攻略対象に転生した俺が何故か溺愛されています

東院さち

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46 夢はもういらない

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「孕ませる……」

 無垢な少年のような顔で復唱した後、アルフォンスはカッと頬を赤らめた。
 キスして魔力を交わらせた意味がわかったのだろう。

「ええ、あなたの中に子種を注いで、どれほど嫌がってもそばを離れないようにしてやろうと思ったんですけどね」
「サイラス……」

 恥ずかしそうな顔で俺を見上げているくせに、俺の尻を押すものは元気一杯だ。少しくらい羞恥心を覚えろよと思いつつ、ため息を吐いた。

「アルフォンス、まだ気づかないのか?」

 額と額をごっつんこさせて、唇を合わせた。薄く開かれた口の中に俺はさっきよりも深く舌を差し込む。あったかい口腔に迎えられて、舌を絡ませた。舌の先から多めに魔力を流すと、アルフォンスは少し暴れる。まだ俺の魔力核が割れないかとか気が触れないかとか心配しているのだ。

「んぅ——!」

 今日はアルフォンスの驚く顔ばかり見ている。
 他人の魔力には違和感がある。自分でないものが少しずつ浸食してくる感じと言えばいいのだろうか。身につけることで慣れるから、子供を作りたい相手に自分の魔力を込めた魔石を渡す。馴染んでいないと、子供を身ごもっても異物と認識されて身体から出そうとするのだ。前世でいうつわりの酷いものという感じだ。

「……俺はお前が言うから、頑張ってきたのに——」

 いつからアルフォンスを意識したのかわからない。

「怒っても魔力暴走が起きてない?」

 最初は前世の自分に似ているようで心配だった。似ているけれど違う。澪という大事なものがないアルフォンスが可哀そうで、ただそれだけだったはずなのに。

「もう、お前のレベルに合わすために魔力暴走を起こさなくてもよくなったんだ」

 アルフォンスのレベルに追いつくために魔力暴走を起こしていたのだ。魔力をあげるのには魔力暴走が一番効果的だったというわけだ。
 澪の糞設定のおかげで——。
 あの年で魔力暴走を起こす未熟者というレッテルが貼られてしまうところだった。

「だが、私の魔力暴走は——」

 アルフォンスの魔力暴走は多分、俺への気持ちの持っていき場がないからだとライファーに言われた。俺へ愛を囁いたり、身体をつなげることで落ち着くはずだと恥ずかしそうにしていた。

「俺たちは一緒にいたほうがいいんだ。そうだろ?」

 俺はアルフォンスの身体にのしかかり、思う存分キスをした。

「あ、はぁ! ……サイラス。どうしたんだ。お前らしくない。もしかしてこれは私の夢なのか?」

 どうしても信じられないらしい。

「夢? まだ言ってるのか。こうしてやる」

 アルフォンスの着ている服を魔法のナイフで破いてやった。両手で胸を隠しているのをみて、いたずら心が疼く。

「あ、待て、待ってくれ——」
 
 アルフォンスの指を舐り、湿らせた指でアルフォンスの胸の先を弾いてやった。

「アルは胸も感じる派?」
「どうしてそんなに妖艶なんだ——!」

 もっと遊ぼうと思っていたのに、簡単に組み敷かれてしまった。さすが王道ヒーローだ。閨レベルも補正がついてそうだな。なんたって、アルフォンスはR18のヒーローでもあるもんな。
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