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トールとおしゃべり
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いつもの教室。
朝はやはり賑やか。
空は鉛色の雲が広がっている。
今にも泣きそうだ。
モブのトールから本を借りた。
クララは元々読書が好きだったので、本を読破した。
(隣国の英雄の話だわ)
トールの趣味が読書というのも概ね原作通り。
ヒロインも趣味は読書とあったけど……。
そこで読書好きという事で意気投合する。
しかし、ヒロインはハッサンを選んだ。
ハッサンの趣味は釣り。
(あれ? ヒロインって釣り好きだったっけ?)
クララは読書が好き。
生前は聖書を始めとした哲学書から医学書や歴史書、小説、マンガまで幅広く読んでいた。
(でも、クララの趣味は料理なんだよね)
とはいはえ、クララは料理は生前からできていた。
そう。漁師の娘だったので、魚料理なら何でもお任せあれ、だった。
しかし、魔法料理は外道だと思い、一切合切しなかった。
ハッサンは魔法料理が得意なヴァネッサを選んだ。
(精魂込めた手作り料理が嫌いだなんて可哀想な人)
勿論、弁当もクララの手作り。
本当はメイドが作るのが仕事なのだが、クララ自身料理を作るのが好きなので譲らない。
この日は本を借りたと同時にトールにもお弁当を作ってきた。
(トール。喜んでくれるかしら?)
勿論、味には自信がある。
異世界は調味料も決められているけれど、それでも料理には自信があった。
トールは既に登校していた。
そして、普段通り、読書をしている。
「トール、おはよう」
「ああ、おはようクララ」
ふと、その時だった。
「ねぇ、知ってるぅ? クララって娼婦なのよ」
と、聞こえよがしにチャタが言った。
(なっ……なんなのよ)
「うんうん、残念ながらそうなのよね」
とヴァネッサ。
ちなみに、原作の中でのクララは勿論娼婦ではない。
ただ、娼婦という噂は立っている。
火の無いところに煙は立たないとは言うけれど、これは松田樹利亜が考えた世界。
どうも抗えない気がした。
(我慢。我慢よ。だって私、本当に娼婦じゃないんだから)
「あの人。また身体を売るつもりなのかしらね?」
と、シンディ。
例え平民であろうと、異性と一緒にいるのが彼女たちには面白くないのでしょう。
「気にしない方がいいよ」
トールが、優しい言葉をかけてくれたのだ。
「ありがとう、トール……でね」
クララは続けた。
「この本、良かったわ!! ヴァレンティ王国は聖騎士、ドナルドの活躍があってこそ……だったのね」
ドナルドはヴァレンティ王国の建国に携わっただった聖騎士だった。
元修道士。それから騎士になった。
回復魔法が使えた騎士だった。
「それとね……これ」
クララは弁当をトールに手渡した。
「これ……」
「お弁当よ。私が作ったの」
「ありがとう」
トールは弁当を受け取ってくれた。
朝はやはり賑やか。
空は鉛色の雲が広がっている。
今にも泣きそうだ。
モブのトールから本を借りた。
クララは元々読書が好きだったので、本を読破した。
(隣国の英雄の話だわ)
トールの趣味が読書というのも概ね原作通り。
ヒロインも趣味は読書とあったけど……。
そこで読書好きという事で意気投合する。
しかし、ヒロインはハッサンを選んだ。
ハッサンの趣味は釣り。
(あれ? ヒロインって釣り好きだったっけ?)
クララは読書が好き。
生前は聖書を始めとした哲学書から医学書や歴史書、小説、マンガまで幅広く読んでいた。
(でも、クララの趣味は料理なんだよね)
とはいはえ、クララは料理は生前からできていた。
そう。漁師の娘だったので、魚料理なら何でもお任せあれ、だった。
しかし、魔法料理は外道だと思い、一切合切しなかった。
ハッサンは魔法料理が得意なヴァネッサを選んだ。
(精魂込めた手作り料理が嫌いだなんて可哀想な人)
勿論、弁当もクララの手作り。
本当はメイドが作るのが仕事なのだが、クララ自身料理を作るのが好きなので譲らない。
この日は本を借りたと同時にトールにもお弁当を作ってきた。
(トール。喜んでくれるかしら?)
勿論、味には自信がある。
異世界は調味料も決められているけれど、それでも料理には自信があった。
トールは既に登校していた。
そして、普段通り、読書をしている。
「トール、おはよう」
「ああ、おはようクララ」
ふと、その時だった。
「ねぇ、知ってるぅ? クララって娼婦なのよ」
と、聞こえよがしにチャタが言った。
(なっ……なんなのよ)
「うんうん、残念ながらそうなのよね」
とヴァネッサ。
ちなみに、原作の中でのクララは勿論娼婦ではない。
ただ、娼婦という噂は立っている。
火の無いところに煙は立たないとは言うけれど、これは松田樹利亜が考えた世界。
どうも抗えない気がした。
(我慢。我慢よ。だって私、本当に娼婦じゃないんだから)
「あの人。また身体を売るつもりなのかしらね?」
と、シンディ。
例え平民であろうと、異性と一緒にいるのが彼女たちには面白くないのでしょう。
「気にしない方がいいよ」
トールが、優しい言葉をかけてくれたのだ。
「ありがとう、トール……でね」
クララは続けた。
「この本、良かったわ!! ヴァレンティ王国は聖騎士、ドナルドの活躍があってこそ……だったのね」
ドナルドはヴァレンティ王国の建国に携わっただった聖騎士だった。
元修道士。それから騎士になった。
回復魔法が使えた騎士だった。
「それとね……これ」
クララは弁当をトールに手渡した。
「これ……」
「お弁当よ。私が作ったの」
「ありがとう」
トールは弁当を受け取ってくれた。
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