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凛の最後の話2

ライブ終わりと拓夢

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ライブが終わった。

「凛ちゃん、番号!明日、かけてみようか?」

「うん」

「今日は、たくむんとゆっくり過ごしなよー」

「ありがとう」

理沙ちゃんも泣いていた。

「早く出たいのに、なかなか出れないからもどかしいよねー」

「確かにそうだよね」

「凛ちゃん、合格するかな?」

「合格って何?」

「たくむんから聞いてない?ジャケット写真とPV、凛ちゃんとやりたいって!今日、相沢さんが判断してくれるって」

「知らなかった」

「たくむんはね、凛ちゃんを次の場所(ステージ)に連れて行きたいんだよ」

そう言って、理沙ちゃんは笑ってる。私は、邪魔な存在だと思ってた。拓夢は、そう思ってなかったんだ。

「やっと出れるね」

「うん」

外に出ると、かねやんさんのお父さんが待っていた。

「行こうか」

「あっ、待って!智君」

「あー、理沙ちゃん」

「聞いてたの?中で」

「チケット買ったんだ!」

「会っていかないの?」

そう言って、理沙ちゃんはその人と話してる。

「いやー、しゅん君のお母さん長かったですね」

「本当に、長かった」

「松田さんは、来なかったんですね!星村さんも…」

「確かに、見かけなかったですね」

どうやら、まっつんさんと拓夢の両親は来ていないようだった。

「ごめんね。凛ちゃん」

「よかったの?」

「うん!帰るんだって!じゃあ、行こう」

「うん」

そう言われて、四人で歩き出す。理沙ちゃんが、場所に詳しくて連れて行ってくれる。理沙ちゃんは、まっつんさんの元に行く。しゅんさんのお母さんは、しゅんさんの元に、かねやんさんのお父さんはかねやんさんの元に…。私だけ動けずにいた。そんな私の傍に拓夢がやってきた。

「彼女です」

その言葉に、私は驚いた顔をして拓夢を見つめる。
「貴女が星村君の譲れない人?」その言葉に私は、驚いた声を出した。「えっ?」すると、その人は、ニコっと笑って「いいよ!合格!素人だけど、悪くない」と言った。私は、不思議な顔をした。さっき、理沙ちゃんが言っていた話はこれなのだろうか?

私と拓夢は、拓夢の家に来ていた。玄関に入ってすぐに抱き締められる。遠い存在だと思っていた拓夢が近くにいる。

「この服、可愛いね!肩出てる」

「うん」

「シャワー浴びたら、バレる?」

「どうかな?」

「バレるなら、このまま抱きたい」

「汗かいてるから」

「関係ない、俺も同じ」

拓夢の息がかかる。ちゃんと傍にいる。

「シャワー浴びたい」

「じゃあ、行こうか」

私は、靴を脱いだ。手を引かれて洗面所に行く…。拓夢は、シャワーの蛇口を捻った。
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