25 / 53
恋してる 1
しおりを挟む
「そう言えばさっき先輩の奥様、リオナさんに会ったよ」
平然とした顔で、今日は天気がいいねくらい普通に言えたと思う。
パッと上げた顔がやっぱりクロに似てる。最初見たとき、クロと同じ瞳の色と毛並みだった。今は全然違うのに、似てるって思う。
クロードのほうが先に生まれているから、生まれ変わりではないはずだけど。
「リオナに!」
キラキラと輝かしい顔が眩しい。クロードを見てたら将来目が悪くなるかもしれないなと思ったりした。嘘だ、そんな嬉しそうな顔見たくない。
もういい加減諦めてもいいだろうか。
俺はこの男に惚れてる。
「方向音痴なんだな。迷ってるのを声をかけたんだ」
「そうなんだ。可愛いよね」
何でも可愛いし、綺麗だし、麗しいんだろうなと思う。
顔がまるで孫を愛でるおじいちゃんみたいな『至福』を表してる。
どうしてこんなに好きなのに放っておいたりしたんだろう。リオナだってまだ未練がありありに見えたのに。
「綺麗な人だよな」
そう言えばクロードに似てる。高位貴族は血筋が似通ってることもあるっていうからそれでかな。目元が涼しげなのに、笑うと周りをパッと明るくするような笑顔になる感じが……。
「リオナはどこに行ったの? 私に会いに来たのかな?」
ウキウキしてる気持ちが伝わってきて、吐きそうに苛立つ。でもそんなわけにはいかないから意地悪を言った。
「先輩が迎えに来て一緒に行ったよ。でも本当はクロードに会いに来たんじゃないの?」
付き添いも護衛も連れて来なかったのは見られるわけにいかないから。そのくらい会いたかったのだろう。
「私に?」
ギュッと胸の前で片手を握り込み、クロードは切なげに吐息をこぼした。
心臓が止まりそうなくらい嬉しかったのか。
何だか大丈夫か? って抱きしめたくなった。俺は先輩に恋をしてたけど、こんなに深く強いものではなかった。今なら、この苦しい気持ちが恋だってわかってるけど、そんなこと言えるわけもない。ただのセフレが何言ってるんだってクロードもさすがに怒るかもな。
「そんなにリオナ様が大事なんだな」
「うん。凄く大事なんだ。彼女は誰とも違う特別枠だからね」
誰とも……、それは俺と比べているのだろうか。
「特別……か」
「もちろんアンリも特別だけどね」
特別にもランクがあって、リオナと俺の特別には天と地ほどの差があるのが丸わかりだ。
「そ、ありがと」
あしらおうと思ったのに、胸が詰まった。ちょうどドンドン! と扉が叩かれてビアンカが俺を呼ぶ声が聞こえた。ちょうど良かった。このまま喋っていたらそのうち全部ぶちまけて泣いてしまいそうだったから。
「はいはい、開けます!」
「アンリ、待って!」
呼ばれたけど、無視をした。開けてビアンカを中に入れるとクロードが文句を言った。
「今いいところだったのに!」
「ナイスタイミングでした」
俺はクロードの声をかき消して、心配してくれるビアンカさんに大丈夫だと笑って見せた。
平然とした顔で、今日は天気がいいねくらい普通に言えたと思う。
パッと上げた顔がやっぱりクロに似てる。最初見たとき、クロと同じ瞳の色と毛並みだった。今は全然違うのに、似てるって思う。
クロードのほうが先に生まれているから、生まれ変わりではないはずだけど。
「リオナに!」
キラキラと輝かしい顔が眩しい。クロードを見てたら将来目が悪くなるかもしれないなと思ったりした。嘘だ、そんな嬉しそうな顔見たくない。
もういい加減諦めてもいいだろうか。
俺はこの男に惚れてる。
「方向音痴なんだな。迷ってるのを声をかけたんだ」
「そうなんだ。可愛いよね」
何でも可愛いし、綺麗だし、麗しいんだろうなと思う。
顔がまるで孫を愛でるおじいちゃんみたいな『至福』を表してる。
どうしてこんなに好きなのに放っておいたりしたんだろう。リオナだってまだ未練がありありに見えたのに。
「綺麗な人だよな」
そう言えばクロードに似てる。高位貴族は血筋が似通ってることもあるっていうからそれでかな。目元が涼しげなのに、笑うと周りをパッと明るくするような笑顔になる感じが……。
「リオナはどこに行ったの? 私に会いに来たのかな?」
ウキウキしてる気持ちが伝わってきて、吐きそうに苛立つ。でもそんなわけにはいかないから意地悪を言った。
「先輩が迎えに来て一緒に行ったよ。でも本当はクロードに会いに来たんじゃないの?」
付き添いも護衛も連れて来なかったのは見られるわけにいかないから。そのくらい会いたかったのだろう。
「私に?」
