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第103話 喧嘩は良くないと思います!
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◇ ―― ミウちゃんSide ―― ◇
ユウタのプレミアム会員になって例の生配信を見た。想像していた何倍も過激で、胸がキュンキュンする素敵な内容だった。でもチャットで応援する事しか出来ない自分が寂しかった……。
そして動画の中には気になる存在が居た。バニーちゃんと呼ばれる銀髪の女だ。今までの動画では出演していなかった新キャラ……。
「う~ん、容姿も声もアリスとしか思えないんだよね~」
生配信が終わった後、アーカイブを見直してみたけどアリスにしか思えなかった。
「……出ないかぁ~。やっぱ今頃ユウタとお楽しみなのかな……」
何度も電話を掛けてみたけど繋がらなかった。その日は悶々としながらユウタの動画をおかずにして自分を慰めて眠ったのだった。
翌朝、アリスから電話が掛かって来た。
「もしも~し」
「アリスですわ。昨晩は電話に出れなくてごめんなさいね」
何件もある着信履歴を見て掛けてくれたっぽい。……うん、寝起きだけど目が覚めた。
「あんたさー、この前はユウコちゃんって女と付き合ってるって言ってなかったっけ? どうしてユウタと寝てんのよ?」
「う゛っ……やっぱり美羽にはお見通しでしたのね。ええ、ユウコちゃんと結婚しますの」
「んん? 何言ってんの?」
「実は……」
内容を詳しく聞くと、例のユウコちゃんという女は女装したユウタだったらしい。それを聞いた瞬間、何であーしじゃ無いんだろうってショックだった。ああ、テル君といいユウタといい、あーしには男運が無いようだ。
幸せそうに惚気るアリスにイライラしていたところ、話が変わった。
「そんな美羽に朗報ですわ。満場一致で美羽のユウコちゃんハーレム入りが決まりましたの。良かったですわね」
「……どういう事?」
満場一致でユウコちゃんハーレム入り? 何を言っているんだコイツは。
「夏子お姉様も桜ちゃんも、そして私もだけど、美羽がユウコちゃんのお嫁さんになる事に賛成したという事ですわ。それに何より、ユウコちゃんが美羽の事が好きになっちゃって大変なのですわ」
「ユウタがあーしを求めてる?」
「そうですわ! 昨夜だって美羽の名前を呼んでいたでしょ? あの後大変だったのですわ。桜ちゃんが暴走して……」
詳しく聞くと、生配信であーしの名前が出た事でユウタの嫁が暴走してしまい、ユウタのお尻が大変な事になったらしい。めっちゃウケル!
「それでね、桜ちゃんにイジメられて悲しんでるユウコちゃんを慰めて上げて欲しいのですわ」
「えっ? それってもしかしてユウタに会わせてくれるってこと!?」
「ええ、そうですわ。住所を教えるから慰めて来て下さいまし。ふふ、美羽は私のお友達だから問題無いって説得するの大変だったのですからね。先走って変な事しちゃダメですわよ?」
「オッケー!! さすがアリス、あーしの親友だね!」
そうしてあーしは、お尻を痛めて悲しんでいるユウタを慰めるため、ユウタのお家へ向かったのだった。……まさかあそこに、宿敵であるロリババアが居るなんて思ってもみなかったけどね!
◇ ―― ユウタ君Side ―― ◇
ボクがお嫁さん3人にメチャクチャ愛された翌日、玄関ドアの外で言い争う声が聞こえた。聞き覚えのある声だったので様子を見て見たら、なんと恵美さんとミウちゃんが居たのでした!!
「ユウタ!!」
「うわっ! み、ミウちゃん!?」
「ちょ、離れなさいよー!」
ボクと目が合ったミウちゃんは、玄関ドアをこじ開けてボクに抱きついて来ました。柑橘系の良い香りと大きなお胸の感触が堪りませんね。恵美さんがボクからミウちゃんを引き剝がそうと必死だけど、しばらくこの感触を堪能しちゃいましょう。……幸せです。
しばらく抱き合った後、そっと離れてくれました。恵美さんの目がピクピクしてます。これはあれです、憧れていたアイドルに初めて逢った感じですよ。誤解しないで下さいね!!
「ユウタやっと逢えたね! うん、モニター越しに見るより100倍カッコイイよ~」
「うへへ、ミウちゃんもすっごく綺麗で驚いちゃいました」
うん、ミウちゃんもモニターで見るよりずっとずっと素敵です。ああ、心がぴょんぴょんするんじゃー!
