互いの家で過ごすようになった4月半ば、慣れてきた仕草でインターホンを押すとバタバタと性急な足音の直後鍵が開けられる音がして、「待っていました!」とばかりのはじけんばかりの笑顔で出迎えられた。
まるでご主人様が帰ってきた犬のようだ。
もちろん嬉しいが、あまりに熱烈な歓迎ぶりに違和感を覚えずにはいられなかった。
そしてすぐに先輩のおかしな様相に気付く。
先輩の両手首は白いタオルと赤い帯状の紐で一まとめに縛られていた。
は?
拘束された手元だけを見ると犯罪臭しかないが、先輩はなぜかにこにこと笑っている。
「いいところに来た黒崎。検証してたら外せなくなってさ」
……何をしているのだろう、この人は。
俺は強姦モノは見ないが緊縛モノは見る。
強姦感のない緊縛モノは割とよく見る。ジャンル検索する。
一緒にこうして過ごせるだけで幸せで、もう充分ご褒美になっているのに。
こんな出来上がった状態でお出迎えされる事になろうとは。殺す気か。
「黒崎を拘束したかったんだけどネクタイだけだと痛いかと思ってな。タオル挟んでから巻いてみたんだけど、なんか解けなくなって慌てたわ」
この人は器用なのか不器用なのか、時々分からなくなる。
俺はすっと身を落とし、先輩の胴にタックルするようにその体を肩に担ぎあげるとそのまま真っ直ぐ寝室へと向かった。
先輩の事だ。すでにナカも準備万端だろう。
初めてした時から会う時はいつもそうだ。
「まて黒崎! 違う! まだ勝負ついてないだろうが!」
「はいはい、先輩が勝ったらやり返していいから」
俺の忍耐力など、このエロい先輩の前でははじめから存在しなかったのだ。
そう自覚するともはや怖いものなしで、俺は緊縛プレイを前借りする事にした。
************************************************
先輩「こんなはずじゃなかった。こんなはずじゃなかった。黒崎! お前ってやつは! お前ってやつはぁぁぁ!」
ホント最高かよ!
━━という安定の先輩。
先輩が勝って拘束プレイしても後輩・黒崎のいい身体のインパクトが強すぎて手首を縛っただけで「完成度がヤバい。なにこれアート?どうすればいいかまったく分からん。え、スケッチ?デッサンとかすればいいの?美術3だったんだけど」とか言い出す先輩に色々と期待しまくりの後輩は「なんでですか、ご褒美ですよ、頑張ってください、好き勝手していいんですよ」とか言っちゃう。後輩も強く育った。
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