虹色の恋

三愛 紫月 (さんあい しづき)

文字の大きさ
2 / 23

番号交換

しおりを挟む
次の日、体育の授業でどうやら彼は一人らしいというのを確認した。

万由に相談する。

「部活終わりに連絡先を聞いてみな」と言われた。

確実に今日しかない。

今日でなければ、連絡先を教えてもらえない。

頑張れ、私。

いつもより授業が終わるのが、遅く感じた。

いつものように、部活を見ている。

「今日も見てるんだね。りり」

そう言って声をかけてくれたのは、美羽ちゃんだった。

「連絡先、交換しようよ。」

「私も教えてよ」

ゆかりちゃんと美羽ちゃんに言われた。

「うん。いいよ」

そう言って番号を交換した。

「私の名前、呼び捨てでいいから」

「私も」

「うん。美羽とゆかりよろしくね。」

「よろしく。」

「頑張ってね。」

「頑張る」

二人が、応援して帰っていった。

しばらくすると、「もうすぐ部活終わるよ」って万由がやってきた。

「わかった。待ってるね」

「あのさ、今日は林君一人だよ。出てきたら番号頑張れ」

「頑張る、頑張る」

今日が、チャンスだよ。

しばらくして、彼が出てきた。

祐希ちゃんに、「行かなきゃ」と言われるも人見知りがかってしまい行けそうになかった。

ドアを開けて出て行ってしまった。

無理かも、諦めかけたけど彼は扉の向こうにまだいる感じだった。

「私、行ってくる」

私は、駆け出した。

開いたドアの向こうに彼が、まだ立っていた。

「あの、林君」

「あっ、はい」

「あの、連絡先聞いてもいいですか?」

「いいよ」

そう言って連絡先を教えてくれた。

嬉しい、嬉しすぎるよ。

お辞儀をして、万由と祐希ちゃんの元へ

「どうだった?」

「教えてくれた。」

「おぉ、やったね。」

「めちゃくちゃ嬉しいんだけど」

「でも、これからだよ!電話ででも告白しなきゃ!」

「そうだよね。頑張るよ」

「じゃあ、帰ろうか」

「うん。」

私達は、自転車を押しながら帰る。

「本当によかったよ。」

「明日、一緒に帰ろうって聞いてみたら?」

「えぇー。恥ずかしいよ」

「頑張ってみなよ。」

「えぇ、言えるかな?」

「電話で言ってみたら?」

「言えるかな?」

「頑張りなよ。」

「頑張ってみるよ。」

もう、有頂天だった。

3ヶ月も連絡先を聞けなかったから、余計に嬉しくて。

まさか、教えてくれるなんて思わなかったから嬉しくて。

この時の私は、本当に幸せいっぱいだった。

「じゃあ、誘うんだよ。」

「うん。頑張ってみるよ。」

「頑張れ。」

「ありがとう。じゃあね」

「バイバイ」

そう言って私達は別れた。

家に帰って考える。

かけてみたら、でるかな?

出たりするかな?

私は、勇気を出して発信ボタンを押した。

「もしもし」でたー。

「もしもし」

「さっきの人だね。」

「あの、さっきは番号教えてくれてありがとう。」

「うん。」

「あのさ、明日。もしよかったら一緒に帰れませんか?」

「あぁ、友紀が休みだったらいいよ。」

「本当ですか?」

「うん、いいよ」

「じゃあ、もし休みだったら一緒に帰りましょう。」

「わかった。」

「電話します。」

「うん、わかった。」

そう言って電話を切った。

祐希ちゃんと万由にすかさずメールを送る。

[明日、友達が休みだったら一緒に帰れるって]

[まじで、明日で学校終わりだからいいじゃん。頑張れ]

[頑張る]

[ついでに、告白だね。]

[うん、帰りながらしてみる。]

[頑張れー。]


[ありがとう。]

そう言ってメールが終わった。

嬉しくて、嬉しくて飛びはねそうだ。

ヤバいよ。緊張するよ。

でも、頑張るよ。

付き合えたら、初めての彼氏ですよ!

ワクワクがとまらないまま、私は朝を迎えた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

降っても晴れても

凛子
恋愛
もう、限界なんです……

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

処理中です...