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悪い噂
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いつも通り学園に行くと、様子がおかしい。
サーラが教室に入るなり、ブリジットが何やら騒ぎ立てている。
「ねぇ~。Sってば淫売して王侯貴族の虜になろうとしているのよ」
「最悪~」
と、ブリジットの友人たち。
「大丈夫よ。私は信じないわ」
そこへ茶髪を2つに分け、三編みをした女性が現れた。
親友のカミーユだ。
「カミーユ!」
「カミーユ。そいつはね、淫売してアーチュウ殿下に取り入ろうとしたのよ」
しかし、カミーユは動じない。
「そんなわけないわ、ブリジット。嘘を言うのはやめて」
透き通るソプラノの声。
「アーチュウ殿下は私の婚約者よ。それを奪おうとしていたのよ」
何嘘を言う。
奪ったのはどちらだ。
「アーチュウ殿下に浮気したのはそっちじゃないか!」
アドンも反発する。
それは突如、婚約破棄を突きつけられたアドンとしてもたまったものではない。
「何よ熊。あんたは山へお帰り」
ブリジットは薄ら笑いを浮かべながらアドンをやり過ごそうとしている。
アドンの肩が揺れている。
とはいえ、アドンとブリジットの婚約は学園の中でも有名だった。
アドンとしては立場が無い。
「大食らいの馬鹿男。見るも無惨な豚さんね。そんな豚野郎なんかと誰が結婚すると思っているの?」
と言って鼻を持ち上げ、『ブヒブヒ』と言い出した。
それを見て、クラス一同が笑っている。
「そういや、その豚野郎とサーラはお似合いね。あ~。でもサーラは娼婦だからアドンよりもハイスペックな男に取り入るか」
ブリジットの右腕とも言われるコレットが言った。
深緑色の髪につり上がった目。いじめっ子そのものの顔だ。
「俺はサーラなんかアウトオブ眼中だ!」
サーラの心臓は一瞬高鳴った。
「ねぇ、コレット。アドンも悪足掻きしているわよ」
茶髪を逆立てた短い髪、まるまると太った身体。やはり、熊そのものだ。
「ねぇ。本当は二人がくっつけば良いのにね」
と言ってクラス中が笑いの渦になった。
「やめなさいよ! アドンだってアドンの好きな人がいるし、サーラだってサーラの好きな人がいるのよ。お似合いだなんて容易く言わないで」
牽制に入ったのはやはりカミーユだった。
「そんなカミーユこそアドンとお似合いじゃないの?」
再びクラスは笑いの渦。
サーラは我慢がならなかった。アドンと婚約破棄すればサーラとお似合いだのカミーユとお似合いだの、あまりにも恣意的だ。
「もうやめてよ! 婚約者を奪ったのはどちらよ、ブリジット」
「何よ娼婦! 娼婦が何を言っても空しいだけ。誰も信じないわよ。そこの鈍感な子爵令嬢を除いてはね」
子爵令嬢とはカミーユの事だ。
「ごめんね、カミーユ。あなたまで巻き込んでしまって」
「大丈夫よ。クラス中が敵でも私だけは味方よ。あとアドンもね」
気づけばサーラが娼婦だの淫売していただの噂をされていた。
どこまでタチが悪いんだブリジットは。自己中心的にも程がある!!
「俺も味方だ。サーラがアーチュウ殿下に淫売するとは思えない。やっぱりブリジットがアーチュウ殿下と一緒になるために俺と婚約破棄したんだ」
「ありがとう。アドン」
クラス中は嘲笑している。
「ねぇ、アドン。ブリジットに婚約破棄されたのはいきなり?」
「そうだよ。何でも俺が太ってきたから嫌になったって」
「見た目で決めつけるなんてあまりにも身勝手だわ」
とカミーユ。
「それに、二人が仲睦まじくしているのを同じ学園生なら誰しもが知っているはずよ」
そうなのだ。
アドンとブリジットの婚約は学園中でも有名だった。
「ふっ。誰かと思えばサーラお前か」
重々しいバスの声が背後から聞こえた。
長く伸びた黒髪に黒い瞳。それは史学の先生だった。
「お前は娼婦で、アーチュウ殿下に淫売していたみたいだな」
「違います! 断固否定します」
「アーチュウ殿下はサーラには興味無いらしいな」
「……」
「先生までブリジットの味方なんですか?」とカミーユ。
「当たり前だろう。王族に淫売するなど不敬甚だしい。本当なら退学処分だな」
「違うんです。ブリジットが俺との婚約を一方的に破棄してアーチュウ殿下と婚約をしていたんです」
「何を言うんだアドン。きみは飽きられただけではないか。そんなに丸太棒みたいに太れば嫌われるのは必然だろう」
サーラは怒りがこみ上げてきた。
「違うんです。アーチュウ殿下の婚約者は元々は私の姉だったんです」
「だから何だって言うんだね?」
「先生! アーチュウ殿下とサーラの結婚は決まっていた事なんですよ。それを邪魔したのがブリジットなんです」
「しかし、クラス全体がブリジットの味方では無いか。私は悪いがマイノリティの方を応援するわけにはいかないんだよ」
次の時間は史学の時間だ。
「皆さん。史学の時間だ。その前にこのクラスに王族に淫売していた人間がいるそうではないか」
史学の先生がそう言うと、クラスメイトの目のベクトルは全てサーラに向けられた。
「先生! アーチュウ殿下は私を選んでくれたんですよ」
