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【雑談枠】最近暖かくなってきたよね

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一見、何の変哲もない配信タイトル。
『ショウとゲンのいちゃらぶチャンネル』という痛々しいチャンネル名が真下に記載されていなければ、誰の記憶にも残らなかっただろう。
その枠では、幾人もの視聴者が配信前から待機している。



「ついた?ついたかな?聞こえる?」

『聞こえる』
『きちゃ』
『はよ顔見せろ』
『初見』


「顔ヤクザこわ。見せる見せるって。初見さんいらっしゃ~い」
画面がきりかわり、へらりとした笑みを浮かべた男が映し出された。
所謂糸目と称される細い目で、流れていくコメントをちらりと見る。
その首元には真新しい鬱血痕が存在した。

「どもーゲンです。平日の朝なのに人多くない?」

『おはようって言えよ』
『出社前に見てます!!』
『一限ないけど起きた』
『キスマあるじゃん』
『5000円:デイリーキスマ達成』

「おはよーはよー。お仕事がんばって~。てかスパチャはっや。僕じゃなきゃ見逃してたね」

『キスマの詳細はよ』
『昨夜はお楽しみでしたね』
『昨夜もだろ』
『何ラウンドした?』
『ショウくんまだ?』

「お察しの通りお楽しみでした~。ごめんね~質問打ち切っちゃって。何ラウンドかは覚えてないや。ショウくんは今晩御飯の仕込みしてま~す」

一般人からすると異様なコメント欄は、このチャンネルでは日常だ。
カップルチャンネル、ということもあるが、もっと別の要因も関わっている。


「てか最近あったかくなってきたよね。花粉の季節だね。やだな~外出たくない」

『わかる』
『花粉滅べ』
『ショウくんまだ?』
『花粉なくても外にでない定期』

「てか冬じゃなくても布団から出られないんだよね。春眠暁を覚えず」

『かしこい』
『よく覚えてたね~~えらい』
『布団から出してもらえないの間違いでは?』
『お前らの性欲が暁を覚えてない』
『誰うま』
『ショウくんまだ?』


「布団から出してもらえないのはほんとに……あっ」

だらだらと喋り続けていたゲンに影がさした。
そして、金髪の男が覆いかぶさる。このチャンネルのもう一人の主役、ショウだ。

「ふっ、ん……♡あ♡」

甘い声と僅かな水音をマイクが拾う。

『ショウくんきた』
『きちゃあ』
『キッスじゃん』
『これ入ってるよね』
『顔見えないのが逆にえっち』


「ん、んんっ、ふ♡ぅ、っ、ん、ん、っ!!♡♡」

ゲンの身体がひと際びくついてから、ぐったりと脱力する。コメントが一気に加速した。

『えっろ』
『抜いた』
『1000円:キスイキ代』
『500円:今日もえっちだね』
『2000円:始まったな』


「は………しょ、くん……♡」
「ん、キスだけでイケてえらいな」
よしよし、と頭を撫でられてゲンはゆるりと破顔した。頬を赤く火照らせて、ショウにしなだれる。

「何してた?」
「雑談枠……あ、ちょっと、まだ朝なのに」
「嫌か?」
「……いや、じゃない……」

ゲンの服をゆっくり脱がす男は、少々厳めしいながらも美しい顔をしていた。
ぎらりと欲望を滾らせた瞳に、ゲンのお腹がきゅん♡とうずく。

『1000円:朝っぱらからお盛んだな』
『はよ続き』
『これはメスの顔』
『5000円:ショウくんの大型犬みがたまらん~~!!』
『足開いてるよー』

カメラを通してゲンの肌が露わにされていく。少々痩せ気味な身体には、数多のキスマークと噛み痕が散らばっていた。
開発されきった乳首はぷっくり♡と赤く膨らみ、呼吸にあわせて誘うように揺れている。
ショウは躊躇いなくそこに唇を寄せた。

じゅる♡れろっ…♡ちゅ♡こりこりこり♡

「ひん♡♡あ、あぁ!!ひぅ!♡♡りょうほ、っ、やぁ~っ♡♡♡♡」
「舐められるのも触られるのも好きだもんな?」
「ん、んんぅ、っ!!♡♡あ、イくっ♡♡イっちゃうぅ♡♡♡♡」
「はは、朝っぱらから乳首イキ見せとくか?」


『1000円:開発済み乳首たすかる』
『5000円:えっちだ』
『ショウゲンたまんね~~~』
『500円:すっかり淫乱メスマゾだな』

快楽の涙でぼやけた視界では、コメントの内容まではわからない。
けれど、次々とコメントが投下され、数多の目が自分たちを見ている。その事実に震えたゲンに追い打ちをかけるように、ショウが乳頭を甘噛みした。