ギュッと胸の前で片手を握り込み、クロードは切なげに吐息をこぼした。
心臓が止まりそうなくらい嬉しかったのか。
何だか大丈夫か? って抱きしめたくなった。俺は先輩に恋をしてたけど、こんなに深く強いものではなかった。今なら、この苦しい気持ちが恋だってわかってるけど、そんなこと言えるわけもない。ただのセフレが何言ってるんだってクロードもさすがに怒るかもな。
「そんなにリオナ様が大事なんだな」
「うん。凄く大事なんだ。彼女は誰とも違う特別枠だからね」
誰とも……、それは俺と比べているのだろうか。
「特別……か」
「もちろんアンリも特別だけどね」
特別にもランクがあって、リオナと俺の特別には天と地ほどの差があるのが丸わかりだ。
「そ、ありがと」
あしらおうと思ったのに、胸が詰まった。ちょうどドンドン! と扉が叩かれてビアンカが俺を呼ぶ声が聞こえた。ちょうど良かった。このまま喋っていたらそのうち全部ぶちまけて泣いてしまいそうだったから。
「はいはい、開けます!」
「アンリ、待って!」
呼ばれたけど、無視をした。開けてビアンカを中に入れるとクロードが文句を言った。
「今いいところだったのに!」
「ナイスタイミングでした」
俺はクロードの声をかき消して、心配してくれるビアンカさんに大丈夫だと笑って見せた。
4
あなたにおすすめの小説
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
僕に双子の義兄が出来まして
サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。
そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。
ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。
…仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。
え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。抱かれたら身代わりがばれてしまうので初夜は断固拒否します!
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。
しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです…
本当の花嫁じゃないとばれたら大変!
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜
レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」
魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。
彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。
高貴なオメガは、ただ愛を囁かれたい【本編完結】
きど
BL
愛されていないのに形だけの番になるのは、ごめんだ。
オメガの王族でもアルファと番えば王位継承を認めているエステート王国。
そこの第一王子でオメガのヴィルムには長年思い続けている相手がいる。それは幼馴染で王位継承権を得るための番候補でもあるアルファのアーシュレイ・フィリアス。
アーシュレイは、自分を王太子にするために、番になろうとしてると勘違いしているヴィルムは、アーシュレイを拒絶し続ける。しかし、発情期の度にアーシュレイに抱かれる幻想をみてしまい思いに蓋をし続けることが難しくなっていた。
そんな時に大国のアルファの王族から番になる打診が来て、アーシュレイを諦めるためにそれを受けようとしたら、とうとうアーシュレイが痺れを切らして…。
二人の想いは無事通じ合うのか。
現在、スピンオフ作品の
ヤンデレベータ×性悪アルファを連載中
【完結】顔だけと言われた騎士は大成を誓う
凪瀬夜霧
BL
「顔だけだ」と笑われても、俺は本気で騎士になりたかった。
傷だらけの努力の末にたどり着いた第三騎士団。
そこで出会った団長・ルークは、初めて“顔以外の俺”を見てくれた人だった。
不器用に愛を拒む騎士と、そんな彼を優しく包む団長。
甘くてまっすぐな、異世界騎士BLファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる