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王都編
邂逅
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「あぁ。何という光景だ。私は今、神の審判を受けている気分だ!」
リャーレは震え、気付けば祈りを捧げる様に胸で手を組んだ。
誰もがその時、自身が騎士である誇りと使命を忘れた。
うゎ。何これ、ヤバすぎる。
取り囲まれてるんですけど!抜刀寸前なんですけど!
転生直後に殺されるとか、ちょっと!神様!?どーなってるのこれ!!
グレースは焦っていた。
光の幻想的な光景に恍惚としていた隙に取り囲まれていた事に全く気がつかなかったのである。
——— ちょっと。ツッキー!どういう事?これ!
——— あー。ヤバいねー。いっちょトラップ解除して王都目指すつもりだったんだけど。ヤバいね。
流石にここでの接触は予定外だったから、とりあえず逃げて帝都に向かおう。
あわわわわわわ!
ガクブルですわ!これ、詰んでますやん!
いかん、ここは無表情で押し通る!他人顔でスルーする!なんか襲われる気配ないし!今のうちに行こう!うん!
グレースは足を一歩前に出し、歩き出した。すると湖面が静かに足場を作りキラキラと光を放った。そして湖の淵までグレースを滑るように導くと、ドンっと水柱を作り飛沫を降らせた。
あ、焦ったーーー!何あれ!?何あれ!?爆発したよ?何で!?
怖い!怖すぎる!
心臓がバクバクと唸るのを必死に抑え、グレースは芝生を歩き出した。
ゆっくりと歩き出すと、グレースの足に触れた草花は枯れて、また新しい草花が生えるというイリュージョンが展開された。
——— うゎーーーん!何これー!!怖いよー!シシガミサマーー!!
涙目になりながらグレースは教会の横を通り過ぎ、騎士の熱視線を感じながらそろそろと教会入り口に足を進める。
闇夜の山中に、発光したグレースはランプの様に道を照らし、その光を受けた木々はキラキラと輝いた。
「神よ、テュルケット様!」
「テュルケット様、テュルケット様」
木々に隠れていた騎士達が次々に声を上げた。そして一瞬の邂逅に魅力されゾロゾロと湧き出したかの様にグレースに向かい出した。
「唯一神テュルケット様に全てを捧げます」
そう叫び湖に飛び込む者まで現れた。
背後の状況に恐怖を抱きながら足速にグレースは教会を抜け出した。
未だ叫ぶ心臓を抑える様にぎゅっと胸元の服を掴み、山道の階段を降りると、目の前に一頭の白い獣がバチバチと雷を纏い駆け上がってきた。
目が合うと、グレースはヒュッと息を飲み立ち止まる。そしてその白い獣もグレースを見て止まった。そして喋った。
「貴方は……神、なのか?」
うゎぁーーん!喋ったよー!なんか虎っぽいのが喋ったーー!怖っ!ツッキーーー!ヘルプ!へールプ!
——— おやぁ、まさかまさかの白虎じゃん!グレースちゃん、ラッキー!こいつ君の下僕候補じゃん!
げっ!下僕!?なにそれ!要らない!
——— 話しかけてみてよ!今晩は、いい夜ですね!って
いやいやいやいや、いつの時代のナンパよ!
月読命が背中を押し、声を掛けるよう急かしてきた。
「こ、今晩は。そ、その道を開けてくれますか?」
何とか声を出して問いかけたが、向かい合うビクトラはまだ呆然としてグレースの前に佇んでいる。返事が無く戦々恐々としていたが、限界だとばかりにビクトラの横を通り過ぎると、脱兎の如く駆け足で山道を降った。とんだ邂逅だとパニックになり叫んだ。
「ヤバい!ヤバい!超怖かった!漏らしそう!」
そんなグレースが駆けた跡には七色の光の道が出来ている。
リャーレは震え、気付けば祈りを捧げる様に胸で手を組んだ。
誰もがその時、自身が騎士である誇りと使命を忘れた。
うゎ。何これ、ヤバすぎる。
取り囲まれてるんですけど!抜刀寸前なんですけど!
転生直後に殺されるとか、ちょっと!神様!?どーなってるのこれ!!
グレースは焦っていた。
光の幻想的な光景に恍惚としていた隙に取り囲まれていた事に全く気がつかなかったのである。
——— ちょっと。ツッキー!どういう事?これ!
——— あー。ヤバいねー。いっちょトラップ解除して王都目指すつもりだったんだけど。ヤバいね。
流石にここでの接触は予定外だったから、とりあえず逃げて帝都に向かおう。
あわわわわわわ!
ガクブルですわ!これ、詰んでますやん!
いかん、ここは無表情で押し通る!他人顔でスルーする!なんか襲われる気配ないし!今のうちに行こう!うん!
グレースは足を一歩前に出し、歩き出した。すると湖面が静かに足場を作りキラキラと光を放った。そして湖の淵までグレースを滑るように導くと、ドンっと水柱を作り飛沫を降らせた。
あ、焦ったーーー!何あれ!?何あれ!?爆発したよ?何で!?
怖い!怖すぎる!
心臓がバクバクと唸るのを必死に抑え、グレースは芝生を歩き出した。
ゆっくりと歩き出すと、グレースの足に触れた草花は枯れて、また新しい草花が生えるというイリュージョンが展開された。
——— うゎーーーん!何これー!!怖いよー!シシガミサマーー!!
涙目になりながらグレースは教会の横を通り過ぎ、騎士の熱視線を感じながらそろそろと教会入り口に足を進める。
闇夜の山中に、発光したグレースはランプの様に道を照らし、その光を受けた木々はキラキラと輝いた。
「神よ、テュルケット様!」
「テュルケット様、テュルケット様」
木々に隠れていた騎士達が次々に声を上げた。そして一瞬の邂逅に魅力されゾロゾロと湧き出したかの様にグレースに向かい出した。
「唯一神テュルケット様に全てを捧げます」
そう叫び湖に飛び込む者まで現れた。
背後の状況に恐怖を抱きながら足速にグレースは教会を抜け出した。
未だ叫ぶ心臓を抑える様にぎゅっと胸元の服を掴み、山道の階段を降りると、目の前に一頭の白い獣がバチバチと雷を纏い駆け上がってきた。
目が合うと、グレースはヒュッと息を飲み立ち止まる。そしてその白い獣もグレースを見て止まった。そして喋った。
「貴方は……神、なのか?」
うゎぁーーん!喋ったよー!なんか虎っぽいのが喋ったーー!怖っ!ツッキーーー!ヘルプ!へールプ!
——— おやぁ、まさかまさかの白虎じゃん!グレースちゃん、ラッキー!こいつ君の下僕候補じゃん!
げっ!下僕!?なにそれ!要らない!
——— 話しかけてみてよ!今晩は、いい夜ですね!って
いやいやいやいや、いつの時代のナンパよ!
月読命が背中を押し、声を掛けるよう急かしてきた。
「こ、今晩は。そ、その道を開けてくれますか?」
何とか声を出して問いかけたが、向かい合うビクトラはまだ呆然としてグレースの前に佇んでいる。返事が無く戦々恐々としていたが、限界だとばかりにビクトラの横を通り過ぎると、脱兎の如く駆け足で山道を降った。とんだ邂逅だとパニックになり叫んだ。
「ヤバい!ヤバい!超怖かった!漏らしそう!」
そんなグレースが駆けた跡には七色の光の道が出来ている。
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