ブリジットが勝ち誇った声で言った。
そこへ、魔法の先生、クリストフが通りかかった。
サーラが教室に入るなり、ブリジットが何やら騒ぎ立てている。
「ねぇ~。Sってば淫売して王侯貴族の虜になろうとしているのよ」
「最悪~」
と、ブリジットの友人たち。
「大丈夫よ。私は信じないわ」
そこへ茶髪を2つに分け、三編みをした女性が現れた。
親友のカミーユだ。
「カミーユ!」
「カミーユ。そいつはね、淫売してアーチュウ殿下に取り入ろうとしたのよ」
しかし、カミーユは動じない。
「そんなわけないわ、ブリジット。嘘を言うのはやめて」
透き通るソプラノの声。
「アーチュウ殿下は私の婚約者よ。それを奪おうとしていたのよ」
何嘘を言う。
奪ったのはどちらだ。
「アーチュウ殿下に浮気したのはそっちじゃないか!」
アドンも反発する。
それは突如、婚約破棄を突きつけられたアドンとしてもたまったものではない。
「何よ熊。あんたは山へお帰り」
ブリジットは薄ら笑いを浮かべながらアドンをやり過ごそうとしている。
アドンの肩が揺れている。
とはいえ、アドンとブリジットの婚約は学園の中でも有名だった。
アドンとしては立場が無い。
「大食らいの馬鹿男。見るも無惨な豚さんね。そんな豚野郎なんかと誰が結婚すると思っているの?」
と言って鼻を持ち上げ、『ブヒブヒ』と言い出した。
それを見て、クラス一同が笑っている。
「そういや、その豚野郎とサーラはお似合いね。あ~。でもサーラは娼婦だからアドンよりもハイスペックな男に取り入るか」
ブリジットの右腕とも言われるコレットが言った。
深緑色の髪につり上がった目。いじめっ子そのものの顔だ。
「俺はサーラなんかアウトオブ眼中だ!」
サーラの心臓は一瞬高鳴った。
「ねぇ、コレット。アドンも悪足掻きしているわよ」
茶髪を逆立てた短い髪、まるまると太った身体。やはり、熊そのものだ。
「ねぇ。本当は二人がくっつけば良いのにね」
と言ってクラス中が笑いの渦になった。
「やめなさいよ! アドンだってアドンの好きな人がいるし、サーラだってサーラの好きな人がいるのよ。お似合いだなんて容易く言わないで」
牽制に入ったのはやはりカミーユだった。
「そんなカミーユこそアドンとお似合いじゃないの?」
再びクラスは笑いの渦。
サーラは我慢がならなかった。アドンと婚約破棄すればサーラとお似合いだのカミーユとお似合いだの、あまりにも恣意的だ。
「もうやめてよ! 婚約者を奪ったのはどちらよ、ブリジット」
「何よ娼婦! 娼婦が何を言っても空しいだけ。誰も信じないわよ。そこの鈍感な子爵令嬢を除いてはね」
子爵令嬢とはカミーユの事だ。
「ごめんね、カミーユ。あなたまで巻き込んでしまって」
「大丈夫よ。クラス中が敵でも私だけは味方よ。あとアドンもね」
気づけばサーラが娼婦だの淫売していただの噂をされていた。
どこまでタチが悪いんだブリジットは。自己中心的にも程がある!!
「俺も味方だ。サーラがアーチュウ殿下に淫売するとは思えない。やっぱりブリジットがアーチュウ殿下と一緒になるために俺と婚約破棄したんだ」
「ありがとう。アドン」
クラス中は嘲笑している。
「ねぇ、アドン。ブリジットに婚約破棄されたのはいきなり?」
「そうだよ。何でも俺が太ってきたから嫌になったって」
「見た目で決めつけるなんてあまりにも身勝手だわ」
とカミーユ。
「それに、二人が仲睦まじくしているのを同じ学園生なら誰しもが知っているはずよ」
そうなのだ。
アドンとブリジットの婚約は学園中でも有名だった。
「ふっ。誰かと思えばサーラお前か」
重々しいバスの声が背後から聞こえた。
長く伸びた黒髪に黒い瞳。それは史学の先生だった。
「お前は娼婦で、アーチュウ殿下に淫売していたみたいだな」
「違います! 断固否定します」
「アーチュウ殿下はサーラには興味無いらしいな」
「……」
「先生までブリジットの味方なんですか?」とカミーユ。
「当たり前だろう。王族に淫売するなど不敬甚だしい。本当なら退学処分だな」
「違うんです。ブリジットが俺との婚約を一方的に破棄してアーチュウ殿下と婚約をしていたんです」
「何を言うんだアドン。きみは飽きられただけではないか。そんなに丸太棒みたいに太れば嫌われるのは必然だろう」
サーラは怒りがこみ上げてきた。
「違うんです。アーチュウ殿下の婚約者は元々は私の姉だったんです」
「だから何だって言うんだね?」
「先生! アーチュウ殿下とサーラの結婚は決まっていた事なんですよ。それを邪魔したのがブリジットなんです」
「しかし、クラス全体がブリジットの味方では無いか。私は悪いがマイノリティの方を応援するわけにはいかないんだよ」
次の時間は史学の時間だ。
「皆さん。史学の時間だ。その前にこのクラスに王族に淫売していた人間がいるそうではないか」
史学の先生がそう言うと、クラスメイトの目のベクトルは全てサーラに向けられた。
「先生! アーチュウ殿下は私を選んでくれたんですよ」
ブリジットが勝ち誇った声で言った。
そこへ、魔法の先生、クリストフが通りかかった。
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