虹色の恋

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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ファーストキス

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次の日、学校に行くと彼の友達はお休みでした。
よかった。一緒に帰れる!
部活が終わると彼に電話をした。

「今日、番号聞いた扉で待ってるね。」

「うん、わかった。」

そう言って私は、彼を待っていた。友達に頑張れって応援されて、友達はみんな帰ってしまった。

彼は、最後に出てきた。

「ごめん、遅くなって」

「ううん。」

「じゃあ、帰ろうか?」

「うん。」

クラブ活動が終わり、一緒に帰る。海を見に行こうかって話になって、他愛もない話をしながら歩く。海辺についた、シチュエーションはバッチリじゃない?

私は、夕日に染まる海を見ながら

「私、入学式から林君が好きです。」と言ってしまった。

「付き合いたいって事?」

「はい。」

そう言うと彼は、OKをくれた。

そっと手を繋いでくれる。

好きな人と、こんな風にデートした事が今までなかった私は幸せだった。

話をするうちに、私の思ってる付き合うと彼の思ってる付き合うが違う気がしてきた。私の付き合うは、手を繋いで歩いたり、デートしたりって感じなのだけど、彼の付き合うは、キスしたり、肌を重ねたりする大人な付き合うを求めているようだった。

手を繋いで、海辺までやってきて、好きな人の顔が近くにあるだけでこんなに幸せなのに…。長身の彼は、少しかがんで私と話をしてくれてる。夢見心地。

でも、初デートのいいムードを察知したのか彼が突然私にキスをしようとしてきた。

ファーストキスは、大事にしたいです。

「いや、まだ早いです。」と断った私。もう家に帰りたくて家に帰ると言った。

手を繋いでくれて、相変わらず彼は私を覗き込みながら話してくれる。ドキドキして口から心臓が出そうだ。

そしたら突然、「君の家に行きたいな」と言われた。

家に来て何を企んでるんだと思う気持ちがあったけど、好きだから断れなくて…。

「今日は、誰もいないからいいよ」って言ってしまった。

彼を家に招き入れた、また、他愛もない話をした。なのに急に顔を近づけてキスをしようとしてくる。

「いや、まだちょっと」そう言ったのに、「もう、それはいいから」とキスをされてしまった。

ファーストキス、好きだけどさ。
好きだけどさ。もっと、大事にされたかった。

しかも、ファーストキスってレモンの味とか言うけどさ。

しないし。

嘘だし。

何か、全然よくないけど。


キスをしてくれたからと、彼はそれより、先に進もうとしてきた。「まだ早すぎる」と言って断った。

彼は、長さじゃないよと何度も説得してきたけど、私は大切にされたいだけだよ。

わかってくれないけど…。

それから、彼はすこし休んでから「帰るよ」って帰っていった。

「気を付けてね」

「うん。」

あんなにときめいてたはずなのに、帰ってくれて正直ホッとしていた。

何か私、林君嫌いになりそう。

何か無理だ。

私に、林君は無理だよ。

あの一回のデートの後は、電話だけの関係になった。

彼は、交際してすぐに、部活をやめた。クラスは違うから、学校では会わずにすんでいた。

もちろん、会わずにすむ為の努力もしてた。

会わないのは楽だけど…。

いい加減こんな日々終わらせなくちゃいけないよね。

付き合ってから、一週間目の今日。

この恋を手放す事を決めた。

いつもの電話の流れで、別れをうまく切りだそう。

正直、毎回電話で話すのもうんざりしていた。

他愛ない会話をしている流れで私は切り出した。

今日は、学校も休みだしゆっくり話せるから
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