「あっ♡♡あ、あ゙あ゙~~~~~~っっっ♡♡♡♡!!!」

びくびくっ♡♡どぴゅっ!!♡♡


『10000円:デイリー乳首イキ達成』
『5000円:イキ顔待ってた』
『3000円:ちょっとだけ目開くのエッ』
『最高』
『体格差たまらん』
『30000円:次は種付けプレスお願いします』


「はーっ♡♡はーっ♡♡♡♡」
乳首イキの余韻に浸る間もなく、ゲンの身体が押し倒される。
クッションを手繰り寄せ、空いた手でカメラ位置を調整しながらショウは口角をあげた。

「おいおい、朝っぱらから種付けプレス見たいってよ」
「はぅ……♡」
「俺もそろそろ挿れたいし、いいか?」
「あっ……♡♡」

バキバキに勃起した陰茎を見せられ、ゲンは喉を鳴らした。
何度も自分を征服してきた逸物。自分が乱れることで興奮した証左。

考えるより先に、本能が身体を動かした。

「あは……♡あのさ、プラグ、いれてたから、っ♡も、すぐちょーだい♡♡♡♡」

ぱかりと足を開け、アナルプラグで栓をされた孔を曝け出す。

『は?えっろ』
『1000円:えろ』
『5000円:は~最高』
『プラグさしたまま雑談してたのかよ』
『えっちだなあ』
『アナニー雑談たすかる』


「……」
ゲンの痴態に息をのみ、ショウがゆっくりとプラグを引っ張る。

ぬぷ、くぽ♡

「ぁ、あ、あぁぅ……も、はやくっ……♡♡♡はやくいれて♡ショウくんのちんぽ♡あ、あぁっ!!♡♡」
「お前……ほんと覚悟しろよ」
引き抜いたプラグを放り投げ、ゲンの足を抱えるショウの目は、肉食獣の如くぎらぎらと輝いていた。


ぬちゅっ……ずぷん♡

「っ、あ、ぁ!ぅぅっ…♡は、っ……♡おく、きて……♡♡♡」
ずりずりっ、ぬぷぷっっ♡♡
「んあァ!!!♡♡」
肉棒は遠慮なくゲンの胎内を蹂躙する。
くちゅ、と亀頭が結腸口とキスし、薄い腹はぽっこりと陰茎の存在を主張していた。
「あは、みんな、っ♡みてるぅ……?♡ここまで、ぇっ♡ショウくんのっ♡はいってる♡♡」

蕩けた顔で腹をさする。あまりにも淫靡な光景にコメントの速度は落ちだした。視聴者はもはやコメントを打ち込める状況ではないのだ。

「……こっち見ろよ」
そしてショウの方から、唸るような声が聞こえたと思った瞬間。


ずち、ぐぽんっっ!!♡♡

「あ、ぁ~~~~~~~~~ッッ!!!!♡♡♡♡♡♡」

結腸をぶちぬいた熱は止まらず、律動を繰り返す。
「ん゙あ゙あ゙あ゙あ゙ァ゙ァ゙っっ!!!♡♡♡♡ひぃ、あ、あ、あ゙、あ゙あ゙あ゙あ゙ぅ゙ぅ゙~~~ッッ!!!♡♡♡♡」
「は……かわいいな♡」
「お゙♡♡い、イって、ぅ♡♡♡♡ずっとイって、っ、からぁ♡♡」
「あーイきっぱなしマンコきもちい……」
「う、あ、あ゙ーッッ!!♡♡♡ひぎ、ぃ~~~~~~っっ!!!♡♡♡♡ん、ん゙ん゙ん゙ん゙~~~ッッ!!♡♡♡」
「ゲン、ゲン♡出すぞ♡♡」
「は、ぁ、っ!♡♡あ゙ぁ~~~~~~~~~ッッッ!!♡♡♡」
びゅるるるるるるるるっっっ♡♡♡♡

精液を吐き出される感覚すら快感で、ゲンの身体はびくびくと跳ね続ける。
ぽろぽろと零れる涙を舐めとりながら、ショウは恍惚とした顔で囁いた。

「もっかい、いいか?」
「ん……♡もっとぉ……♡♡♡」


『やばい』
『抜いた』
『50000円:ケツアクメ代』
『10000円:メスイキ代』
『さいこう』
『今夜のおかず』
『5000円:生きがい』
『これは潮吹きある』
『50000円:デイリー結腸責め』


加速するコメントをよそに、二人は再び身体を重ね合わせる。


配信が終了するまで、視聴者数は増えていくのであった。


「ゲン、終わりの挨拶しような」
「お、っ……♡♡♡」
「トんでるな……スパチャさんきゅ。掃除するんでそろそろ切るわ。初見さんはチャンネル登録と高評価よろしくな」
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