虹色の恋

三愛 紫月 (さんあい しづき)

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終わったよ。

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落ち着かなくて、気づいたら鞄から、いちごミルク飲んでた。

はっ?ヤバい。

中毒性だ。

「終わったよ。」美羽に声をかけられて顔を上げた。

「お疲れさま」

「りり、それ好きだね」いちごミルクをさして笑う。

「そうなの。」気付いたら飲んでたとは言えない。

「じゃあ、行く。」青君と話したい。

「次はね、国語。自習だからついてくる?」

「うん。」

「レインボーもくるよ。その前に、それは飲まなきゃね」

「あっ、うん。」私は、頑張っていちごミルクを飲み干した。

廊下のゴミ箱に捨てる。

自習なら、話せる。

青君と話せる。

嬉しくて、たまらない。

美羽に連れられて、教室にはいる。

「あー。自習だからきたの?こっち座る?」紫悠君が、私と美羽に気付き声をかける。

この授業は、紫悠君と、藍野くんと青君だけが受けていた。

私は、青君の前に座った。

向い合わせで座れた。

かっこいい、ドキドキする。

美羽は、気付いてない。

でも、青君と大橙君は従兄弟なんだよね。

美羽に気持ちを話したら、協力してもらえたりするのかな?

キーンコーンカーンコーン、チャイムが鳴った。

プリントをする。どうやら、漢字辞典で何か調べろって話らしい。

青君が、私に辞典を渡してきた。

「えっと…」

「これ、調べて」そう言って、プリントを指さした。

長くて綺麗な指。

私は、調べて渡す。

「ありがとう。」それを何度も繰り返してプリントが終わった。

紫悠君が、「プリント終わったやつから、休憩早くできるらしいよ」と言った。

「終わった」青君が言ったら、みんな見せてって…。

結局、みんなにプリントを見せて教壇にプリントを出して教室を後にした。

「パンでも買いに行こう」藍野君と紫悠君が話しながら消えていく。

「学食食べるの?」私は、青君にたずねる。

「今日は、大橙[はると]いないからいいわ。俺もパンでも買いに行くよ」と笑った。

「そっか。」

「うん、さっきはありがとう」

「ううん。」

「じゃあ、また」

そう言って青君は、二人を追いかけて言った。

「青君にしたら、珍しく話すね」近くに居た美羽が話してきた。

「そうなの?」

「なんか、りりには人見知りしてないよね?私にもあんなに話さないのに…。」

「そんな事ないよ。」私は、笑って美羽に言った。

「今日は、大橙君いないから休憩つまんないなぁ。」

「そうだよね。」

美羽は、つまらなそうに歩き出す。

「あのさー。」

「うん?」

「ご飯食べたら、レインボーのとこに行ってもいい?」

「いいよ。6人はいるし、紫悠君とは話せるからね。」

「あっ、私。紫悠君、好きなように見えてる?」

「見えてるよ。向こうもりりと仲良くしてくれてるから、よかったね。」

「あっ、そっか。」

否定出来なかった。

見えてるんだ。

あんなに頑張って、青君に話かけてるのに…。

青君は、話しやすいと思ってくれてるのかな?

人見知りなのに、よく話してるって…。

「私もパン買ってくるわ!りりは?」

「おにぎり買ってきたから」

「そか。じゃあ、先食べてて」

「うん。」美羽を見送った。

外に出て、おにぎりを食べる。

梅干しだったの忘れてた。

酸っぱい。

何だろう、涙でてきた。

違う人を好きだと思われてる。

最初からこの恋は、違う方向に向かってる。

止めたいのに、止まらない。

好きが、溢れて止まらない。

こんなに一気に熱を帯びたら冷めるのなんて早いんじゃないの。

おにぎりを無理矢理食べた。

美羽が帰ってくるまでに、涙を止めなきゃ。

頑張れ、私。

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