「うはっ、これってもうプロポーズっしょ? よし、結婚しよっか!」
「はいっ!!」
ニコニコの笑顔で見つめて来るミウちゃんが可愛いですね。キスしたいです。結婚って言われて勢いでオッケーしちゃったけど、良いよね♪
「『はいっ!!』じゃな~いっ! ユウ君目を覚まして!!」
「うひゃ~」
蚊帳の外になった恵美さんがボク達の仲を引き裂いてしまいました。ううぅ……ミウちゃん。
さすがに玄関先でイチャイチャする訳にもいかず、リビングへ案内してお茶を出します。暑いからアイスティーにしました。ふふ、最近はアイスティーを上手に淹れる事が出来るようになったのです。
それにしてもどうして二人がうちに来たのだろうか? ちょっと聞いてみよう。
「あのあの、どうしてお二人がここに居るんでしょうか?」
ボクの正面に恵美さんが座り、その隣にミウちゃんが座っています。二人がボクの隣に座ろうと醜い争いをしていたので、打開策としてこうなりました。二人は仲が悪いのかな?
「そうよそうよ、あんた何でうちに居るのよ?」
「さっきも言ったけど、アリスから連絡受けて来たの! ほらこれ、嘘じゃないっしょ?」
ミウちゃんとアリスさんは知り合いなのだろうか? ミウちゃんから差し出されたスマホを見ると、つい2時間前にアリスさんとメッセージのやり取りをした記録があった。どうやら最初アリスさんから電話が来て、その後にボクへの説明用にメッセージを残していたようです。
隠すことなく全部見せてくれました。それを見ると、アリスさん経由で住所を教えていたようですね。ふむふむ、アリスさんとミウちゃんは親友なのか。……あれ、満場一致でユウコちゃんハーレム入りですか? つまり……お付き合いして良いんですね!!
「ちょっとどういう事よ! 夏っちゃんからユウ君が落ち込んでるから慰めて上げてって言われて来て見たら、あんたが私達の仲間入り!? あたしは認めないからね!!!」
「はぁ!? あんたに認められる必要ありませ~ん。ね~、ユウタ?」
「えっ? あの、その……」
どうやらミウちゃんはアリスさん経由で、恵美さんは夏子さん経由でボクを慰めに来てくれたようですね。そっか、きっとお尻クチュクチュの翌日で気分が落ち込んでいるボクを心配してくれたんだね。
う~む、二人は何で仲が悪いのだろうか? そこが良く分からない。二人は汚い言葉で罵り合っている。ビッチとかロリババアとか、良く分からない単語がいっぱいですね。ここはボクが仲裁するしかないな!
「もうやめて!! 二人してボクを取り合わないでっ!!」
「……」
「……」
ふふふ、男らしくビシッと言ってあげました。二人ともポカーンとした顔が可愛いですね。このセリフって男が言うものじゃない気がするけど、良い演技が出来ました♪
「ボクは二人が大好きです。そんな二人が喧嘩していてボクは悲しいです。その、何で二人は仲が悪いんですか?」
「……だって、いつもあーしの邪魔して来るし」
「いや、邪魔して来るのはあんたでしょ!? テル君にベタベタして嫌われた癖に」
「はぁ!? そっちが急に脱ぎだしてテル君に迫ったんだろ!?」
「脱いでませ~ん! ちょっとテル君にアピールしただけで~す」
「……」
また言い争いが始まってしまった。テル君って確かホストクラブの人だよね。はは~ん、ユウタ理解した。つまり二人は同じホストクラブに通ってテル君を取り合っていたのだ。なるほどね~。
「二人とも、ボクよりもテル君が良いんですね……」
「ち、違うよユウタ! あーしはユウタ一筋だから!!」
「私もユウ君しか見えないよ! ユウ君愛してる~」
ボクが寂しそうに言うと、二人が喧嘩を止めてボクに抱き着いてきた。
「ボクはミウちゃんも恵美さんも同じくらい好きです。だから喧嘩しないで下さい……。ボクの大好きな人が喧嘩するのは、悲しいです」
「ユウタ……」
「ユウ君……」
ボクが出来る事と言ったら皆を平等に愛する事だけだ。
今までモニター越しに見る事しか出来なかった憧れのミウちゃん。
ボクを優しく甘やかしてくれる優しいお姉さんである恵美さん。
そんな二人が喧嘩するのは見たくない。うん、ボクの周りに居る女性には笑って居て欲しいのです。
「べ、別にあーしはもうあんたの事は何とも思ってないし。ちょっと昔の事を思い出しちゃっただけだからさ、その……ゴメン」
「……私もちょっと熱くなっちゃったわ。その、ごめんなさい」
二人とも照れくさそうにモジモジしながら謝っていた。ふふ、このツンデレさんめ!
よし、今以上に仲良くして貰うためにサービスしてあげようかな!
「ふふ、やっぱり二人は怒ってる顔より笑顔が素敵です。これからも笑顔で居て下さいね! よし、仲直りのチューをして下さい」
「えっ? コイツと?」
「嫌よ、ユウ君。女同士でキスとか無いからね?」
「そ、そうなんですか……」
女性ばかりの世界だから女性同士のキスとか多いのかと思ったけど違うのか。
……よく考えてみよう。もし男性ばかりの世界があったとして、ボクは男性とキスをするだろうか? うん、無いね!!
「じゃあじゃあ、ボクを通して間接的に仲直りのキスしましょう。じゃあ恵美さんからですよ」
「もう、ユウ君がキスしたいだけじゃない。行くわよ……んっ」
久しぶりの恵美さんのキスは、安らぎを与えてくれる優しいキスだった。
「じゃあ次はミウちゃんの番ですよ。良いですか?」
「うっ、……い、良いよ! あーしの初めてユウタに上げる!!」
なんだと!? ミウちゃんはファーストキスなのか!! よし、思い出に残るように甘いキスをしよう。ミウちゃんをギュッと抱きしめて、優しく顔を引き寄せる。ああ、近くで見ても凄い美人さんです。
「ミウちゃん、大好きです」
「ユウタ、大好きだよ。……んっ」
目を閉じて、ゆっくりと唇を合わせた。緊張しているのかミウちゃんの唇は震えていた。プルンとした柔らかい唇が気持ち良い。
ミウちゃんは息を止めているようです。名残惜しいけどこのくらいで終わりにしよう。そっと唇を離した。
「ユウタとキスしちゃった。嬉しくてもう死んじゃうかもしんない……」
「ふふふ、これで二人とも仲直りですね! もう喧嘩しちゃダメですよ?」
「オッケーオッケー!」
「うん、あーしはユウタに従います」
あれ、何かちょっとミウちゃんの様子がおかしくなっちゃったけど大丈夫だよね?
そうして無事、二人の仲直りが出来たのであった。……あれ、ボクを慰める会じゃなかったっけ?
ユウタのプレミアム会員になって例の生配信を見た。想像していた何倍も過激で、胸がキュンキュンする素敵な内容だった。でもチャットで応援する事しか出来ない自分が寂しかった……。
そして動画の中には気になる存在が居た。バニーちゃんと呼ばれる銀髪の女だ。今までの動画では出演していなかった新キャラ……。
「う~ん、容姿も声もアリスとしか思えないんだよね~」
生配信が終わった後、アーカイブを見直してみたけどアリスにしか思えなかった。
「……出ないかぁ~。やっぱ今頃ユウタとお楽しみなのかな……」
何度も電話を掛けてみたけど繋がらなかった。その日は悶々としながらユウタの動画をおかずにして自分を慰めて眠ったのだった。
翌朝、アリスから電話が掛かって来た。
「もしも~し」
「アリスですわ。昨晩は電話に出れなくてごめんなさいね」
何件もある着信履歴を見て掛けてくれたっぽい。……うん、寝起きだけど目が覚めた。
「あんたさー、この前はユウコちゃんって女と付き合ってるって言ってなかったっけ? どうしてユウタと寝てんのよ?」
「う゛っ……やっぱり美羽にはお見通しでしたのね。ええ、ユウコちゃんと結婚しますの」
「んん? 何言ってんの?」
「実は……」
内容を詳しく聞くと、例のユウコちゃんという女は女装したユウタだったらしい。それを聞いた瞬間、何であーしじゃ無いんだろうってショックだった。ああ、テル君といいユウタといい、あーしには男運が無いようだ。
幸せそうに惚気るアリスにイライラしていたところ、話が変わった。
「そんな美羽に朗報ですわ。満場一致で美羽のユウコちゃんハーレム入りが決まりましたの。良かったですわね」
「……どういう事?」
満場一致でユウコちゃんハーレム入り? 何を言っているんだコイツは。
「夏子お姉様も桜ちゃんも、そして私もだけど、美羽がユウコちゃんのお嫁さんになる事に賛成したという事ですわ。それに何より、ユウコちゃんが美羽の事が好きになっちゃって大変なのですわ」
「ユウタがあーしを求めてる?」
「そうですわ! 昨夜だって美羽の名前を呼んでいたでしょ? あの後大変だったのですわ。桜ちゃんが暴走して……」
詳しく聞くと、生配信であーしの名前が出た事でユウタの嫁が暴走してしまい、ユウタのお尻が大変な事になったらしい。めっちゃウケル!
「それでね、桜ちゃんにイジメられて悲しんでるユウコちゃんを慰めて上げて欲しいのですわ」
「えっ? それってもしかしてユウタに会わせてくれるってこと!?」
「ええ、そうですわ。住所を教えるから慰めて来て下さいまし。ふふ、美羽は私のお友達だから問題無いって説得するの大変だったのですからね。先走って変な事しちゃダメですわよ?」
「オッケー!! さすがアリス、あーしの親友だね!」
そうしてあーしは、お尻を痛めて悲しんでいるユウタを慰めるため、ユウタのお家へ向かったのだった。……まさかあそこに、宿敵であるロリババアが居るなんて思ってもみなかったけどね!
◇ ―― ユウタ君Side ―― ◇
ボクがお嫁さん3人にメチャクチャ愛された翌日、玄関ドアの外で言い争う声が聞こえた。聞き覚えのある声だったので様子を見て見たら、なんと恵美さんとミウちゃんが居たのでした!!
「ユウタ!!」
「うわっ! み、ミウちゃん!?」
「ちょ、離れなさいよー!」
ボクと目が合ったミウちゃんは、玄関ドアをこじ開けてボクに抱きついて来ました。柑橘系の良い香りと大きなお胸の感触が堪りませんね。恵美さんがボクからミウちゃんを引き剝がそうと必死だけど、しばらくこの感触を堪能しちゃいましょう。……幸せです。
しばらく抱き合った後、そっと離れてくれました。恵美さんの目がピクピクしてます。これはあれです、憧れていたアイドルに初めて逢った感じですよ。誤解しないで下さいね!!
「ユウタやっと逢えたね! うん、モニター越しに見るより100倍カッコイイよ~」
「うへへ、ミウちゃんもすっごく綺麗で驚いちゃいました」
うん、ミウちゃんもモニターで見るよりずっとずっと素敵です。ああ、心がぴょんぴょんするんじゃー!
「うはっ、これってもうプロポーズっしょ? よし、結婚しよっか!」
「はいっ!!」
ニコニコの笑顔で見つめて来るミウちゃんが可愛いですね。キスしたいです。結婚って言われて勢いでオッケーしちゃったけど、良いよね♪
「『はいっ!!』じゃな~いっ! ユウ君目を覚まして!!」
「うひゃ~」
蚊帳の外になった恵美さんがボク達の仲を引き裂いてしまいました。ううぅ……ミウちゃん。
さすがに玄関先でイチャイチャする訳にもいかず、リビングへ案内してお茶を出します。暑いからアイスティーにしました。ふふ、最近はアイスティーを上手に淹れる事が出来るようになったのです。
それにしてもどうして二人がうちに来たのだろうか? ちょっと聞いてみよう。
「あのあの、どうしてお二人がここに居るんでしょうか?」
ボクの正面に恵美さんが座り、その隣にミウちゃんが座っています。二人がボクの隣に座ろうと醜い争いをしていたので、打開策としてこうなりました。二人は仲が悪いのかな?
「そうよそうよ、あんた何でうちに居るのよ?」
「さっきも言ったけど、アリスから連絡受けて来たの! ほらこれ、嘘じゃないっしょ?」
ミウちゃんとアリスさんは知り合いなのだろうか? ミウちゃんから差し出されたスマホを見ると、つい2時間前にアリスさんとメッセージのやり取りをした記録があった。どうやら最初アリスさんから電話が来て、その後にボクへの説明用にメッセージを残していたようです。
隠すことなく全部見せてくれました。それを見ると、アリスさん経由で住所を教えていたようですね。ふむふむ、アリスさんとミウちゃんは親友なのか。……あれ、満場一致でユウコちゃんハーレム入りですか? つまり……お付き合いして良いんですね!!
「ちょっとどういう事よ! 夏っちゃんからユウ君が落ち込んでるから慰めて上げてって言われて来て見たら、あんたが私達の仲間入り!? あたしは認めないからね!!!」
「はぁ!? あんたに認められる必要ありませ~ん。ね~、ユウタ?」
「えっ? あの、その……」
どうやらミウちゃんはアリスさん経由で、恵美さんは夏子さん経由でボクを慰めに来てくれたようですね。そっか、きっとお尻クチュクチュの翌日で気分が落ち込んでいるボクを心配してくれたんだね。
う~む、二人は何で仲が悪いのだろうか? そこが良く分からない。二人は汚い言葉で罵り合っている。ビッチとかロリババアとか、良く分からない単語がいっぱいですね。ここはボクが仲裁するしかないな!
「もうやめて!! 二人してボクを取り合わないでっ!!」
「……」
「……」
ふふふ、男らしくビシッと言ってあげました。二人ともポカーンとした顔が可愛いですね。このセリフって男が言うものじゃない気がするけど、良い演技が出来ました♪
「ボクは二人が大好きです。そんな二人が喧嘩していてボクは悲しいです。その、何で二人は仲が悪いんですか?」
「……だって、いつもあーしの邪魔して来るし」
「いや、邪魔して来るのはあんたでしょ!? テル君にベタベタして嫌われた癖に」
「はぁ!? そっちが急に脱ぎだしてテル君に迫ったんだろ!?」
「脱いでませ~ん! ちょっとテル君にアピールしただけで~す」
「……」
また言い争いが始まってしまった。テル君って確かホストクラブの人だよね。はは~ん、ユウタ理解した。つまり二人は同じホストクラブに通ってテル君を取り合っていたのだ。なるほどね~。
「二人とも、ボクよりもテル君が良いんですね……」
「ち、違うよユウタ! あーしはユウタ一筋だから!!」
「私もユウ君しか見えないよ! ユウ君愛してる~」
ボクが寂しそうに言うと、二人が喧嘩を止めてボクに抱き着いてきた。
「ボクはミウちゃんも恵美さんも同じくらい好きです。だから喧嘩しないで下さい……。ボクの大好きな人が喧嘩するのは、悲しいです」
「ユウタ……」
「ユウ君……」
ボクが出来る事と言ったら皆を平等に愛する事だけだ。
今までモニター越しに見る事しか出来なかった憧れのミウちゃん。
ボクを優しく甘やかしてくれる優しいお姉さんである恵美さん。
そんな二人が喧嘩するのは見たくない。うん、ボクの周りに居る女性には笑って居て欲しいのです。
「べ、別にあーしはもうあんたの事は何とも思ってないし。ちょっと昔の事を思い出しちゃっただけだからさ、その……ゴメン」
「……私もちょっと熱くなっちゃったわ。その、ごめんなさい」
二人とも照れくさそうにモジモジしながら謝っていた。ふふ、このツンデレさんめ!
よし、今以上に仲良くして貰うためにサービスしてあげようかな!
「ふふ、やっぱり二人は怒ってる顔より笑顔が素敵です。これからも笑顔で居て下さいね! よし、仲直りのチューをして下さい」
「えっ? コイツと?」
「嫌よ、ユウ君。女同士でキスとか無いからね?」
「そ、そうなんですか……」
女性ばかりの世界だから女性同士のキスとか多いのかと思ったけど違うのか。
……よく考えてみよう。もし男性ばかりの世界があったとして、ボクは男性とキスをするだろうか? うん、無いね!!
「じゃあじゃあ、ボクを通して間接的に仲直りのキスしましょう。じゃあ恵美さんからですよ」
「もう、ユウ君がキスしたいだけじゃない。行くわよ……んっ」
久しぶりの恵美さんのキスは、安らぎを与えてくれる優しいキスだった。
「じゃあ次はミウちゃんの番ですよ。良いですか?」
「うっ、……い、良いよ! あーしの初めてユウタに上げる!!」
なんだと!? ミウちゃんはファーストキスなのか!! よし、思い出に残るように甘いキスをしよう。ミウちゃんをギュッと抱きしめて、優しく顔を引き寄せる。ああ、近くで見ても凄い美人さんです。
「ミウちゃん、大好きです」
「ユウタ、大好きだよ。……んっ」
目を閉じて、ゆっくりと唇を合わせた。緊張しているのかミウちゃんの唇は震えていた。プルンとした柔らかい唇が気持ち良い。
ミウちゃんは息を止めているようです。名残惜しいけどこのくらいで終わりにしよう。そっと唇を離した。
「ユウタとキスしちゃった。嬉しくてもう死んじゃうかもしんない……」
「ふふふ、これで二人とも仲直りですね! もう喧嘩しちゃダメですよ?」
「オッケーオッケー!」
「うん、あーしはユウタに従います」
あれ、何かちょっとミウちゃんの様子がおかしくなっちゃったけど大丈夫だよね?
そうして無事、二人の仲直りが出来たのであった。……あれ、ボクを慰める会じゃなかったっけ?
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